比較は不要!ご泡火炊き「タイガー JRX-G100」レビュー【炊飯器】
「ゾウvsトラ」仁義なき戦い
一年くらい前から炊飯器の内釜のコーティングの剥がれが目立つようになってきたのですが、お米は炊けるし有毒物質が出ているわけではないので、見なかったことにしてずっとスルーしていました。
しかし最近になって家族から「いまいちお米が美味しくない」という声が大きくなってきたため、いよいよ炊飯器を買い替えることにしました。
今回は家族からのリクエストもあり、炊飯器市場における人気で不動の1位である象印と、それを追いかけるタイガー魔法瓶の2社に絞って検討しました。普段であればコスパ重視の機種探しになるのですが、タイミングよく臨時収入があったため、どうせならハイエンド機種を第一候補にしようということになりました。
お目当ては5.5合炊きで、2024年モデルでは象印「NW-FC10」とタイガー「JRX-G100」がハイエンド機種になります。
その差、2万円
ネット価格の最安値はNW-FC10が10万円弱、JRX-G100が8万円弱でした。炊飯器は長く使うものですし高価格帯ということもあり、長期保証への加入を想定して、ターゲット価格を象印なら10万円、タイガーなら8万円に設定しました。
通常ですと白物家電の買い替えの場合は前年モデルなども候補に含め検討するのですが、今回は象印・タイガーとも旧機種との値差が1万円程度でしたので最新モデルを狙うことにしました。
販売価格の傾向としては、象印は高値安定、タイガーは象印の8~10%程度安く売っているという印象です。タイガーは業界1位の象印のシェアを奪おうと頑張っているようですね。量販店でのキャンペーンにも力を入れている様子でしたので、タイガーであれば実店舗でもネット最安値レベルまで交渉できそうな期待感がありました。
一方で、約2万円の価格差をどう考えるかという問題ですが、2社を同時に食べ比べて選ぶことなどできませんし、仮に象印の方が自分好みだったとしても、2万円も高くなるのは悩ましいものです。
象印の最高峰を手に入れて得られる満足感よりも、どうせ比較できないのだからと割り切り、タイガーを選ぶことによって浮いた2万円を別の家電などの購入に回した方がきっと幸せだ!と自分に言い聞かせました。ということで、狙いをタイガーに絞って某家電量販店を訪れました。
いざ価格交渉へ
お店の炊飯器売り場へ行くと、一等地に象印とタイガー、阿部寛と渡辺直美、NW-FC10とJRX-G100が並んで展示されていました。値札の価格はNW-FC10が13万円台でJRX-G100が11万円台でした。
早速店員を呼んで交渉したところ、回答はいずれも1万円引き。そこで、こちらのネットショップの値段よりかなり高いですねと言うと「ネットショップではいくらになってますか?」と聞かれました。これは期待できそうな予感。
「NW-FC10は126,000円であまり変わりませんが、JRX-G100は92,000円ですね」とスマホの画面を見せて確認していただきました。ネットではさらに3,000円のクーポン値引きがあることに加え、JRX-G100は10,000円の特別クーポンも使えるため、カートに入れると最終的に79,000円になることを伝えました。
競うのが完全に無理な価格であればここで「それはちょっと…」と突き放されるのですが、何となく希望がもてそうな雰囲気でしたのでここで「ネットと同額とまでは言わないけど、長期保証込みで近い値段になるよう頑張ってもらえませんか」とプッシュしました。ちなみにネットショップの条件では長期保証は3%加算になりますので、合計81,370円になります。この値段にどこまで近づけられるかで勝負が決まります。
店員さんが裏に入ってから5分ほど待っていると、小走りで売り場に戻ってきました。「83000円でいかがでしょうか。長期保証は、当店のクレジットカードでお支払いの場合、無料で付きます」との回答。十分納得できる条件と価格でしたので、その場で決めました。
初めてのタイガー、初めてのハイエンド
というわけで我が家にやってきたJRX-G100ですが、炊飯器としてはタイガーもハイエンドモデルも初体験ということで、気分が上がります。
JRX-G100はIHコイルを2層にした「300℃ WレイヤーIH」構造と「本土鍋」の組み合わせによって、最高温度300度の大火力でお米ひと粒ひと粒に熱を加えることができます。直火で炊く土鍋と同じ温度差で発生する熱対流により、お米本来の甘みと香りを引き出してふっくらとしたごはんに炊き上げるのが特長です。CMの「ご泡火炊き」でおなじみですね。
箱から出して設置完了。さっそくお米を炊いてみます。我が家の定番銘柄はコシヒカリなので、銘柄指定機能を使ってみることにしました。内釜にお米と水を入れてフタを閉めたら、画面の[白米]⇒[銘柄指定]⇒[コシヒカリ]を選び、炊飯ボタンを押すだけで炊飯スタート!
