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トレーナー向け!退会者を減らすための”お客様との距離感のとり方”【セミナーレポート】


6/15に大分市のパーソナルトレーニングジムNavigateさんをお借りして、スポーツジム向けの”お客様との上手な距離感”のとり方セミナーを開催しました!

それぞれ独立させた形で書きましたので、気になるところだけ読んでいたただければと思います。(20代のトレーナーを中心にお話させていただきました)


これからのスポーツトレーナーに求められること

今フィットネス業界はどんどん市場を大きくしています。

これは、某HPのデータを引用したものです。2016年までのデータですが、売上高は4500億円、施設数は5000軒を超えようとしています。しかし注目してほしいところは、売上高よりも店舗数が増えているということ。

これは、1店舗10万円の売り上げだったのが、3店舗で10万円の売り上げになっている、ということです。つまりフィットネスの料金が安くなっていることを示しています。

フィットネス業界に限らず、価格競争がおこると、今度は「質の転換」へと移動していきます。安くてクオリティが高くなる、ということです。


フィットネス業界におけるクオリティが高いとは何か。
それは、

・トレーナーが専門的な知識を持っている
・指導がうまい
・愛想がいい

といったことです。しかし、これからフィットネス業界が質的充実に向かうことを踏まえると、これらは当たり前のこととなっていきます。


そのため、これからスポーツジムのトレーナーは「高い専門知識を持っている」、「指導がうまい」ことに加えて「+α」が求められることになります。


スポーツジムを退会する人の本当の退会理由

これは、あるフィットネスクラブの過去5年間の退会者の退会理由を集めたデータです。(当時の大学院生の論文です)

ここでは1500人前後のデータを取っているのですが、
退会者の半分以上が「仕事・学校・家庭の事情」を退会理由に挙げています。しかし、おそらくこれらは建前
(実際に事情があって辞めざるを得ない人もいるかと思いますが)


実際にやめる人の本当の心持ちは

・トレーナーが合わない
・運動強度が合わない
・会員同士の人間関係
・ジムの雰囲気

といったトレーナーやジムとの”距離感”が合わない、もっと言えば、

「お客様が求めているトレーナーやジムとの距離感と、トレーナーやジムが保っている距離感にギャップがあるから」ということです。


(左がトレーナー、右が会員。会員はもう少し丁寧に教えてほしいと思っていながらも、トレーナーが別の会員に丁寧に指導している。これでは右の会員さんは、トレーナーに対して「よそよそしい」と感じてしまう)

(ちょっとトレーナー暑苦しいな‥‥)
(他のお客さんのノリが‥‥)
(トレーナーさんあんまり教えてくれないな‥)

という小さなストレスを何度か抱えてしまうことによって
不満は溜まっていきます。

そして、ストレスが一定量溜まった時に退会行動をしてしまう、という構造です。しかしこれらを、ジムやトレーナーさんにはっきりと伝えることが出来ないため、「仕事・家庭・学校の事情」という人から突っ込まれにくい理由に逃げている、ということです。


要は退会者の本当の退会理由は、「ジムでの活動中に主に”距離感”を中心としたストレスを抱えているから」、ということです。

ということは、これらの心のストレスを抱かせない。そしてストレスを抱えた時は、それらを取ってあげる、という技術があればお客様は退会しない、ということです。


お客様にストレスを抱えさせないためには


では、お客様にストレスを抱えさせないためには、トレーナーにどのような立ち居振る舞いが求められるのか。

それは、「お客様が期待しているトレーナーとの”距離感”にトレーナーが寄り添ってあげる」ということです。

お客様がトレーナーに「理論的に教えてほしい」と思っていれば、理論的なトレーニングを教えてあげる。

お客様がトレーナーに「目標達成にむけて応援してほしい」と思っているならば、お客様が前向きになる言葉を中心に声かけしてあげる。

お客様がトレーナーに「友達関係のような間柄」を求めているのならば、「ちょっと馴れ馴れしい」くらいのトーンでお話してあげる。

たったそれだけです。

そこで注意してほしいのは、「お客様がトレーナーに求める距離感は、おお客様の気分によっても変わる」ということです。リラックスしている時に理論的に話されても頭に入りませんし、「まあ痩せられたらいいかな」くらいしか考えていない時に松岡修造くらいのトーンで話かけられたら、鬱陶しいですよね。

つまり入室から退室までの間で、「お客様との距離感を変えられる」ようになるとトレーナーとしての「+α」になります。

(お客様が何を求めているのか、ということタイプ別で分析したものは、次回のセミナーでお話します)

まとめ

ということで、今回のセミナーでは退会者を減らすスポーツジムトレーナーになるための基本的な考え方についてお話しました。

これからのスポーツトレーナーは
・「高い専門知識」や「指導がうまい」は、当たり前の時代に入る
・そのためトレーナーには「+α」が求められる。

退会者の本当の退会理由
・「お客様が求めているトレーナーやジムとの”距離感”と実際にトレーナーやジムが保っている”距離感”」がマッチングしていない。
・このマッチングしていないことによってストレスがたまり、そのストレスが一定量溜まると退会行動を生む。
・しかし、こうした本音を伝えることができないから「仕事・学校・家庭の事情」を理由に退会する。
・お客様にストレスを抱えさせないことが求められる。

お客様にストレスを抱えさせないために
・お客様が求めている距離感にトレーナーが合わせてあげる。
・それは、人に合わせて指導を変えるということではなく、「その人の気分」によっても合わせてあげる必要がある。

以上が、簡単なセミナーレポートです。

要は、お客様に、しかもお客様の気分に合わせて自分の立ち位置を変えられる人こそ、これからのスポーツトレーナーに求められる能力です。


今回は、スポーツトレーナー向けのセミナーでしたが、これらはサービス業全般に当てはめることができます。こうした「場面に応じて自分を変えられる」能力を養うためにコミュニティの存在は欠かせないものになります。

HITONOVAではそのほかにもセミナーを行っております。
次回は、6月22日、大分県大分市内で開催予定です。


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スズタユウキ
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