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スィーファー
2021年9月26日 19:37
これまで1話完結の読み切り作品しか投稿してこなかったが、今回は初の長編となる。1話で終わらなそうなことだけは分かるが、最終的に何回に分けるかは書いている気分で決めようと思う。新着エピソードにして超大作になりそうな予感だ。●第17話「マグロ男」1私はほぼ9割見た目でしか男を選ばない。数多く男がいるマッチングアプリでどうふるいに掛けるかというと、まずは顔を見て、合格ラインなら身長と喫煙者かどう
2021年9月27日 20:47
●第17話「マグロ男」2これは前回の続きである。前回の話はこちらから。翌朝は私からおはようLINEをした。「連絡くれて、言ったことちゃんと実践してくれて嬉しいよ」と返ってきた。こんな幸せ、世の中に存在するのか。私たちは毎日LINEを続けては2〜3日に一度1時間半の通話をする仲になった。2回目の電話で男はカメラをONにした。ふむ…アプリの画像と違うところはあるものの、大きく加工したわけで
2021年9月28日 21:21
●第17話「マグロ男」3前回の話はこちらから。ここからは直前の実際のLINEのやり取りを見てもらおう。私が相手に押されて心変わりしていく様子がこの短い時間のやり取りで見て取れる。本当に馬鹿だ。私は予定外に夜から着替えてフルメイクして家を出て行った。ちなみに相手も私も都内ではない関東在住だ。結局、私はこの数時間後には男の地元から数駅のところまで行ってしまった。夜から男に会う。もうお互
2021年9月29日 19:18
●第17話「マグロ男」4前回の話はこちらから。コンビニで缶のお酒を買って公園まで歩く。そこそこ人通りはあるものの、たくさんあるベンチは空席のところが多い。2人で座るには広すぎるベンチに腰掛け、間に買ってきたお酒を置いた。今の私たちにはちょうどいい距離感だ。乾杯して飲み始めたものの、どうもそわそわする。外飲みこそ初めてだ。大きな通路に背を向けて座ったため、後ろを歩く人の姿や声が気になる。
2021年9月30日 23:00
●第17話「マグロ男」5前回の話はこちらから。やっと缶を空けた男は立ち上がり、2人で駅へと向かった。大人しく350mlにしとけばいいのに、ロング缶など買うから飲み切るのに時間が掛かるのだ。お酒のせいか、緊張のせいか、男は電話で話す時よりも饒舌だった。「僕の手を強く握ってくれませんか」などと言うもんだから、それぐらいのお願い聞いてやってもいいぞと差し出された手を握ったら「あ…あ…」と反応