読書感想文【小指が燃える】
2017年 青来有一
たまたま図書館で手に取った。
表題の他、短編『沈黙のなかの沈黙』を収録。
筆者は長崎出身であり、両親が被爆者という被爆二世。
本作品は戦争を体験していない人間が戦争について書くことの意義と作家というものの存在意義、戦争と神の存在について書かれている。
本編には実在の作家や筆者の過去作品名などが頻出し、一見私小説にも見える。とっつきにくい寓話のような、幻想的な文章は少々読みづらい。
特に前半に収録されている短編は短編なだけ、掘り下げるだけの厚みが不足し