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深い対話をする1on1のお作法③(3つの意識)

本日のテーマは最終回ということで
”1on1 ミーティング”について

前回・前々回の内容はこちら


では今回は3つ目の意識について、見ていきます!


🔴Question(投げかけ)とReception(受け入れ)

「心理的安全性」「時間」とポイントをお伝えしましたが、
「1on1」の内容については、あまり触れていませんでした。

なんだ、なんだ?結局、場づくりまでで、内容は一人ひとり状況が異なるから、実施者にお任せしますっていう丸投げパターンですか(゚д゚)!?

もう一人の私の心の声

……
正直「実施者にお任せします」が、本音です。

…(゚д゚)!マジデスカ!

会話・対話というのは、個性どうしの交流の時間です。
その交流に「型」は無いものです。

記録用シートに基づいて…などのアドバイスもあるようですが、
これも一長一短。帯に短し襷に長し。

これ、同じものにしないと意味ないのでは…(゚д゚)?

ずーっとシートの流れに沿って話をしたり、話を聞きながらメモを取ることに傾注してしまう。目を見て話せなくなる場合もあります。
お医者さんの問診時のカルテに近いイメージですね

逆に手元見なさ過ぎで、後で文字が読めない(゚д゚)!となるパターン

ただ聞きたいこと、話した内容を整理するためには必要でもあります。
ですので、こうしたシートを使用した「型」は状況に応じながら。
ちょっと雑にはなりますが
 経験を積み重ねながら、自分の「型」を磨き続ける
のが一番いいでしょう。

私からの提示としては
「1on1」を活きた交流の場とするための心がけとして、抽象的に内容の軸をお話しします。その軸に照らし合わせて「型」を検討してみて下さいね。

そこで大事になる姿勢が、
🔴Question(投げかけ)とReception(受け入れ)
です。
あえて-tionで終わるようにしてインパクトを残すことにしましたが、簡単に言うと
 ・まずは相手の発言に対して「受け入れる」、最初から否定はしない。
 ・相手の考えを引き出すために「投げかけ」、質問はしない。

●Reception(受け入れ)
Receptionには「歓迎」の意味があります。特にこの言葉
新奇歓迎:その視点はなかったよ!まとはずれOK!まずは受け入れる!
を意識してください。

●Question(投げかけ)
会話のキャッチボールをする際に、大事なのは
【質問】【問いかけ】【投げかけ】を区別することです。これは私の区分けになりますが

【質問】問い質す(といただす)こと。
特定の情報を得るために、相手に向けて直接的に問う行為

【問いかけ】
相手に対して、考えや意見を求めるために問う行為

【投げかけ】
自分の意見を伝え、相手の反応や行為、回答を促す行為。
必ずしも質問形式ではなく、相手の考え・意見を引き出す行為

としています。つまり「問う」ことだけが「1on1」ではなく、
I(アイ)メッセージを添えて、一緒に考える
も一つの方法です。

A:なるほどなぁ、■■さんはそう考えるんだね。私は…だと思うよ。
…(なるほど、そういう視点で考えるのもありなんだ(>_<)!)
B:視点を変えると、そうなんですね。今のお話を聞いて…

こうして会話が進んでいくのも、ありです。
「1on1」は成長の場。
それは双方にとってもなのですから、相手に問うだけでなく、考えるきっかけを作る「投げかけ」は非常に有効なツールと言えます。

では、このような交流の場をさらに円滑にしていくための
内容の軸のポイントを挙げていきます。


①会話量の比を意識し過ぎてはいけない

出来る営業は、自分が話をするのではなく、
相手が話したいことを話してもらうようにすることができる。

とある営業時の先輩の発言

のように、相手に話をしてもらおうとするばかり、
会話量が自分のほうが多くなってないかな?を気にされる方がいます。
よくされる質問で
「会話の比率は、何:何を意識していますか?」は結構多いです。
私の回答は

…相手によります。

適正比率なんてありませんし、逆に自分が多くなってしまってダメということもありません。
逆に意識しすぎて「投げかけ」が相手にとって答えるのが難しい質問になってしまったり、相手に話をしてもらうために答えやすい質問ばかりに従事してしまうこともしばしば。

会話量より、相手の表情や雰囲気から盛り上がりを作れているかを判断してください。向ける意識が違うだけで「1on1」の性質や中身が大きく変化します。


②「投げかけ」をしたら、即、OODA。

OODAという言葉はみなさんご存じでしょうか。

OODA(ウーダ)ループとは、迅速に意思決定と行動をする意思決定方法のことです。現在はビジネスの世界で使われることが多くなりましたが、もともとはアメリカの戦闘機操縦してあるジョン・ボイドが発案した戦術のひとつでした。

