台北ヴィーガンぶらり旅③ヴィーガン天国ってほんとにあったんだ〜「植境」編
*②の続きです。
チェーンのパン屋さん「楽田麵包屋(GAKUDEN)」
台北3日目。今日は今回の旅行の最大のお目当てである、「植境(plantārium)」という菜食(素食)を推進している複合施設にいく予定。松山駅で11:00にモナと待ち合わせです。
改札を出てすぐのところにパン屋さんを発見。MRT駅に店舗がいくつかあるチェーン店のパン屋さんだそうです。
「全素(≒ヴィーガン)」の表記がたくさん。
お腹減ったよー。しかし今日は植境のビュッフェで食べまくるというミッションがあり、パンは我慢して目的地へと向かいます。
ヴィーガン天国「植境」のビュッフェを食べ尽くす!
徒歩5分〜10分くらい歩いたかな。入り口に到着。ちょっとわかりにくいので注意です。
VEGEの文字が見えます。
まずは腹ごしらえ。
入ってすぐ右にレストランがあるのだけど、もうすでに行列が!! 並んで券をもらいます。
満席でしたがギリギリで席を確保することができました。料理をとるためふたたび列に並びます。
やっと我々の番にー! いくぜー!
こちらは野菜炒め!
大根餅みたいなやつ。
カレーもあります。
ゴボウの炊き込みご飯的な。
かぼちゃのロースト。ボロネーゼソースが中にはいってるよー
もちろん飲み物も。この檸檬冬瓜茶ってやつめっちゃおいしかった〜
瞬間で手が洗える近未来的なマシーンもあった。
はい。ひとまず一通りゲット。
幸福度が限界値に。
あっというまに食べ終わり、おかわりにいきます。わたしはこのパスタが好きだったな。
デザートにはトウファじゃ〜!!
トウファおかわりじゃー!
ふぅ。さすがにお腹いっぱい。
お値段ですが、これだけ食べまくっても1000円ちょいくらいで、味のクオリティも高いんです。というのも、この植境は、台湾最大の仏教系慈善団体である慈済基金会が運営しているのだけど、ヴィーガンレストランが提携しており、おいしいヴィーガン料理を安く提供できるのだそうです。
このビュッフェの他にも、施設内には展示もあったり、料理教室もあったり。お土産屋さんもあります。
こちらはパン屋さん。
料理教室。
イベントスペース。
菜食について学べるスペース。
ヴィーガン性格診断。わたしはキヌア博士だった。
広々としたお土産屋さんも。
コスメ。
食品エリアはスーパー並みの広さです。
わーお、インスタント麺が壁一面に!
冷凍のパスタやカレー、ソーセージ。
ジャーキー。
牛肉にしか見えないヴィーガンパテ。
オムニバーガー。
目玉焼き。
ちまき!!
冷凍のヴィーガンエビも。
これは台湾の伝統的な席で出される魚の丸焼きのヴィーガンバージョンだそうです。伝統料理も、本物の肉・魚にこだわらず、どんどん代替していけるといいよね。
エスニックぽいのもあり。
ジェラートもたくさん。
お店のすぐ脇ではヴィーガンヨーグルトの試食をやっていました。
ふー。見尽くせないほど興味深い商品がたくさん。ぜんぶ食べたい。
日本だと浅草にVegan storeがあったけど、多分今は閉店してしまっているし、自然食品店でもヴィーガンの商品はまだまだ少数。こんなにヴィーガン商品が揃っている場所ってなかなかお目にかからないよね。
ヴィーガニズム(正確には素食/プラントベースというべきか)について学ぶこともでき、食べて体験することもでき、日用品もゲットできる、こういう場所が常に一般に開かれているなんて、まじでヴィーガン天国なのですが、そのためには金と力も必要だということを改めて考えさせられたのでした。
ねずみのシェルター「愛鼠協会」
さて、植境の近くにはもう一つ面白い場所が。モナに案内され、歩いて目的地へと向かいます。
途中に鯨がいた。鳴いてた。
アーケードを歩いていくと「愛鼠協会」の看板を発見。
そう、こちらはなんとネズミのシェルターなんです。
1階はネズミ飼育用品が売られていますが、2階がシェルターになっていて、ふらっといっても見学ができます。
見学のためのルール。触るのはNGです。
部屋いっぱいに並べられたケースのなかに1匹1匹保護されたハムスターやモルモットたちがいます。
ここでは里親も受け付けているようで、この日も新しい子を家に迎え入れようとしているご家族が見学に来ていました。
飼育方法についての説明もあります。
ネズミの保護なんて日本では聞き慣れませんが、この協会の収入は年間2000万円ほどで、ほとんどが個人の寄付で賄われており、ボランティアスタッフもいるそうです(*参考:現代ビジネス「犬や猫だけでなく「ねずみ」を保護する団体まで…台湾で「動物保護」が盛り上がっている背景」)。さっきの植境もそうだけど、ちゃんと動物保護や菜食推進がビジネスとして成り立っているんだなー。ついでにこのネズミシェルターの立ち上げ人は、わたしたちと同世代の女性だそう。
