短篇の競演「これが最後の仕事になる」
<文学(180歩目)>
最初の行は「これが最後の仕事になる」から始まる24の世界
これが最後の仕事になる
講談社 (編集), 小川 哲 (著), 五十嵐 律人 (著), 秋吉 理香子 (著), 呉 勝浩 (著), 宮内 悠介 (著), 河村 拓哉 (著), 桃野 雑派 (著), 須藤 古都離 (著), 方丈 貴恵 (著), 白井 智之 (著), 潮谷 験 (著), 多崎 礼 (著), 真下 みこと (著), 献鹿 狸太朗 (著), 岸田 奈美 (著), 夕木 春央 (著), 柿原 朋哉 (著), 真梨 幸子 (著), 一穂 ミチ (著)
講談社
「180歩目」は、通勤時に読むのに最適な短篇集。好きな作家の作品に魅かれたのですが、また新たな出会いもありました。
こんな作品集はいいですね。
「存在の耐えられない軽さ 小川哲」
小川哲さんの作品はすべて読んでいます。
この作品はSFですが、「読書の虫」が役に立つミッションを提示。とても面白い。それにしても、「28グラム」って、何を載せるか迷うなぁ。。。
「疎開 宮内悠介」
宮内悠介さんの作品もすべて読んでいます。
得意のSFかな?と思っていたら、歴史もの。広島の惨禍の前の下宿屋さん。余韻が残る作品でした。
「アイドル卒業 桃野雑派」
桃野さんとは初めての出会い。これがあるからやめられない。
「夢は自分で叶えるものであって、見せてもらうものじゃないでしょ。」いいですね。
「家族なのに家族だと言えない辛さが、他人に分かるもんか。」軽い文体ですが、突いているところはとても深い。
「神の冤罪 潮谷験」
「人工子宮」の物語で、一瞬SF?と思うが、良質のミステリー。
潮谷さん、ますますいいと思いました。
「流星 献鹿狸太朗」
今の感覚がとても強い作品で、旬はまさに「今」です。
献鹿狸太朗さんの作品は旬を逃さずに読まないといけないと今回も感じました。
「声 岸田奈美」
この岸田奈美さんの作品も、旬はまさに「今」です。
ハラスメントとか、昔からあるけど、すりつぶされる日々の中で救いがある作品。「note」でも楽しんでいますが、岸田奈美さんの作品はもっと読みたい。
「有血革命 夕木春央」
この短篇の中にある世界観に共感しました。
世界でいろいろな紛争が起きている、「今」こそ、この世界観での夕木春央さんの長編が読みたい。
この本で出合えたことがうれしいです。
「闇バイト 柿原朋哉」
極めて、心がぞわぞわする単語「闇バイト」。
柿原朋哉さんの世界には救いがありました。
このシリーズは、短い時間で刺激的な出会いあり。
このシリーズの発展を願います。
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