貴志祐介『新世界より』
SF好きを標榜しつつ読んでいなかった無数の作品の一つ。
遠い未来に呪力という超能力を得た人類が作り出したアルカディアで生きる少年少女たちが、閉ざされた町の外で捕まえたミノシロモドキという生き物(=滅亡した日本にあった国立国会図書館の自走式端末)との出会いから怒涛の運命に導かれ、丁寧に管理された世界の裏側を目の当たりにしていくお話。
呪力という大きな力を持つために争いを避けなくてはいけない人類は、高度な通信手段も移動手段も持たず、悪鬼や業魔というおとぎ話を怖がるとても素朴な生活