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食育の功罪

私は多分、子どもの頃の食糧 (主におやつ) 事情に関してはかなりマイノリティなのではないかと思う。

母親がなかなか極端な人で (紅茶には鬼のように砂糖を入れるくせに (↓ 下記ノートに詳細あり))、(母親が認めた以外の) 市販のお菓子をほとんど買ってもらえなかった。


「ねるねる〇るね」 的なお菓子を買って食べているのを見付かったら、モーレツに怒られる。
実際、シュワシュワ パウダー的な 30 円くらいのお菓子をコンビニで買って食べたとき、食べこぼしがこたつか何かに残ったままになっていたようだ。

そしてモーレツに怒られた。

しかし私は、ああいう 「理科実験的なお菓子」 が (味はともかくとして) 大好きだった。
粉に水を落とすだけでゼリーになるとか不思議だし面白いではないか。
うっすーいうっすーいプラカップに、水をこぼさないように計量して入れて、ヘラでかき混ぜたりするのも楽しい。
私は小学校で 「化学クラブ」 に入部を希望するほど実験が好きだった。

希望者多数で落ちたので、1 文字違いの器楽クラブになった。
器楽クラブは第 3 希望にしたはずなのに第 2 希望の室内球技クラブ (バスケとかバドミントンとかやる) さえ落ちたらしく、これになった。

特に楽器が好きなわけではない。むしろ珍しくピアノさえ習っていないので平均以下でしか弾けないし。
しかも 5 人しかいなかった。


化学クラブは普通そんなに人気高くないのが当然だろう (失礼)。
なぜこんなに激戦の倍率になったかというと、現部員 (5・6 年生) は 「べっこう飴」 で新部員を釣ったのだ。

どう 「科学的に」 べっこう飴を作っていたのかは、抽選に落ちて入部できなかったわけだし今でも知らないが、まんまと私もこの 「べっこう飴」 に釣られた。


小学生である。
買い食いも許されていないし、お小遣いも少ない。
ましてや学校で 「飴」 を食べる機会なんて皆無である。

別に家で作ればいいではないかという感じもするが、「学校」 で 「べっこう飴」 を作れるということにも意味があったし、授業時間を 「べっこう飴作り」 に充てられるのも最高ではないか。


多分、みんな同じ思惑だったのだろう。
したがって応募は殺到し、私は残念ながら漏れた。
ほとんどの人が漏れていたと思う。

しかしよくよく考えたら、理科室の謎のホースから出てくる水道水を使用して作ったべっこう飴を食べたくはないと思った。
「酸っぱいぶどう」 現象かもしれないが。


さて、話を戻して、そんな母親が 「認めた」 おやつは下記である。

  • ブルボンが出しているお菓子 (主にシルベーヌ)

  • ポリッピー

  • でん六

  • 台形のバラエティ チョコ (ジャンケンやトランプの柄がエンボスになってるみたいなの)

  • 皮付きピーナツ

  • マーブル チョコ

  • ハイソフト (森永のキャラメル)

  • プリッツ

  • ポッキー

  • ミルキー

  • からいも飴

  • 甘納豆


昭和 (正確には平成だが) っぽいなぁと思う。特にブルボン。

これも別に 「家に常備してある」 という話ではない。
「家にあるとしたら」 の話だ。




私は豆が結構嫌いであった。
特に甘い豆は今でもそんなに好きではない。
甘納豆は一生食べられなくても困らない。

こしあんは食べれるけれど、粒あんはウッと思っている。
多分、誰にも共感してもらえないと思うが、粒あんは皮の部分が雪の味がする。

中華菓子のごまっぽいパサパサしたあまり甘くないあんこは結構好きなのだけれど、和菓子ならすあまとかぎゅうひ単体がいいし、どら焼きやまんじゅうなんかも好んで食べない。 
だんごも昔はみたらし団子しか食べられなかった。

ナッツもピスタチオとカシューナッツは好きだが、それ以外はあまり好きではない。

チョコレートも好きか嫌いかで言えば好きだけれど、大好き! ではない。でもベルギー行くと大量に買ってきてしまう。
そして冷蔵庫で何年も眠ることになる。
チョコレートを買うのは大好き。

ついでに友人がチョコレート (食べるのが) 大好きなのですごくチョコレートを送ってきてくれる。
前にベルギーで買ってきたチョコレートをおみやげにたくさんあげたので、おそらく 「チョコレート好き」 だと思われている。

そしてそれも冷蔵庫の中で何年も眠ることになる。

プラリネ系は干からびるけど、タブレットは何年経とうが問題なく食べられる。
いつか食糧難になったときに役に立つのだ!!

