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映像作品感想

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映画中心の感想集です
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2023年3月の記事一覧

グリッドマン ユニバース感想・アニメの美味しさ全部乗せの衝撃

すでに各所で絶賛の嵐、「グリッドマン ユニバース」を5回観たので改めて感想を書きたいと思います。 Filmarksの方は初見での感想を早めに綴る事が目的なので、しっかり咀嚼した後での感想と分ける事に意義があると思っています。 アニメ版「七人の侍」といっても過言ではない 皆さんは昭和29年の映画「七人の侍」をご存じでしょうか。「世界のクロサワ」と呼ばれる黒澤明監督の代表作で、スピルバーグ監督やジョージ・ルーカス監督にも影響を与えた、世界的にも最上級の評価を得ている屈指の名作

映画感想「伝説巨神イデオン 接触篇&発動篇」(Filmarksより)

「接触篇」 遥か昔に観たものを思い起こして。 後編たる発動篇のためのTV版の総集編。 要はソロ星とバッフ・クランの戦争の発端と そこに絡む無限エネルギー・イデの存在を 説明している大雑把なダイジェストである。 細かい変更があり、初戦からイデオンに ミサイルが積まれていたりギジェが突然 ソロシップに仲間入りするなど強引の極み。 この接触篇単体では話も理解し辛く、 TV版でインパクトのあったエピソードも 削られている(カミューラ司令など)など、 監督自身も語っているが、映画

映画感想「映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な一日」(Filmarksより)

度重なる公開延期の憂き目を越え、7ヶ月遅れで公開と相成った劇場版。 現行作と前二作が共演する恒例の「春映画」である。 今回は時間を戻す敵と明日へ向かうために戦う3組のプリキュア達。鍵を握るのはラビリン達が出会った精霊ミラクルンの様だが…。 お約束のミラクルライトも今回は鳴りを潜め、違和感や寂しさを感じる作品かと思いきや、「失われる思い出の場所」と閉塞感のある世界から明日へ向かおうというメッセージが込められた名作だった。 タイムリープ物の定番である「繰り返しへの戸惑い」と「出

映画感想「帰ってきたウルトラマン」劇場用三作品(Filmarksより)

・帰ってきたウルトラマン(1971) Blu-rayBOXで鑑賞。 東宝チャンピオンまつりの一編、5、6話編集版。 今観るとただそれだけなのだが、ビデオも普及しておらずそれ以前に大方の家がモノクロテレビだった時代。映画館のスクリーンでカラーのウルトラマンを観られるというだけで大きな価値があったのだろうと思う。 この回は有名な前後編だが、今見返すと強硬策に固執する長官が随分愚かしく見える。 シーモンス、シーゴラスの回にも出てくるが、藤田進さん、黒澤映画での精悍さを見ている

ネタバレあり・映画感想「グリッドマン ユニバース」(Filmarksより)

参りました。 昔からヤマト、ガンダム、エヴァと時代の代名詞になるアニメは決まってSFもの。それはやはり実写では表現が難しいロボット、メカが見られるアニメの強みがあるからだろう。 私は元々メカ描写に惹かれる人間ではなく、SFアニメも戦闘シーンはスパイス程度の認識で見ていたが、この映画で初めて「メカによる戦闘」に感動し、涙が出た。 特撮版グリッドマンの頃から言われる「グリッドマン、ちゃんとして」というツッコミが物語の根幹として使われるとは思わなかった。 主題歌2番の「その設定

シン・仮面ライダー感想・歴史と優しさを映すフィルム

3月17日18時、遂に「シン・仮面ライダー」が封切られましたね。 私はTOHOシネマズ日比谷での舞台挨拶中継で友人2人と鑑賞、三人とも翌日の都合がありあまり語れずに解散となった心残りがありました(汗)。 そして私は18,19日と続けて仕事の後に行きました。 「最低三回は観ないと、その映画を解説できない」 とは、某有名映画解説者の持論ですが、それに則って3回観たので感想をまとめたいと思います。 無論、まだ観に行きますけどもおそらく印象は固まったと思われます。 50年分の、

映画感想「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」(Filmarksより)

仮面ライダー映画で、初めて目頭が熱くなったかもしれない。 独特の設定であるビルドと共演する為に豪快なストーリーだが、エグゼイド終盤の顔見せを上手く活用したなという印象。 歴代ライダーはただ出るだけでなく、キチンと「現在の姿」を見せてくれる。 オーズ、フォーゼは特に見逃せないシーン多し。 本日放送のビルド14話と綺麗にリンクしている脚本は放送中番組の劇場版として光る技巧を感じさせてくれた。 舞台挨拶でビルド勢の裏話を聞く事も出来て、個人的に大満足だったのでこの点数。 仮面ラ

