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ほうれん草を初めて茹でた

白状しよう。生まれてこの方、ほうれん草を茹でたことがなかった。(30代前半)

歳もさることながら、既婚女性、人様の妻をしている立場でありながら、これは大きな声では言えない。noteに書く時点で、ある意味大きな声なんだけど。引かないで欲しい。批判は受け付けない。

こうは書きつつ、料理に関して女だからとか妻だからとかそういうことは言いたくない。

女だって私のように料理が苦手な人もいる。
女だから妻だから当たり前に料理ができるわけではない。


ほうれん草のことはもちろん知っているし、食べたことはある。嫌いではない。美味しい。

実家にいた頃は、母によるほうれん草のナムルやほうれん草のおひたしなど、美味しいほうれん草料理の数々を食してきた。

食べる専門で、作るのはもっぱら母任せだった。

実家を出て、自炊はどうにかこうにかやってきた。

夫婦二人暮らしの我が家の食卓に、ほうれん草の出番は少ない。

似たものチームで言うと、ほうれん草より小松菜の方が出番が多い。

何となくスーパーでほうれん草の姿を見ても、結局隣の小松菜を選ぶ。小松菜の方が何かと扱いやすい気がする。

あの時切って炒めたあれもこれも、ほうれん草ではなく、小松菜だったはず。


ちなみにこないだはチンゲンサイにチャレンジしたばかりだった。漢字で書くと青梗菜。


夫のほうれん草不足を心配する声がちらほら聞こえてきそうだが、結婚して一度もほうれん草を夫に提供しなかったわけではない。

ほうれん草を食べる時にいつもお世話になるのは、冷凍のカットほうれん草
今も冷凍庫にある。


昨日、職場でほうれん草を大量にいただいた。

"生のほうれん草を買って調理したことないコンプレックス"を特に意識していなかったが、ほうれん草について考えてみたところ、先述の通りだ。


30代にもなって生のほうれん草一つさばいたことがないなんて、ちょっと情けないなと思った。

(もし同じような人がいても、他の人に対しては思わない。あくまで自分に対して。)



自分では今後も見ないふりをして買わなかったであろう、生のほうれん草。

これはきっと、今、挑戦しろ!という神からのメッセージかもしれない。


よし、何とかしよう。

ヤツは、アクが強そう。どうやら下茹でが必要そうというのは知っていた。

母がほうれん草をどのように調理していたか、何となくあの光景は覚えている。

でも具体的にどんな風に?と思い、
"ほうれん草 茹で方" で検索。

いろんなサイトが出てきた。

根元に十字の切り込みを入れ...
ほうれん草ってそんなに手間がかかるの?!と驚いた。

私にはちょっと難しいなと思い、他のサイトを見たが、どうやらやはり十字の切り込みは入れた方が良いらしい。

でもこれは先人の知恵だ。きっと人類がほうれん草と出会い、調理する上でこのやり方が何かと良かったのであろう。

私は次に、"ほうれん草 レンチン"と検索した。

茹でる行為自体、レンジに置き換えられるはずだと。

やはり情報は出てきた。ラップで包んで....

が、やはりそもそも根元の十字切り込みの工程は必要なようだ。
土や汚れを落とさねばならぬし、レンジでチンすれば何でも免除されるわけでもないか。


私は諦めと覚悟をし、ほうれん草を茹でることにした。

普段なら迷わずレンジでチンを選ぶが、今回はあえて鍋で茹でることにした。

生のほうれん草をさばく経験はしておいた方が今後のためになる。と。

この歳になって未経験である後ろめたさなるものも私の背中を押した。
半分実験だった。

例の根元の十字切り込みの件は、無視をして、根元の土が多くついている下の部分を包丁でバッサリ切り落とし、よく洗った。


食品ロスの観点からすると、一般家庭のほうれん草調理における生ゴミの発生量に比べると、やや増えてしまったかもしれない。その点はほうれん草を大事に育ててくださった農家の方にも大変申し訳なく思っている。

ほうれん草初心者、ましてや生のほうれん草デビュー戦、料理が苦手な私には、今日のところはこれが最善策だった。


ほうれん草を洗った後、茹でるにしても、
根元をつけて茹でてから、全体を。という情報や、束をまとめるために輪ゴムで縛っておくのもおすすめ。というような情報を目にしていた。