というわけで家の冷蔵庫の一部がちょっとした 「チョコレート棚」 になってしまっている。




今考えたらただ単に 「母親の好みに合わせたチョイス」 だろう。
そういや森永のチョイスやムーンライト、マリー ビスケットなんかも許されていた。

が、基本的に家にお菓子はないと思って差し支えない。


しかも 「おやつ」 と差し出されるものには、ただの昆布 (都こんぶではなく、乾物店に売ってる本気のもの) やするめ、干し芋や粉吹き芋など、しぶーいものが多々あった。

目的は分るが、ちょっと極端すぎる。


そして上記のような 「おやつ」 がない状態で母親が外出していたりすると、幼い私はお腹が減ったときにどうしたらいいのか大変困った。

お小遣いももらっておらず、かといって料理できるような年齢でもない。
もしかしたらでん六や甘納豆はあったのかもしれないが、食べたくない。


「昆布」 をおやつに与えていたのが発端となったのかは定かではないが、おそらく最初は昆布に手を出したのだと思う。

次に、そうめん (乾麺) に手を出した。

うちの親は天ぷらにそうめんを使っており (そうめんを 5cm くらいに折り、5 ~ 7 本まとめて扇の 「要」 のように天ぷら粉をつけて揚げる)、それがおいしいと思っていたので乾麺も似たような味でおいしいと思ってポリポリ食べていた。

最終的に飽きたのか、生米にも手を出した。
「研がなければならない」 ということもよく分っていなかったから、そのまま口に含んですこしやわらかくなるまで待って、ちゅーくちゅーく食べていた。


「人間はデンプンを加熱して食べなければならない」 と知ったのは、だいぶ後のことだ。

なんだかとても貧困な食事情みたいになってしまったが、ひとえに母親の極端さが招いた事態である。

兄も同様にお腹が減っていたので、彼もよくビタミン タブレットとか、なんたらオイルの入ったカプセルとかをポリポリかじっていた。


そのせいかどうかよく分らないが、私は 「市販のお菓子をあまり食べない」 大人になった。

なるべく雑味が少ないものを好むし、天ぷらもステーキも塩の味付けがいちばん好きだ。
ジュースも濃縮還元のものはほとんど買わず、ストレートのものを選ぶようにしている。

また、たまたま家の近くにあった地元のケーキ屋さんがとてもおいしくて (なぜあんなところに出店していたのか不思議なくらい)、人生におけるケーキの歴史がそこから始まっているため、やたらめったらケーキも欲しがらない。

「おいしくないなら食べられなくていい」 と思っている。


そのせいで、変に食材や味にこだわってしまい、あーでもないこーでもない、あれが食べたいこれは食べたくない、あぶり餅を食べに京都に行きたいとか言い出す (そして実行する) 羽目になりちょっと困っている。

ひとりだと、お腹がすごーく減っているのに、ハズレは食べたくないと思ってお店が決まらなくて空腹のまま何も食べずに帰るとかもよくある。
私はお腹空くとすごーくすごーくイライラするので、本当はこんなことしたくないのだ。




さて、私の家は極端すぎるが、小学校の頃にある友人の家に遊びに行って驚いたことがある。

いつ行ってもおやつが何種類も山のように盛られて出てくるのだ。
しかもその子はひとりっ子だった。

ハッピー ターンや源氏パイなど、家では食べたことがないものばかりだった (甘そうなのであまり手を出さなかったが)。

お父さんを早くに亡くしたせいもあると思うけれど、とにかくお母さんからもおじいちゃん・おばあちゃんからも大事にされていたように思う。

彼女が怒られているところなんて想像もつかないし、人の悪口も言わない、とてもおっとりしたいい子だった。
しかも色白でめっちゃかわいかった (お母さんもおばあちゃんも美人だった)。

そして 「お菓子が常備されている家」 もあるのだということを知った。




現在、パートナーと暮らして久しいが、パートナーが本当にお菓子をよく食べる。
彼が 「スーパーに行く」 と言ったときは、食材の買い出しではなく大体お菓子の補充だ。
いつも一緒に食材の買い出しに行くスーパーは、お菓子が豊富ではないため、彼はわざわざお菓子が安いスーパーに出かけて行く。
カルビーのコンソメパンチがお気に入りだけど、かりんとうとかクッキーとかフルグラとか、とにかくまぁよく買ってくる。

