【感想文】いつも結果を出す部下に育てるフィードフォワード(久野和禎)
ページ数:268ページ 2018年著
著者プロフィールは以下の通りです。
【なぜこの本を読もうと思ったのか?(自分の弱みや足りない点)】
・年下、年上関係なく部下を正しく指導したい
・フィードバック手法のみに限らず幅広く概念を学んで偏見をなくしたい
【なぜそう思ったのか?】
・役職が上の人間や年上の部下、年齢の離れた年下部下など、
多様性をもって正しくフィードバックする必要が増えてきた
・フィードフォワードは言葉からして
フィードバックの逆張りなので気になった
【本文の文字数】
1,433文字/1,440文字
【❶結論】【フィードフォワードは長期目標、
フィードバックは短期目標に向いている。二元論ではなく、ハイブリッドで使いこなす必要性アリ】
フィードフォワードの概要は後述に要約するが、
そもそも論として疑問だったのは、
「長期だけでなく短期目標も同時達成を求められるビジネスにおいて遅行的効果にどれだけ専念できるか?」
である。
本書には事例も載っているが、
ことすべてにおいて「期限」の話が出てこなかった。
この時点でフィードフォワードは
長期目標概念なのだと認識した。
フィードフォワードはPDCAサイクルで言う所の
PDのみにフォーカスしているのでCがない。
面談の場において、
おそらくフォワーダー(質問を投げかける側)から
明確な数字や進捗に対する確認はない。
業務としての短期目標も進捗管理する
同時並行のバランスが重要だと感じた。
したがって前回の感想文でも述べたフィードバックと
併せたハイブリッド型の面談を行う必要がある。
面談と聞くと企業としてはコスト面ばかり
目が行きがちだが、面談によって
パフォーマンスが上がれば問題ないだろう。
費用対効果の可視化が重要である。
【❷要約】
本書は部下育成手法で最も重要であるフィードバックには
効果がある反面、いくつかの問題点があると唱えた上で、
認知科学者の苫米地英人氏に弟子入りのもと、
科学的根拠と実践から裏付けされた教育手法を述べている本である。
主に中間管理職に向けて発信されてはいるが、
シンプルな手法である事から
家族や友人、同僚など幅広い世代に
展開できるものとなっている。
筆者のフィードフォワード定義は
「①過去や現状にとらわれてしまいがちな人に対して、
コミュニケーションや観察を通して相手の状況を把握し、
②相手に起きている出来事やそれに伴って体験している感情を受け止めた上で、
③その人が自分の未来に意識を向けて行動する事が出来る様に促す技術の事」とされる。
①、②が現状分析で
③がアプローチ方法と言える。
最も基本形となる質問は3つ
1.「最近どうですか?」(現状分析・観察)
2.「これからどうしたいですか?(未来へ目を向けさせる)
3.「もっと先にはどうしたいですか?」(更に現状の外に目を向けさせる)
上記質問を投げかけ、
受け手であるレシーバーの意見を
全肯定する流れで進めていく。
フィードフォワードは未来からの逆算
(業務ではなくありたい姿に対して)でギャップを検証する。
フィードバックの問題点は筆者いわく以下の通り
・過去からの目標接設定であるため「現状の最適化」にしかならない
・忌憚なくものを言う文化が日本にないので難易度が高い
【❸仮説】【有効であるにも関わらずなぜフィードフォワードは広まっていないのか?】
私が思うにフィードフォワードは「難易度が低い故に抽象度が高くなる事」が、
今イチ部下育成において効果に欠けるのではないかと考える。
解決策の抽象度が高い為、レシーバーのレベルが低いと
「よくわからないけどスッキリした!頑張るぞ」とアクションプランが迷走しがちだ。
そもそも部下は抽象度を上げられると自身に当てはめる事が難しい為、業務経験が浅い人間には不向きである。
フィードフォワードは基本的にすべて肯定するので、
私の様な不安になりやすいタイプは、
自分が出した甘い解決策に対して
肯定されるとかえって不安になる。
同時に、
「この人は何も有効なアドバイスがなく面白くない」となり、以降相談を持ちかけなくなる。
通り一辺倒ではなく、
相手のレベルに応じて面談手法を変える事が重要である。
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