映画感想「劇場総集編 SSSS.DYNAZENON」(Filmarksより)
つい先日TV版を再履修したばかり。
どう二時間にまとめているかを確かめに。
前作は各話のサブタイトルが挟まるので全体のどの辺かが把握しやすかったが、今作はそれを無くしてシームレスに展開していた。
この作品、主人公的にキービジュアルの中心にいるのはガウマだが、彼はどちらかと言えば主人公・蓬を導く側。そして蓬を成長させるキッカケでありドラマのメインは、夢芽が姉の死を乗り越える事。
暦とちせはチームメイトではあるが、この二人もまた社会の中で停滞している自分から成長していく、「変化」の観点で見れば主人公である。
なので結局、主人公が5人という往年のロボットアニメの図式になっている、近年では稀な作品。伏線の張り方、回収、各々の場面の絡み方が上手い名作だがその情報量ゆえに少し物足りない総集編ではあった。
6話の暦とムジナのシーンが無いのでラストバトルの会話が唐突になってしまっているし、9話のちせとゴルドバーンの出会いは端折ってはいけないのではないだろうか。
よもゆめをメインに据えた編集は正解だと思うが、結果として10話の入りが不可解になってしまっている。もしかすると本編後のあのシーンの為に、似た描写を避けるべく消したのだろうかと推測も出来るが。
元の作品が素晴らしいので充分楽しめたが、未見の方にはやはりTVシリーズを薦めたい。
あくまでも鑑賞済みの人間が復習として観る映画と位置付けよう。
「余計な真似を、しに来たんだよ」