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現実だと思っているこの世界自体が仮想空間、メタバースである可能性『フワッと、ふらっと、イーロン・マスク氏とシミュレーション仮説』

「哲学を学ぶと仕事がうまくいく」という考えからか、アメリカの企業などのビジネス研修では、「哲学思考」を学ぶことが流行しているようです。

 GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)やシリコンバレーのベンチャー、

そして投資銀行のメリルリンチなども、常識を遥かに超えた、現代哲学的思考のもとで行動しているようです。

 世界的な投資銀行メリルリンチシンクタンクは、

顧客に向けて配布した経済予測レポートで、

我々の世界は50パーセントの確率で映画『マトリックス 』のようなシミュレーションソフトである。

とまで述べています。

(参考:https://sotokoto-online.jp/diversity/1835

 このような考え方を「シミュレーション仮説」といいます。

 シミュレーション仮説は、私たちが生きている現実が、実際には高度な技術を持つ何者かによって作られたシミュレーションであるという仮説です。

 つまり、私たちが見て、感じて、経験しているこの世界が、コンピュータプログラムの中に存在している可能性があるという考え方です。

 この仮説の代表的な提唱者はオックスフォード大学教授の哲学者ニック・ボストロムです。

 もし、文明が技術的に非常に進化し、私達が今生きているこの世界と全く同じ臨場感を持つ、

仮想世界(これをシミュレーテッド・リアリティと呼びます)を作り出すことができたら、

人々はシミュレーテッド・リアリティを非常に多く作り出すことでしょう。

 例えば、私も、シミュレーテッド・リアリティを作り出す技術が今ここにあり、私にもそれが使えるのであれば、

この現実世界に住む平凡な私以外にも、

大谷翔平選手のように世界的に大活躍する私、

イーロン・マスク氏のような大富豪になった私、

ハリウッドスターになった私、

総理大臣になった私、有名な歴史上の人物になった私など、

ありとあらゆるシミュレーションを行うかもしれません。

 また、この世界と寸分変わらない全く同じ心理学的システム・物理システム・生物学的システム等を模したシミュレーテッド・リアリティであるなら、

その世界に住まう人々は意識を持つ可能性もあります。

 では、シミュレーテッド・リアリティ上の人間が、意識を持つという前提で次に進みます。

 シミュレーテッド・リアリティが可能になるのであれば、ゲームのようなものですから、ゲームにハマるかのように、

場合によっては、数百回、数千回、数万回のシミュレーションが行われ、

現実世界で意識をもった原点である私は1人ですが、

シミュレーション上の意識を持った私は数千人、数万人となることでしょう。

 また、こうなると、この場合の私は、

現実世界と仮想世界のどちらに住んでいるのかもわからないでしょうし、

どの私が本物の私なのかもわからなくなることでしょう。

 現実世界にいる原点である私が自分自身で、意図的に多くのシミュレーテッド・リアリティを作り出したのであれば、

誰が本物の私かはわかる、それは私だと思うでしょうが、

実はそれも確かめようがありません。

 現実世界にいる原点である私と思っている私も、自分でそう思っているだけで、

実は誰かに作り出されたシミュレーテッド・リアリティかもしれませんし、そうでないという証明ができないからです。

 このように考えるならば、

原点である現実世界での意識をもった私(が実際にいたとしても)よりも、

シミュレーション上の意識を持った私のほうが圧倒的に数が多いわけですから、

この例の場合の「私は」、確率的には、シミュレーション上の意識を持った「私」である可能性が、圧倒的に高いということになります。

 よって、この考え方に基づけば、全ての人々は現実の世界ではなく、

シミュレーテッド・リアリティに住んでいる可能性の方がずっと高いということになり、

そして、全ての人はシミュレーション上の存在である可能性が高いということになります。

 もちろんこの仮説を完全には証明できず、決定的な証拠もないのですが、この仮説は、私たちの「現実」とは何かという根本的な問いに挑む非常に興味深いテーマです。

 しかし、多くの人々は、このような考え方を知ったとしても、何が変わるわけでもなく、普段通り生活していくしかないと考えて、「こんなこと考えてもしかたない」となると思われます。

 そしてそれをすぐに忘れ、また人生の雑踏の中へと帰っていくことでしょう。

 ところが、そのように受け流さないのが、イーロン・マスク氏や世界の大富豪達や、企業研修にこのような考え方を取り入れようしている経営者達なのかもしれません。

2024年4月1日時点で、世界第2位の富豪、資産額1,950億ドル(約28兆6,650億円)、

ペイパル創業者で現米電気自動車(EV)大手・テスラCEOで、またX(旧ツイッター)を率いるイーロン・マスク氏も、

シミュレーション仮説の世界観のもとで行動しているようです。

 イーロン・マスク氏は2030年までに、火星基地を作ると述べてますが、

(参考:https://forbesjapan.com/articles/detail/40520?read_more=1

 彼は、

「映画『マトリックス』のようなシミュレーションソフトの中にいるわけだから、

それに心底気づけば空も飛べるし、

映画「マトリックス」の主人公ネオのように、数千人の敵も一度に倒せる。

ホントは明日にでも火星基地も作れるが、

ちょっとリアリティを出すために6年後ということにしておこう。」

と思っているのかもしれません。

(ただ映画「マトリックス」では、主人公ネオが仮想空間内で自由に行動しているかのように見えても、

それも設計者(アーキテクト)のシナリオ通りの展開であって、『お釈迦様の手の上の孫悟空』状態だったという感じでしたが)

「常識的な人間のレベルを超えた発想」だと思われますが、このような考え方は、

「文明の進んだ宇宙人やスーパーマンになろう!トレーニング」のようです。

 イーロン・マスク氏やGAFAM、シリコンバレー・ベンチャー、世界的なファンドマネージャーなどが、このような哲学に従い行動しているのであれば、

本当に宇宙人のようなものですから、並大抵の発想では、彼らに太刀打ちするのは難しいかもしれません。

 若い人達の中から彼らのようなダイナミックな発想ができる人が増えると今後日本でも面白い展開があるかもしれません。



 

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