「白票」とは!?「見ること」
<文学(48歩目)>
「白票」の「白」がどう見えるのか?考えさせられる作品です。
見ること
ジョゼ・サラマーゴ (著), 雨沢 泰 (翻訳)
河出書房新社
「48歩目」はノーベル文学賞受賞者のジョゼ・サラマーゴさんの素晴らしい作品です。
こちらの作品は名作「白の闇 河出書房新社」(ある謎の奇病が突然パンデミックになる。罹患すると視界が真っ白になり目が見えなくなる。罹患すると「失明」になり通常の社会生活は一切できなくなり、先進国の社会生活が一気に崩壊する。その中で「見える」人の視点からの物語)の続編とされていますが、前作を読まなくても読めます。
ポイントは、COVIDによる感染で「パンデミック」がキーワードの様になっていますが、「優位に立ったものが、既存の仕組みを破壊して覇権を求めていく(社会秩序が完全に崩壊する)こと」が核心部です。
対して、この作品は続編(目が見えなくなる病のパンデミックの後の選挙)とは言われますが、共通するところは「『白』票」だけです。
選挙で有権者の8割が「白票」。
信任されなかった政府は非常事態宣言を発令し首都から警察・軍隊・政府を移転、この大混乱が描かれている。
「白票」から何が見えるのか。政治家にとって見えるものと8割の「白票」を投じた市民が見えるもの。これを中心に考えさせられます。
日本でも、低投票率が毎度毎度報道されている今だからこそ、読んで「その先の世界」を考えるのにとても役立ちます。
また、お約束の「愛(love)」も沢山入っています。
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