大量虐殺に至る過程「短くて恐ろしいフィルの時代」
<文学(173歩目)>
紹介してくれた方も言っていた「大量虐殺にかかわる現代のおとぎ話」ですが、部分だけ見ると笑える。しかし、全体を通して読み込むとまるで笑えない話です。
短くて恐ろしいフィルの時代
ジョージ・ソーンダーズ (著), 岸本 佐知子 (翻訳)
河出書房新社
「173歩目」は、アメリカのジョージ・ソーンダーズさんの作品。読むと、現代のいろいろなヤバい政治家が思い浮かぶ鋭い作品でした。
アメリカの現代政治に当てると、まさにトランプさんとバイデンさんだ。(笑)でも、どこの国でもあり得ることで、そこがとても読みやすい。
脳がラックからはずれるたびに熱狂的な演説で民衆を魅了し、独裁者にのしあがっていく。ラックからはずれた人って!!??
まさに〇〇さんじゃん。と思ったりして。
きっかけが、些細なことでも、あおる人が出てくると賛同する人も出てきて。。。
この循環が狂った世界に。
「脳がラックからはずれた人」って、ヤバい。
この言動が、普通じゃないので、この普通じゃないことに賛同する人が出てくる過程がすごい。
ジョージ・オーウェルさんの「動物農場」が共産主義をデフォルメしているが、この作品は現代政治を痛烈に描いています。
あっという間に読める。笑えるシーンが多い。
おすすめです。
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