- 運営しているクリエイター
#妄ツイ
爬虫類が好きな義理の姉は、人肌が恋しい
三年生になって、アルノと同じクラスになれて。
夏の大会も近いし、進路も決めないといけない。
そんな中、俺の頭を悩ませる名刺が一枚、机の上。
「はぁ……」
『君を、我々のチームに迎えたいと思っていてね』
三日前、突然うちを訪れて、名刺と学校のパンフレットを置いて行った全国でも屈指の強豪大学の監督。
自分の実力を認めてもらえたような気がした。
自分の努力を認めてもらえたような気がした。
義理の姉とデートに出かけたんですけど、やっぱりまだまだ恥ずかしいみたいです
俺には、母さんの再婚でできた中西アルノという同い年の義理の姉がいる。
同い年なのに姉って言うのもおかしな話なのだが、アルノの方が誕生日が一日早かったので俺が弟になったのだ。
同じ学校で、接点もほとんど無かったけれど、急に一つ屋根の下。
相手は美少女で、俺も最初は胸を躍らせた。
しかし、家と学校とではまるで態度が違う。
家では普通に接してくれているのに、学校ではツンケンしてて、友達からは怖
私を助けてくれた、王子様みたいな彼の義理の姉になるって本当ですか!?
休日の昼下がり。
ぽかぽかの日差しと、クーラーの音。
ぽかぽか、何て言ってはいるけど、一歩でもこの部屋から外に出たら汗だらだらなのは間違いない。
こんな中で練習とか試合を頑張ってる○○は偉いなぁ。
凄いなぁ。
「アルノ~」
リビングに顔を出した○○。
○○、今日は部活が休み。
「なに?」
「俺、これから駅前に新しくできたスポーツショップに行くんだけどアルノは……」
「私も行く!」
義理の姉が空を見上げる横顔は、夜空に輝く花火よりも綺麗でした
「あつい~……」
夏休みに入った。
学校はおろか、外に足を運ぶことすら少なくなって、私は絶賛運動不足。
おつかいに行くのすら命懸けだ。
「あつ~い……」
八月のお昼の空気は吸い込むたびに肺が焼けていくような錯覚をし、滴る汗は命のタイムリミットのようにも思える。
「暑い暑い言うなよ。余計に暑くなる」
毎日のように練習に行ってる○○ですらこの夏の暑さというのはうっとおしいらしく、さっきか
義理の姉と一緒に回る学園祭は、ドキドキの連続かもです
夏休みも明けて一か月が経って。
木々は徐々に色づくのと同時に、放課後の校内も色めきだったような騒がしさが出てくる。
廊下でアルノと話していても、周囲が浮足立っているんだろうというのがありありとわかる。
「やっぱ、去年もそうだったけどみんなそわそわしてるよね」
「まあ、学園祭だからな」
みんなが色めきだっている理由なんてのは単純明快で、学校行事の中でも一、二を争う行事。
それに、俺たち二年
修学旅行の最中でも義理の姉のことを考えてしまいます
学園祭も終わり、俺たちは秋季大会を迎えていた。
「ナイシュー○○!」
「ここしっかり切るよ」
ベスト4まで残り、うち二校に与えられる関東選抜大会への切符を争うリーグ戦に身を投じていた。
「ディフェンス!声出せ!」
いつもとはまた違った監督の枯れかかった声と、選手たちが踏み込む摩擦音が体育館に響く。
27-27。
スコアは横並びで残り時間は十秒。
汗は飛び散り、激しく体が衝突する。
聖なる夜、僕の想いを義理の姉に伝えることにしました
窓の外には昨日に一日中降り続いた雪が積もり、太陽に照らされた結晶たちがキラキラと輝く。
「…………」
一か月くらい前の修学旅行の日。
あの日以来俺はこんな感じだ。
多分ずっとあったこの気持ちに自覚してしまったあの日から、俺はどこかおかしいんだ。
「はぁ……」
枕元に置いてあったジンベイザメのぬいぐるみを抱き寄せて、うずくまるようにしてベッドに潜る。
こんな風に、抱きしめられたら……
違和感を感じて目を覚ますと、義理の姉が僕のベッドに潜り込んでいました
年を越して、冬休みが明けた。
幾ら暖冬とはいえ、朝は冷えるもので、新学期の始まりは、凍える様な木枯らしが告げた。
年末年始は部活動もなく、毎日こたつやらベッドやらに潜ってぬくぬくと生活していた体にはこの寒さは厳しい。
早速、新学期一発目の登校から冬の洗礼を受ける。
「さむい……今年は暖冬って言ってたのに……」
毎日ごろごろ生活していたのはもちろん俺だけではなく、アルノだってそう。
半分
どうやら、義理の姉が嫉妬をしてしまったみたいです
眠い……
古典の授業って、どうしてこうも眠くなるのだろうか。
「ふぁ……」
「○○欠伸するなー。ここ読んでみろ」
「はい!」
何にも聞いてなかった。
何ページ読めって言われてるんかもわからない。
「○○くん」
井上が後ろからペンで俺の背中をつつく。
「ここだよ」
教科書の文章を指してくれている。
「えー……」
井上の助け舟のおかげで何とかその場をしのぎ切る。
「よし。次から
義理の弟は落ち込んでいるとき、意外と子供っぽいみたいです
一月下旬。
大会まで残り少なくなってきて、体育館にも異様な緊張感が走る。
それもそのはず、勝てば全国大会。
インターハイでは無いけれど、やっぱり『全国大会』という響きには誰しもが憧れる。
「もっと詰めろ!」
「こっち空いてるだろ!」
「カウンター走れよ!」
ただの部活の中の紅白戦でも、語気の強い言葉が飛び交う。
「俺に出せ!」
かくいう俺も、その雰囲気に充てられてか言葉が強くなっ
義理の姉からバレンタインを貰えないなんてことないですよね!?
クラス中の男子がそわそわとしだして、その季節の到来を知る。
世はバレンタインの季節。
男子にとって、この季節は天国と地獄に二分される。
彼女や仲のいい異性が居るもの。
もしくは、そう言うのをしてくれそうなマネージャーのいる部活に所属しているものは天国。
一切女子かかわりなんてありませんっていう者たちは地獄。
しかし、そんなこと関係なく全員がそわそわとして、その日の直前は男子全員がワンチ
誕生日を迎えた義理の姉は、一日くらいお姉ちゃんって呼ばれたい
時計の針が刻一刻と日付の移り変わりが近づいていることを知らせる。
秒針が進むにつれて、それを見つめる俺たちはどこかそわそわしていた。
「もうすぐだ」
「カウントダウンして!」
アルノに言われるがまま、残り五秒からカウントを数え始める。
「3……2……1……誕生日おめでとう」
「ありがと~!」
3月17日。
アルノの誕生日。
アルノの方が一つ上。
とはいっても、日付が変われば俺の誕生