聞くと上記の女の子のような家庭で、「お菓子を常備している家」 だったようだ。


このお互いの 「幼少の頃のお菓子環境」 が、現在の環境にまったくの因果関係がないと言ったら嘘になるだろう。

そもそも私はあまり甘いものが得意ではない (たくさんは食べられない) けれど、家に常にポテチやせんべいがあったりしたら、やっぱりそれを日常的に食べていたのではないか。

彼は食後にもお菓子を食べている。




私は過去にしていた仕事がストレス凄すぎて、人が変ったように甘いものや高カロリーなものを欲しがり、1 年未満で 10kg 太ったことがある。
(その直前の職が安月給でろくに食べられずガリガリだったので、最終的には元どおり (^^;))

なぜかチョコとかドライフルーツとかばかり食べたくなったのだ。
飴もかなり買っていた。


家でバナナ パンを焼き、チョコ クリームを塗ってラップにくるんで持参し、お昼に近所のコンビニでアイスを買って挟んで食べる……。

みたいな今考えたら 「えええ!?」 みたいな食事をしていた。
私は基本的にしょっぱいもの大好きなので、ご飯が甘いものとかありえない。
パン屋さん行っても甘いパンを 1 つ買うなら、もう 1 つは絶対しょっぱいパンだし、食べる順番は絶対しょっぱい方が最後じゃないと気持ち悪くなる。

だから本当にストレスって怖いなぁと思った。人の嗜好まで変る。


その時に 「甘いもの」、特にフルグラのヤバさを知った。


フルグラはおいしい。
止まらない。

牛乳かけてもかけなくてもおいしい。

朝ごはんにもおやつにもおいしい。
いつ食べてもおいしい。

限定のメープル味が出たときは本当においしくて、あればかり買ってしまった。

というわけで凄く止まらなくなってしまった時期があったので、今はどれだけおいしいのが分っていても一切買わないようにしている。
中毒性が高い。




私の例も彼の例も極端だと思う。
しかし彼はよく歯医者にかかっている。

私も歯は丈夫な方ではないが、ここ数年はメンテナンスがうまくいっているのか、虫歯になってない。


彼は歯間ブラシもフロスも使っているにもかかわらず、最近また神経を抜いたらしい。

歯の神経って何本抜いているのが平均かは全然分らないし、平均が何本でもなるべく抜かない方がいいことには変らないだろう。

特に口臭が気になるとか、歯周病になっているとかでもなさそう & 痛がっているわけでもないのに、神経を抜かなければならない事態になるなんて驚く。
これはお菓子のせいが 0% とは言い切れないのではないか。

彼は 1 日 2 回は歯を磨いているようだが、多分ダラダラお菓子を食べるので、歯が再石灰化する時間がないのではないか。


私は 3 食とおやつ (3 ~ 4 時に 1 回) しか食べない。
夕食後に果物を食べる場合もあるが、大体連続して食べている。
飲み物も砂糖なしで酸性が強くないものを飲むため、多分そこまで歯が溶ける時間は長くない。

彼は私と違って甘いものも好む。
よく大学芋やおはぎ、グミなんかも買って食べている。


長々書いてしまったが、やはり何でも 「バランスが取れている」 とか 「中庸」 がいいんだろうなぁと思う。

お菓子をいっぱい食べられる人生は幸せだと思う。

生米は生米なりのおいしさがあるが、炊いたご飯か生米か選べるなら、炊いたご飯を選ぶだろう。


しかし 「歯を失う」 のはリスクが高い。
母親はこんなおやつ事情を強制させながらも歯事情はよろしくなかったが (だから子どもたちに強制を?)、子どもからの習慣は最終的に 「ライフスタイル」 になるので、それを見据えたおやつの 「食育」 が必要かな、と子ども目線で思った。


TOP 画像は福井で有名な谷口屋の油揚げとおろし蕎麦のセット。
これは 「竹細工の里」 の 2F にあったのだけれど、もう閉店してしまって今は本店でしか食べられないらしい。

この油揚げとおろし蕎麦がおいしくて大好き。


前は表参道のアンテナ ショップでも油揚げだけ売っていたけれど、今はどうかな。


個人的には北陸のお米がいちばんおいしいと思っている。
北陸の透明感が好きだ。



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