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ヤスミナ・カドラさんの世界を理解するために「移民の記憶: マグレブの遺産」
<文学(191歩目)>
ヤスミナ・カドラさんの世界を理解する道しるべになる作品。戦後フランスの経済成長期を支えたマグレブ(アルジェリア、モロッコ、チュニジア)移民たちが直面した困難な現実を、作者自身の両親の世代、自身が属する次世代の三部構成で可視化しています。
移民の記憶: マグレブの遺産 (叢書〈エル・アトラス〉)
ヤミナ・ベンギギ (著), 石川清子 (翻訳)
水声社
「191歩目」は、ヤミナ・ベンギギさんによるノンフィクションに近い作品。
「カブールの燕たち (ハヤカワepi ブック・プラネット) 」「テロル (ハヤカワepiブック・プラネット)」「昼が夜に負うもの (ハヤカワepi ブック・プラネット)」を読む際に、どうしても理解不足で悶々としてしまうこと。
これが氷解しました。
利他の「愛(love)」を考えてみる「カブールの燕たち」
中東問題をニュートラルな立場で考える契機に「テロル」
「許す」(社会・家族・友人・恋人)とは「昼が夜に負うもの」
どうしても、私たち日本人になじみが薄い「マグレブ諸国」と「フランス」との関係性。
そして、各国での元宗主国であったフランスと現地のいろいろな勢力との関係。ここがやっと理解できて、よりヤスミナ・カドラさん(アルジェリア出身)の執筆時に思う気持ちが少し理解できたと感じました。
出身国での「部族」「宗教」「知識階層」による深刻な対立。
そして、新たな新天地でより先鋭になる闘争。
この背景を知ってから、更に再読したいと思いました。
特に「昼が夜に負うもの (ハヤカワepi ブック・プラネット)」をもう一度最初から読みたくなりました。
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