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パレスチナ問題に無知なので、勉強し始めの2冊。
『ガザとは何か』岡真理
ガザ攻撃後すぐの緊急講演の書籍化であるため、報道の偏りを非難し、情報操作されていることに気付いてほしい、と強く訴える内容でした。「ハマスとイスラエルは対等であり、パレスチナ問題は、宗教と憎しみの連鎖によるものだからこじれている」と思ってきた方は必読。
何故このようになったのか、という背景については、一般的な、ホロコースト後の世界の落としどころ+金の力とアメリカ選挙への影響
『クララとお日さま』感想
カズオイシグロ信者(痛い系)である私は、世の中の絶賛の評を目にしても、
「彼の素晴らしさを、本当にわかっている人はいるのだろうか、
彼の作品は、私というたった一人にだけわかる感動を書いているのだ」
という気持ちで過ごしていました。
全世界の人々が発売と同時に手に取った、ノーベル賞作家の待望の新作を前にして、頭がおかしいにも程があります。
ただ、読んだ一人一人が、自分の限りなくプライベートな部分
ファーンをファーンたらしめているのは何か
映画『ノマドランド』感想です。
(注意:以下、断片的に映画内のシーンに言及しています)
主人公ファーンは、ほとんど話さない。独白もほぼなく、何を考えているのか、これまでどんな人生を送ってきて、どのような価値観を持った女性なのか、詳しい描写は一切ない。
これは、ノマド生活の中でファーンが触れ合う、同じノマドの人達、親族、若者、すべての登場人物において言えることで、誰もがふたことみこと、言葉を交
生みの苦しみとは何なのか
私の好きな本『独学大全』の作者、読書猿氏の名言の一つに、「同じ本を読む人は遠くにいる」という言葉がある。
この言葉を実感したのは、株式会社コルクの代表を務める佐渡島庸平さんが、遠藤周作をテーマに読書会を開催することを知った時だった。
遠藤周作は、私の読書人生の初期に出会った、とても大切な作家だが、今までその思いを共有できた相手は、彼の本を手渡してくれた母以外にはいなかった。
佐渡島さんは、自
『死海のほとり』遠藤周作
遠藤周作について語る読書会が2021年の今、存在するなんて! という驚きと感激から、気づけばサークル参加ボタンを押していました。
そして、サークル用コンテンツで遠藤周作を熱く語る主催の佐渡島さんは、なんと自分と同世代。私と同じように、10代前半でこの作家にはまり、更には『死海のほとり』が一番好きというところまで一緒! 嘘でしょ!(狂喜) ←イマココ
この嬉しさを、『死海のほとり』の感想文という
あと少しの、母と語り合う時間について
私には想像力がない。
このままだとどうなるか予測できない。
人の気持ちを慮ることができない。
だから、いつも「そのとき」になって、困惑し慌てふためいて周りの人を傷つけて、こんなはずではなかったと後悔する。石橋を叩いて渡るどころか、渡った後にそこに橋があったことに気づくレベルで先のことが考えられないし、よかれと思って相手のためにしたことは大抵の場合裏目に出るような人間だ。
そんな私には、70代の母