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おこちゃま系彼女 Ⅶ

最近の梅雨というものは

遅く来るくせして、たちが悪く

暑いわ、突然スコール降らせるわ


正直頭が痛くて耐えられないのです



◯:頭痛ぇ…


僕はキッチンに立ちつつ、頭を押さていました

偏頭痛持ちな僕は、こういう季節が嫌いなのです


理:お〜い、◯◯
 今日のご飯は…ってあれ?


呑気に動画を見ていた我が家のうさぎが、僕の方へやってきた

けれど、頭を押さえている僕を見て

心配そうに駆け寄ってきた


理:大丈夫?
 ねぇ、無理してるでしょ?

◯:大丈夫ではないかも…
 痛すぎて辛い


こういうときは、流石に正直になるしかなくて

答えた僕をゆっくりとソファーの方へと連れて行ってくれる


理:全く…何年経ってもこの時期に手がかかるのは変わらないね

◯:僕をりりの子供じゃないんだけど
 親面しないでもらって…

理:問答無用!
 …ったく、今日はゆっくり休んでなよ


なぜかこういうときは、頼りになるのです

…あ、職業柄というのもあるとは思いますが


理:私の手料理と、Uberどっちがいい?

◯:…Uber

理:え、美味しくないと思ってる?

◯:下手じゃないけど、良くも悪くも普通なんだよ

理:ひっど〜い



最近、うちのうさぎも周りの意識高い先輩たちに刺激されて料理するようになったんですが

普通の腕前なんですよ

…まあ、それだけならまだいいんですが

とてつもなく時間がかかるので、やはりご飯は僕が作っています 


不満を言いながらも、Uber Eatsを頼んだうさぎは僕に寄り添って動画を見ています

時々頭を撫でてくれながら


少しして


うさぎはトコトコと外へ出ていきました

僕はその頃にはウトウトしていて、記憶が朧げです


帰ってきたうさぎの手にあるのは、つけ麺でした


理:ほ〜ら、◯◯起きて?
 ご飯だよ

◯:んっ…んぅ

理:ほ〜ら、ちゃんと起きて


柔らかく、もちもちとしたうさぎの手は時折食べてしまいたくなるほど愛おしく感じます

今日もそう感じました


うさぎは箸を二膳持ってきて僕と向かい合わせに座り


理:はい、お手々を合わせて

◯:…ん

理:いただきます

◯:いただきまぅ


眠気がまだある僕とうさぎはご飯を食べ始めました



◯:んぅ…風呂入りたいけど、眠い

理:頭痛薬の副作用じゃない?

◯:それは余裕であるかも…


ご飯後、お風呂に入らねばと思いつつ眠たくて動けなくなっている僕にうさぎは言った


理:じゃあ、一緒に入って手伝ってあげようか


と言いました

このときばかりは、僕は甘えました

だって、眠いんですもん


理:よし、じゃあ準備するから待ってて

◯:あ、りり

理:ん?

◯:今日だっちして寝たい

理:…んもう、ほんと眠たいと甘えん坊だなぁ◯◯は
 いいよ、今日は尽くしてあげる日みたいだから


うさぎはとても優しい母性を醸し出しながら答えてくれました


あ、ちなみにだっちして寝るというのは元々理々杏から言い出したことで

雷が怖くて眠れない日に…


理:◯◯?なんか悪い顔してない?

◯:ん?してないけど

理:お風呂で変なことしようって思ってるんじゃないだろうね

◯:してほしいの?

理:したら叩くよ


そんなこんなで、優しい僕の彼女さんでした


理:…やっぱりだっちして寝るのいいね



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