やさしいビジネススクール』より

ここ近年、軍事用語から由来するビジネス用語が増えましたね。
ちなみに

「40秒ボイド」の異名を持った彼は、どんな状況においても40秒で形成を逆転できた意思決定を研究し、完成したのがOODAループです。

やさしいビジネススクール』より

だそうで……

もう、この言葉しか出てこない。

スタジオジブリ『天空の城ラピュタ』より

「40秒で支度しな!」

さすがに40秒は無理です。服を着替えて、忘れ物をするのが関の山です。


でも意思決定、行動は出来る
そして、これは4つのステップを高速で回すことで、迅速な意思決定と行動ができるとされています。

ループは、どのタイミングから始めても良いのです

Observe(観察)は、
相手の一挙手一投足、全てを見続けることではありません。怖いです。

以前、面接の場に同席させてもらったときに、
ずっと話者以外の面接官が、志願者のことを、目を見開いて、瞬きもせずに見ていたことがありましたが…もはやコントの領域。

実に面白い。

「投げかけ」によって、相手が深く思考をしたり、リアクションをします。その様子を観察するということです。
そこから状況判断をして、次の言動はどうするかの意思決定をして、実行

「投げかけ」は、場の空気を変化させます。
その変化を観察し、常に新しい情報をインプットして、より正解に近しい状況判断、意思決定ができるよう心がけておくことが大事ですね。


③解答を作るのが目的ではない

「1on1」は、一話完結型が望ましいとお伝えしましたが、それはその時間内に解答を作るという意味ではありません。

せっかくのミーティングの場なのだから、何かしらの結論がないと、時間のムダになってしまいそうで…

という不安もあるでしょう。時間のムダになった場合、
「1on1」における最上位目標のズレがあったと考えます。

相手の課題や困りごとが対話の中で見つかり、次はどうしたらいい?
となって、考えているうちに時間切れ……あぁ、やってしまった。
(解決策を考えたり、導いてあげられなかったなぁ…失敗した…( ノД`))

ここで一旦立ち止まって考えてみましょう。
その「1on1」で自身が設定した目標は何だったのでしょう?

「解決してあげること」が最上位目標だったとしたら、本質的なズレ。
「1on1」ではなく、別のタイミングでアドバイスしてあげてください。

おそらく会話中に登場した「次はどうしたらいい?」に引っ張られて、
最上位目標がズレた(外発的なズレ)可能性が高いです。
戻るのはいつも「最上位目標」。これが大原則です。

最終段階の声がけで
「課題・困りごとをこうして話すことで、わかりやすく言語化できたね」

「言語化できたことを、問題解決に繋げてほしい。応援してますよ」
などの「1on1」プロセスの内容を承認、支援姿勢を表明することで、「時間のムダ」とは感じさせないこともできます。

解答を作れたかで「1on1」の成否を判断しない心構えが重要なのです。


④次につなげる締め

しつこいですが、「1on1」は一話完結型が望ましいとお伝えしました。
でも「1on1」はこの後も継続的に実施していくものですし、人間関係は単発ではありません。

だからこそ、

居てくれることへの「感謝」
時間を作ってくれたことへの「敬意」
話ができたことの「喜び」「嬉しさ」

これは必ず伝えましょう。
「1no1」の中で自分自身が学びになることも多々あります。新たな気づきも得ます。自身の成長、相手の成長を感じることもあります。

「いやー、今日は話ができてよかった」
「■■さんの話聞いて、私も勉強になりましたよ」
「忙しい中、時間作ってくれてありがとう」

これ、どれだけサラッと言えますか?言えてますか?

「それでは、ミーティング終わります。ありがとうございました」
という定型文で終わっていませんか?

終わり良ければすべて良し
中身も当然ですが、終わりまで少し注意してみましょう。


🔴Question(投げかけ)とReception(受け入れ)のまとめ

・会話量の比を意識し過ぎてはいけない
・「投げかけ」をしたら、即、OODA
・解答を作るのが目的ではない
・次につなげる締め


🔴最後に ~全3回をまとめて~

心理的安全性への配慮
最重要項目は”時間”
✅Question(投げかけ)とReception(受け入れ)

今回の内容から少し文体を変化させてみました。
この内容、7年前に職場で書いたマニュアルを抜粋しなおしたものです。

もしこれがどなたかの参考になればと思い、今回全3回に分けて公開してみました。どなたかの兆しになればうれしいことこの上なし。

ぜひコメントもいただければ幸いです。

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ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
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