映画感想「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」(Filmarksより)

仮面ライダー50周年、スーパー戦隊45作記念として、双方の合作映画として夏にお目見え。 先日オンエアされた合体スペシャルと同じく、セイバーとゼンカイジャーの面子が入れ替わる格好で、そこに歴代戦士達が絡んでくる。 更にそこにスケッチブックを持った少年が… 例年の夏映画とテイストは似ており、TVでほとんど活かされていない飛羽真の小説家という設定がようやく意味を持った。 感覚的にゴースト夏映画に近く、TVでやるべきテーマを結局差し込めずに終わってしまうのかと口惜しさを感じた。

映画感想「シン・仮面ライダー」(Filmarksより)

庵野秀明手がける、初代仮面ライダーのリブート版。 舞台挨拶最速上映を日比谷にて鑑賞。 庵野監督はこれまでゴジラ、ウルトラマン(監督ではないが)を手がけてきたがいずれも巨大特撮。今回初めて等身大ヒーローを手がけた訳だが、その「等身大」の意味が色濃く映る、ヒーロー映画だった。 本郷猛が限りなく無彩色で、状況に翻弄されるところから始まる。協力者である緑川ルリ子と共に、オーグメントの抹殺に奔走するが、人間に非る彼らはいずれも強敵である。 オリジナルが昭和の特撮番組、今見るとツッコ

映画感想「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」(Filmarksより)

例年通り、今年も初日鑑賞。 2071年、世界は悪魔に支配されてしまっていた。老博士となったジョージ狩崎は、世界を救うべくある男を50年前に送り込む。 その男は仮面ライダーの誕生に関与した1971年から時を巡る数奇な運命の中、生き別れた息子との再会を2021年で果たすが…。 セイバー、リバイスの共演作品。 1971年にショッカーが蘇らせた悪魔に立ち向かう物語。 藤岡弘、氏のご子息が本郷猛を演じる事が話題になっていた本作。出演シーンは過去の回想のみだったが直々の指導もあってか

映画感想「劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン」(Filmarksより)

ウルトラマン50周年記念の映画作品。 グリーザとの戦いを終えた大地とエックスだが、次なる強敵、ザイゴーグに敗れてしまう。 ザイゴーグを目覚めさせたのは身勝手な実業家、カルロス黒崎だが彼の持つ不思議な石が奇跡を起こす…。 初代ウルトラマン、ティガ、更には世界各地に歴代ウルトラマンが駆けつけ総力戦になる。 それぞれのヒーローにまつわる演出が素晴らしく、劇場で子供達が声援を送っている様子に目頭が厚くなってしまった。これこそが王道の客演ヒーロー映画だと言えるだろう。 実態のない不

映画感想「劇場総集編 SSSS.DYNAZENON」(Filmarksより)

つい先日TV版を再履修したばかり。 どう二時間にまとめているかを確かめに。 前作は各話のサブタイトルが挟まるので全体のどの辺かが把握しやすかったが、今作はそれを無くしてシームレスに展開していた。 この作品、主人公的にキービジュアルの中心にいるのはガウマだが、彼はどちらかと言えば主人公・蓬を導く側。そして蓬を成長させるキッカケでありドラマのメインは、夢芽が姉の死を乗り越える事。 暦とちせはチームメイトではあるが、この二人もまた社会の中で停滞している自分から成長していく、「変化

アニメ感想「SSSS.GRIDMAN」&「SSSS.DYNAZENON」(Filmarksより)

「SSSS.GRIDMAN」 円谷プロが手がけるアニメ作品。 一見ベタなヒーロー物に見えて、思春期ドラマとして相当に濃厚。 ナチュラルな台詞回しとキャラデザインが秀逸で、最終回の見せ場はズドンと心に刺さった。 六花ちゃん、大好きです🥰 「SSSS.DYNAZENON」 2年ぶりに再視聴、12話を二日で走りきった。 雰囲気・空気感が前作SSSS.GRIDMANを踏襲しつつも純粋なロボットアニメで、+青春ものな部分がより濃くなっている。前作が同盟の三人による友情ならば

映画感想「劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス」(Filmarksより)

本来の公開日より五ヶ月を経て、遂にお目見えした2020年のウルトラ映画。 TV版後日談であり完結編。タイガの父、タロウの闇堕ちは予告で何度も見た通り。 ウルトラマン映画は70分という短い尺のため、基本的に強敵登場→いかに倒すか、のみのシンプルな内容になるが今回はここにニュージェネレーション勢が揃い踏みするという要素があり、前置きがどうなるか気になっていた。 感想としては、グリムドという敵の特性を使って手早く全員を登場させ力を返すという格好ですぐに共闘に持ち込んでいる、上手い