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反響が大きかったもの

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これまでの記事のなかから、反響が大きかったものを集めました。 スキが多かったもの、コメントをたくさんいただいたもの、ビュー数が多かったものを中心に選んでいます。
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登山リュックにさよなら

登山リュックにさよなら

子どもの成長は早い。私が老いるのも、たぶん同じように早い。だからこそ、子育てを楽しみたいと思った話。

娘たちを連れて、水族館に行った。大阪で水族館といえば「海遊館」。南港の再開発地域にオープンしてから30年あまり。世界最大級の規模を誇る水族館だ。

入館するとまずエスカレーターで8階へ。そこから巨大水槽に囲まれた通路を歩いて下りる仕組みになっている。海のなかをゆったりと散歩しているような気分にな

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パプリカを見る「目」

パプリカを見る「目」

パプリカが旬だ。

前回の桃に続き、またもや食べ物の話ですみません。食いしん坊ゆえどうしても。

料理をするとき、重宝する食材のひとつがパプリカ。色鮮やかで、料理の見ばえをよくしてくれる。華やかな食卓はやはり嬉しい。もちろん、味も好きだ。優しい甘みに、舌だけでなく、心も喜ぶ。食感も楽しい。

何度か書いているのだけれど、私が料理をするようになってから、それほど長い年月は経っていない。本格的に包丁を

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桃と選挙

桃と選挙

桃の美味しい季節だ。

先日、今シーズン初めての桃を買った。2個で1,000円近くしたので、ケチな私にとっては清水買いと言える。軽いランチもできる出費なのだから。旬の果物には、それだけの魅力がある。

桃は、娘たちの大好物でもある。彼女たちは毎食、デザートの果物を楽しみに、嫌いな食べ物も口に運んでいる。食後に待っているのが桃だったら、どれほど喜ぶだろう、と考えると、私の口もともゆるむ。

帰宅後、

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「本物」の正体を追って

「本物」の正体を追って

「本物とニセモノ、って何?」と疑問を抱き、あれやこれや考えたり、母の人生に思いをめぐらせたりした話。

先日、月に一度の美容院で、1年ぶりに縮毛矯正をしてもらった。髪が扱いやすく落ち着いたことに感激している。ドライヤーの風がよく通るようになり、髪を乾かす時間も短くなった。あー、ラクだ。

…という話をしたら、知人が言った。

「えー、そのストレートヘアはニセモノなの?」

私は、う、と言葉に詰まっ

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共感することと、尊重すること──多様性の時代にむけた私のアプローチ

共感することと、尊重すること──多様性の時代にむけた私のアプローチ

私にとって「共感と尊重」はとても大切なものだ。親友の言葉に触れて、それを再認識し、あいまいさを受け入れることの重要性にも気づいた話。

「共感」と「尊重」

しばらくnoteを書いていなかった。仕事が忙しく、家庭の都合もあるなか、友人とのやり取りも頻繁にあったためだ。

そんなある日、親友に言われた。

「ちなみちゃんは、共感してくれへんときとか、否定も肯定もせえへんときがあるけど、私の言うことは

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アラフォー、おかあさんといっしょソングに涙する

アラフォー、おかあさんといっしょソングに涙する

取り戻せないピュアさと小さな幸せの間で切なくなるアラフォーの話。

4月も半分が過ぎた。Eテレの子ども向け番組「おかあさんといっしょ」の歌のお姉さんが交代してから2週間。はじめは寂しそうにしていた娘たちも今では、第22代となる新・歌のお姉さんによる歌唱を楽しんでいる。

娘たちが1歳でテレビ鑑賞を始めて以来「おかあさんといっしょ」にはとてもお世話になっている。(先代の)あつこお姉さん、ありがとうご

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装うことの面白みに目覚めた話

装うことの面白みに目覚めた話

外見を整えることに対して、若い頃ほど身構えなくなった。最近は装いに気を配ることを楽しんでいる。

私は、出産してから何度か「おとなしそうに見える」と言われたことがある。

それまでは「おとなしそう」という印象を持たれたことはあまりなかっただろうと思う。学生時代なんて、派手さのあまり「チーママ」というあだ名がついたくらいだ。会社員になってからは控えめな装いではあったけれど、おとなしいと評価されたこと

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「変形バージョンの愛」が我が家の育児を支えている

「変形バージョンの愛」が我が家の育児を支えている

我が家には双子の娘たちがいる。こう話すと「大変でしょう?よく頑張っているね」と声をかけてくれる人がいる。

双子でも双子でなくても育児は大変なものだと思うけれど、一度にふたりの面倒を見るのにパニックになったことはある。娘たちが乳児だった頃、私は何度か、抱っことおんぶを同時にしながら泣いた。

我が家の育児には、夫との連携が欠かせない。娘たちの世話は私が中心となっておこなっているのだけれど、夫も積極

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納得できる自分でいるために「お金のかけどころ」を変えた話

納得できる自分でいるために「お金のかけどころ」を変えた話

年をとるとともに自分の「お金のかけどころ」が変わってきました。いや、意識的に変えた、というべきでしょうか。

3ヶ月ぶりに歯医者さんに行ってきました。私のかかっている歯科医院は、3ヶ月ごとに定期検診をおこなっています。

キュイーン!という音を聞いて逃げ出しそうになりながらも、なんとか30分の検診を受け終えました(そういえば、子どもの頃、ほんとうに治療室から走って逃げ出したことがあります)。

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優しい迫力

優しい迫力

このお正月も、両親の郷里に帰れぬまま終わってしまった。山と川に囲まれた、のどかで美しい城下町。幼い頃、私は年末になるとそこに帰って父方の祖父母と過ごしていた。だから、冬休みにはよく祖父のことを思い出す。

私の祖父は、明治の生まれだった。元警官という経歴のせいか、堅物で、ガチガチに保守的だった祖父は、子どもに接するのに迷信を多用した。

祖父が口にした数々の迷信のなかでも、「茶碗にごはん粒を残した

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