それらも私には難易度が高かったので、鍋に丸ごと適当に入れて蓋をして茹でた。
塩も少々入れた。

しばらくすると吹きこぼれそうになったので、蓋を外して、菜箸でほうれん草をひたひたにした。

一袋分何束だろう、その全てを一気にいったので、カサは減るだろうと思いきや、思ってたより減らない印象だった。

ここで私はミスを犯していた。

先ほど調べたのにも関わらず、どのくらい茹でるのかは見ておらず、感覚でしばらく茹でてしまった。

茎の方がどうせ火が通らないでしょ?と油断して他の作業をしながら放置し、茹で過ぎてしまった。

流しにザルをおいて、水を流しながら、鍋を持ち、グリーンな茹で汁と共にひたひたのほうれん草流し込む。

情報によると、アク抜きや色持ちのため、冷水につけた方が良いらしいので、そうめんが茹で上がった要領で流水をかけながら、水を張ったボウルに移した。

この時点で、もうトロトロだった。

ザルで受け止めきれない細かなほうれん草たちが流れていく。排水ネットに溜まる。

本当はこの後、水気を絞って、まな板で食べやすいサイズに切るという工程を予定していたが、
切るなんてとんでもない。あの束感のような跡形も無く、筋は多少あるものの、トロトロでまな板は全く必要なかった。

冷水に浸していたほうれん草を、またザルに戻し、そのまましばし放置し、水気を切る。

ああ。さらにトロトロのほうれん草が流れていく。排水ネットに溜まりすぎて、詰まる。

茹で上がった後はしょうがないにしろ、再び水に浸すこの工程、私には必要なかったのでは?
(茹で過ぎが全ての根源)


同時並行して作っていた私のご飯、特製豚ネギ丼が出来たので、そこに味見がてら、トロトロほうれん草を少々のせて食べてみた。

タイトルをつけるならば、こうだ。
"特製豚ネギ丼〜トロトロほうれん草を添えて〜"


うん。それっぽい。(自己満足)


気になるトロトロほうれん草のお味は、水っぽかった。

ザルに置いといたレベルだとまだ全然水っぽい。
もはやもうただの水。ちゃんと手を使って絞らないとおいしくないと、身をもって知った。

塩で茹でたはずが、そりゃそうだ何度も水をかけられて浸されて、塩味はなかった。

水っぽさの向こうに、えぐみのない何だか栄養のありそうなほうれん草の味はした。

豚ネギ丼はなかなか美味しかった。

食べて栄養チャージしたところで、ザルで水切り中のほうれん草を、手でかたく絞った。

トロトロ過ぎて手からさらにこぼれ落ちる。
ああ。もったいないけどもうしょうがない。



私が想像していた、鰹節がちょろんとかけられたほうれん草のおひたし、あのぴしっと揃った姿とはかけ離れたものが出来上がった。

けど、デビュー戦としては、まあ火は通ったし、火傷や怪我をしなかったので、良かったのではないだろうか!よく頑張りました!(スーパーポジティブ)


絞ったあのトロトロほうれん草、どうしようかなと思い、母に、ことの一部始終を話し、相談した。

とりあえず、今夜味噌汁の具として、トッピングとして入れてみることにした。

もう茹でてあるから入れるだけ。
(見栄えはもうね。美味しかったらオッケー!)

もはやもうこれ自体でトロトロのポタージュになりそうな気すらする。

"ほうれん草のポタージュ〜トロトロ仕立て〜"

(まだやってる)

あとは平たくして冷凍する。
特製冷凍ほうれん草のストック。

これは後日野菜が足りない時に助かりそう。




そうそう。あと、これは言わせてほしい。

冷凍カットほうれん草を作って売ってくれた人、ありがとうございます!
やってみてわかりました。想像以上に下処理下茹で、手間がかかります。(私が不器用で面倒くさがりなのもある。今後慣れるにしても手間は手間)
とても便利な商品をありがとうございます!

ちなみに、母のほうれん草の調理の仕方も詳しく聞いた。

根元十字切り込みの件は、母もしておらず、同じく切り落としてるとのこと。だよね〜やっぱり。

母は意外に今はレンチン派とのこと。
先に食べやすいサイズに切ってからチン。

次は母のやり方でやってみよう。


もう再び流しの排水ネットをトロトロほうれん草で詰まらせたくない。緑色の悪夢。

夫よ。すまんが、しばらくトロトロほうれん草のアレンジ料理で許してくれ。

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