約50分後、CMソング「タイガー 炊飯ジャー 炊きたて♪」のメロディーが鳴り、炊き上がりました。
炊きたてのごはんの味
フタを開けると、ごはんは粒が立っておりツヤツヤで白く輝いていました。驚いたのは、ごはんの中にしゃもじがスルッと入っていく感触。ひと粒ひと粒にハリがあることがわかります。
茶碗に盛ったごはんを食べた瞬間、いままでとはまるで違う感覚に戸惑いました。お米の存在感が際立っているせいか最初はやや硬めに感じたのですが、咀嚼によってもちもちの食感に変わり、甘みと香りが口の中に広がっていきます。これを旨いと言わず何と表現したらよいのでしょう。炊飯器メーカーの情熱が伝わってくる素晴らしい仕上がりです。きっと象印NW-FC10を選んでいたとしても同様に満足できたと思いますが、とにかくJRX-G100を選んでよかったと思えた瞬間でした。
タイガーの上位機種は土鍋の特性をいかしておこげの出来具合を火かげんで調節できるので、釜めしや炊き込みごはんが好きな方にはタイガーがおすすめですよ。
冷めたごはんの味
一般的な評価では、タイガーは冷めたごはんの味が象印より劣ると言われているようです。我が家ではJRX-G100で炊いたごはんで「おにぎり」「おはぎ」を作ってみました。しっかり冷めた後でいただきましたが、どちらも「めちゃくちゃ美味しい」という結果になりました。とにかく粒立ちともっちり感が凄いんです。
相対的評価では象印が勝る点が多いのかもしれませんが、タイガーも十二分に美味しいごはんを味わえます。要は各メーカーの個性の違いだと思いますので、生活スタイルに合うかどうかや、予算や気になる機能の有無で選べばいいのかなと思います。他にもパナソニックや東芝、日立、三菱などの選択肢がありますので、カタログを見比べてみるのも楽しいと思いますよ。
あとがき
今回は炊飯器の買い替え検討から購入後の感想までを綴ってみました。5年前に買った炊飯器とはメーカーもグレードも違いますが、毎日美味しいごはんを食べられることに喜びを感じています。タイガーJRX-G100はインターネット接続とスマホアプリによってさらに便利に使える機能がありますので、これからいろいろ試してみようと思います。
白物家電も黒物に負けず劣らず技術は日々進歩しており、毎回買い替えるたびに驚きがあります。ここ数年でエアコンや洗濯機、掃除機などを買い替えていますが、どれも基本性能や静音性の向上をはっきりと感じました。
最近は家電をネットで買うことがほとんどですが、過去には実店舗で素晴らしい店員さんに出会い、毎回のように購入相談をして満足度の高い提案を何度もしていただいた経験があります。市場動向を踏まえて条件や価格の交渉するというのは実店舗ならではの楽しさですよね。JRX-G100の購入を通じて改めて実感することができました。
春から新生活をスタートする予定の方もいらっしゃるかと思います。家電のまとめ買いは実店舗で購入する方がメリットが大きいこともありますので、一度相談されてみてはいかがでしょうか。