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半世紀前から普通の人生に挑戦した車椅子おばあちゃんの物語

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語1~58
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#人生

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑤

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑤

採用!普通のOL生活が始まった

それからしばらく日にが過ぎて
「今日、先方の所長さんがちょっと会いに来るそうだから、
部屋で待機していて」
と、担当指導員から言われて
いつ呼ばれるかとドキドキ緊張しながらベッドの上で待っていると

「あ、どうも、こんにちは、はじめまして、」

スラっと背が高く、色白で、大きなぱっちりお目目の30代くらいの
素敵な男性が部屋に入っていらっしゃいました。

「こんに

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑧

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑧

女の子を産みなね、お雛様買ってあげるよ

「あのね、結婚したいと思うんだけど」
母にそう打ち明けたのは、よく行くデパートのレストラン
ひな人形の売り出しが始まっている頃でした。
「おめでとう、いいんじゃない、がんばれ」
うすうす分かっていたようで、母はよろこんで応援してくれました。
食事を済ませお店を出ると、華やかなひな人形の段飾りが所狭しと並んでいます。
「きれいだねぇ」
それを見て母は車椅子の

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑩

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑩

てんやわんやの 普通の結婚式

実は、結婚式当日の記憶はほとんどありません。
憶えていることと言えば
挙式の時に私達新郎新婦の前を歩くはずのフラワーボーイ
牧師さんの息子さんにお願いしてあったのですが
ご機嫌斜めで、急遽他の女の子にお願いしていた情景
牧師様の
「汝、病める時も、健やかなるときも・・・」
「誓います」
の後の
「では、誓いの・・・」が
「誓いの握手を」
と言われたこと
 
五月晴れ

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑪

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑪

ぶりの照り焼き、いなだ?

とりあえず、お買い物
昭和55年(1980年)
ネットスーパーもAmazonもありませんでしたが、
団地のすぐ裏手にはお肉屋さんとお米屋さんがあり、
少し先のバス通りには小さな商店街もありました。
お肉屋さんは車椅子でも行ける距離だったので、
夕方帰宅してからポテトサラダやコロッケ、
生姜焼き用の豚肉や合いびき肉などを買い夕食に間に合わせ、
お米屋さんはすぐ近くですが配

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑫

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑫

そろばんとコンピューター

パチパチパチ、パチパチパチ
パチパチパチ、パチパチパチ
ザッ、
パチパチパチ、パチパチパチ
パチパチ・・・
 
しんとした事務室に
そろばんをはじく音が響きます。
1980年代
まだまだアナログ
手書きと、そろばん(時々電卓)の事務仕事です。
経理も会計システムも表計算ソフトもワードプロセッサーも
ありませんでした
毎日複写伝票を起こします。当時は3事業所あり、
伝票の

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑬

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑬

車椅子担いで「渡っちゃえ~」?

旅に出ました
北陸、金沢、能登半島2泊3日
 
朝の京都駅のホームです。
若いイケメンの駅員さんに車いすを押してもらって
舞い上がってます。Sパイセンとわたし。
これが、間違いの始まりでした
 
東京駅で新幹線に乗る前に旅費をATMで引き出す予定でしたが
何故か
「京都駅でおろせばいいよ、時間あるし」
「あ、そうだね」
 
ところが、京都駅でイケメン駅員君に出会っ

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑭

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑭

ハワイ!

空港に到着
またまたイケメンのスタッフがお出迎え
素敵な笑顔で「アロ~ハ~」と
車いすを押してくれます。
空港には甘い花の香りが漂い
ウェルカムのブーゲンビリアのレイを首にかけてくれます
 
そうです!
ついに!
憧れのハワイ!
今回はツアーではなく、M課長とTちゃんと3人の女子旅です!
 
TちゃんはSパイセンの後継者です
Sパイセンは、めでたく寿退社をされたのでした。
車椅子のM課

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑮

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑮

京都、沖縄、スキー!

Tちゃんと京都旅行へ行き、奮発して観光タクシーをチャーターしました。
観光タクシーの運転手さんは少しご年配の方でしたが、
とても親切にしていただきました。
化野念仏寺では、車椅子では回れないからと、ずっと私をおんぶして
あの石仏群の中を歩いてくださいましたし、
金閣寺では、急な坂道を一生懸命車椅子を押して案内してくださいました。
 帰りにホテルまで送っていただきましたが、

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑯

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑯

さらば、わが青春の職場

さて、
よく働き、よく遊び、よく旅をしました。
旅の思い出は、きれいな景色とか、美味しいグルメとか
も、ありますが
私の旅の一番の思い出は
一緒に旅をしてくれた友人や
旅先で声をかけて頂いた方
助けて頂いた方
そういう方たちとの触れ合いです
それらがたまらなく好きで
たくさんの元気をくれます!
 
普段の暮らしの中でのちょっとしたお出かけも
私には、一人では出来ない事ばか

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑰

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑰

夢のマイホーム!

「フリーター家を買う!」
ではなくて
「車椅子ユーザー家を建てる!」
 
その頃の私たちの住まいは
予定通りに建て替えられた、きれいで、便利で、
とっても使いやすい県営団地の車いす用住宅でした。
お家賃もそれほど高くなく、
建て替えの時には何度も現場へ行かせていただき
浴室やキッチンなど全て
チビな私に合わせて作ってくださいました。
駐車場も玄関のすぐ前に2台分
車椅子での乗り

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑱

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑱

夢のマイホームで同居生活って

さて、いよいよ夢のバリアフリー住宅計画が始動です。
駐車場もキッチンも浴室も県営団地よりも暮らしにくくなっては
意味がありません
当時木造住宅には認可されていなかったらしいのですが、
ホームエレベーターは必須です
さらに、いろいろ夢を見ていた私達は、あれもこれもと
設備に注文をつけたのでした
さあ、大変です
どうなることやら、小さな町の建設会社が対応してくださるので

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑲

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑲

行くぞ!産婦人科!

家に2人の主婦はいらないですよね
と思い始めたころ
リハビリでお世話になった先生から連絡がありました。
「病院で受付のアルバイトを募集しているの、どうかな」
「フルタイムじゃなくて、週に2~3日なんだけどね」
仕事を辞めてしばらく休み、だいぶ気力も復活した頃でした、
「行きます」
「お願いします」
またまた専業主婦は一休みして、嬉々としてアルバイトを始めました。
やっぱり仕事

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑳

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑳

「おめでとう、奇跡だね」

産婦人科って
どんな感じなんだろう
若い女の人が大勢いるんだろうな
みんなおなかが大きくて、幸せそうに
キラキラしてるのかな
 
そこへ車いすの私が一人で行ったら
絶対に注目の的だよね
なんて思われるんだろう
 
妄想や卑屈な考えがあとからあとから湧いてきて止まりません
あ~
やっぱりやめようかな
 
就職は
してみて、ダメなら辞めればいい
結婚も
してみて、ダメなら離

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㉑

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㉑

「産まれたよ、見においで!」

諦めたとたんに
私のおなかに宿った小さな命

その頃、我が家には1歳になったばかりの長男がいました
血はつながっていませんが
名前はたつのりといいます。
たつのりの可愛い姿を思い浮かべて
辛い不妊治療や検査も頑張れました
 
1989年(平成元年)3月26日
「産まれたよ、見においで!」
実家の母から電話がありました。
「わかった、すぐ行く!」
長男たつのりが生まれ

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