今回は行けなかったんだけど、他にも台湾にはウサギの保護施設もあるとのこと。動物保護というとどうしても犬猫ばかりに注目が集まりがちですが、ネズミでも、他の動物でも、ちゃんと保護施設があって、そこから引き取って伴侶動物として受け入れるような流れができていったらいいなー。
太っ腹なパン屋さん「嬉皮麵包 HIP PUN」
ネズミシェルターを後にし、松山を離れ、電車で松江南京のパン屋さん「嬉皮麵包 HIP PUN」へ向かいます。
わたしたち看過しない会が以前、路上生活者の方々へヴィーガンお弁当を配ったという話をモナにしたら、台湾でもパンを無料で配布しているパン屋さんがあるよ、とのことで、行ってみることになったのでした。
この日はやってなかったけど、ときどき、誰でも食べられるように外にパンを置いてるんだって。
イートインスペースも数席あります。
お隣のテーブルは猫さんが陣取っていました。あとめっちゃ蚊いた。超刺された。
油化街の無口小廚でめっちゃ美味しい何かを食う
夜は台北西部の淡水河近くで用事があったので、電車に乗って、人気観光スポットの油化街(大稻埕)へ。
このあたりは、乾物や高級食材、漢方薬などの老舗がずらりと並んだ問屋街。日本のコロニアル時代には主要な商業地になったそうです。高級食材として有名なフカヒレも多く売られている場所だそう・・・。わたしは見ることができなかったんだけど、高級フカヒレが売られている様子はモナが出演しているこちらの動画で見ることができるよ。
台湾ではサメの乱獲が昔から問題になっていて、フカヒレの生産の残酷さも指摘されるようになり、世界的にも生産禁止の流れにはなっているようです。でもやっぱり、高く買う側が残りつづけるからこそ、捕獲がなくならないんだよね。
ドキュメンタリー『Seaspiracy 偽りのサステナブル漁業』では、生態系におけるサメの重要性や、フカヒレ産業が海に与える影響についても描かれています。
ちなみに、人を襲うことがあるため悪者とされがちなサメですが、サメに殺される人間の数は年平均10人である一方、人間は一時間に3万匹近くのサメを殺しているといいます。しかもその半数は漁業の混獲によって殺されているんです。
混獲というのは漁業ならではの問題で、漁業ではある種の魚を獲ろうと思っても、その狙った一匹だけが獲れるわけではなく、捕獲用の網に大量の他の生き物たちが引っかかってしまいます(たとえばアイスランドでの小さな漁場では、一つの漁場で一カ月間に269頭のイルカ、900頭のアザラシ、5000羽の海鳥が混獲されます)。網にかかった生き物の4割近くはすぐ放されるといいますが、その大半は引き上げられた時点で既に死んでいます。人が魚を食べる時、眼に見える犠牲はお皿の上にのった一匹だけですが、実はその見えない背後には大量の死があるんです。
わたしは動物問題に関心を持ち始めたばかりのころ、肉は食べるのをやめても、魚はあまり罪悪感なく食べ続けていたのですが、漁業の実態を知るにつれてだんだん食べることができなくなりました。目の前の食べ物について教えられていないことがあまりにも多すぎるよね・・・。
***
油化街の歴史を感じさせるレトロな建築を歩きつづけ・・・
お目当てのカフェ、「無口小廚 Mukuchi Kitchen & Bar」に到着。
ここは豆腐がおいしいとの噂だそうで。モナはラーメンを注文。やはり薄味でしたが、ラーメンというより薬膳スープみたいなやさしい味。
わたしはさすがに腹一杯だったので、そぼろ丼みたいなご飯もの
・・・と、サイドメニューだけで控えめに行きます。
このパイみたいなやつ(アスパラガスと豆腐のロール)ははじめて食べたんだけど、外はカリカリ、中はふわふわで、めっちゃくっちゃおいしかった! これ日本にほしいー!!!
歴史ある本屋「郭怡美書店」で芸術を味わう
日が暮れる前にカフェを出て再び歩きます。
近くの本屋さん、「郭怡美書店」へ。
今日はここで開かれるコンサートを聴きにきたのでした。
ここは古い建築をリノベーションして作られていて、中を歩いているだけでも趣があります。
展示スペースもあった。
無名家事図鑑だと・・・!
コンサートが終わって(とても素敵だった)、暗くなった通りを歩いていると、綱をつけていない飼い犬たちがたくさんいました。普段、犬は綱をつけることが当たり前になっているけど、「当たり前」というのは場所を変えれば当たり前ではないのだなぁ。
野外の映画上映もやっていました。
→つづく。
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