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嫁にまつわるハナシ

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私と嫁のやりとりの記事となります。 週に一本以上は更新される予定です。 夫婦に興味のある方が主な対象です。
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#会話

ブ厚いローストビーフを作る

同僚から良いものを貰ったぞ。ふふふ。 驚かないで下さいね。 これがあれば、誰でも自宅でリッチな ローストビーフを作れちゃうんですよ! ええっ!?そんな夢のような話があるんですか? あるんです。夢は叶うんですよ。 まあ素敵!抱いて!ムギュー。 「夫くん、なに一人でブツブツ言ってるの?」 振り返れば嫁が居た。 ごほん。 やあやあ嫁ちゃん、ちょうど良い所に。 実はこんな良いものを貰ったんだよ。 「へえ。ローストビーフ!作れちゃうの?」 そうなんだよね。あの誰もが難

セリーヌ・クレソン

「今日の夕食はセリーヌ・クレソンよ」 嫁様が謎のワードをぶつけてきた。 カナダの世界的歌手のような響き。 いったいどんな夕食になるんです? ・・・ 鍋の蓋を開けてみて合点がいった。 白菜・人参・大根・キノコがふんだんに入った セリ鍋ではないか。湯気がすごい。香りもいい。 しかもスープは酒粕風味。ぼくの大好物である。 「さあこっちも召し上がれ」 嫁様が差し出す大皿には大量の植物…クレソン! ハムとスモークチーズとトリュフドレが混ざり こいつはゴキゲンなサラダ!食欲が

ゆるい夫婦の日曜日

今日は休日。 嫁様は出かけた。 今、この家にはぼく一人。 俺がこの家のキングだ! よし珈琲を淹れよう。 マンデリンがいいね。 とぽとぽ。 うん、おいしい。 ロイズのポテトチョコ食べちゃおう。 ああっ!珈琲に合う!うますぎる! noteを書こう。 麻雀をしよう。 YouTubeを見よう。 うーん、休日。素晴らしい休日。 自堕落にだらだら、なんか久しぶり。 おっともうお昼か。 買っておいたレトルトカレーにしよう。 あっ、朝に嫁様が作ってくれた ニラ玉汁が残ってる。いた

食パンバトル

ああ! 無性に! 食パンが食べたい! この思い、どうすればいいんだ! 「話は聞かせてもらった」 嫁ちゃん、いつからそこに!? 「実はわたしも、食パンが欲しいのよ」 夫婦の目的がひとつになるとき この世は楽しいステージへと変わる。 いざ行かん。食パンを求め。 いざ行かん。夕方のスーパーへ。 食パン大好き夫婦の明日はどっちだ。 ・・・ 「じゃあどーんと12枚くらい買おうか」 待て待て、そんなに買ってどうするのだ? さすがに賞味期限内に食べきれないと思うよ。 「夫

プライド

プライドが高い人っているじゃないですか。 自分に自信がみなぎっていて、完璧主義で なんか「弱みを見せたら負けだ!」的な人。 こういう人、私結構好きなんですよね。 なんか、中世のファンタジーとかに出てくる 軍団長みたいな感じでいいと思うんですよね。 融通が利かないけど実直で信念がある感じで。 いやあ、好きだなぁ。凄くプライドが高い人。 逆にプライドが低い人っているじゃないですか。 自分に自信が無くて、自分より他者を優先して 何かあると「〇〇さんがこう言うから」って人。

ハッピーバースデー嫁

「ねえ嫁ちゃん」 「なんだい夫くん」 「来週はきみの誕生日だね、おめでとう」 「ありがとう」 「普段行かないランチでも食べに行かない?」 「いいね!どこに行くの?」 「A店とB店の候補がある。どっちが好み?」 「ふむ…A店とB店か。悩むなぁ」 「ぼくはA店が良いと思うんだよね」 「よし決めた、C店にしよう!」 「なんッでやねん!」 「ふぁっ!?」 「A店かB店ってゆっとろーが! どっからC店が出てきたんじゃああ」 「いやあ、だってほら、C店の方面には

変化する夫婦

この記事は「仲良し夫婦サークル企画38」の 企画参加記事です。 「結婚して、彼はすっかり変わってしまった」 「こんな女だと知っていたら結婚しなかった」 古今東西世界各地で囁かれ続ける 結婚後の“嘆き”。 人というのは結婚すると だれしも人格が豹変する生物なのだろうか? いや、そんなわけねーだろ。 人は豹変なんかしない。 結婚したからといって オセロをひっくり返すみたいに 善人が悪人に変わったりしない。 そいつが悪人に見えるというのなら 元々悪人だったってだけの話だ

不審な男

「待って…、あの男、上から見てるよ」 「上って、あのバルコニーから? うっわ、キモチ悪い。どうしよう…」 ・・・ 「はいこれ、お土産。嬉しいでしょ?」 一月某日、朝。商店街。 彼女がそう言って渡してきたのは〇年ジャンプ。 なんだこれ、なんだってこんなものを? ドバイのお土産にしてはおかしくないか? 「これは関西国際空港で買ったのよ。 いいからありがたく受けりなさいな」 要するにぼくは読み終わった雑誌の処分先か。 そんでもってドバイのお土産はナシ、と。 まあ、そんな

2025年の抱負【後編】

これは昨日書いた【前編】の続きの記事です。 昨日書いた記事も読んで下さると嬉しいです。 ・・・ ぼくは幼少期から、正月が来るたびに「抱負」を パンパカパーンと宣言していたのです。 他の誰でもない、自分自身に。 ですが 他の誰もが知っていない抱負というのは 宣言してから一週間もすれば輝きを失い (そんな宣言したっけ?)のレベルまで 落ちに堕ちて無かったことになるのが常。 ぼくは一時の高揚感が欲しかっただけなのかも。 自分の抱負に自分で酔いたかっただけなのかも。 おそらく

すごい漫画

「これ、よしながふみ先生の新作」 先日、嫁様から漫画を手渡された。 なになに…『環と周(たまきとあまね)』 このマンガがすごい!2025第1位 ほほう、これは面白そうな… 私たちは漫画を貸し借りする夫婦。 面白い漫画は夫婦の共有財産となります。 最近めっきりと紙の本は買わなくなったけど やっぱり貸し借りするなら紙の本なんですよね。 電子書籍にはない「関係性」がそこに現れます。 しかし私、嫁様からのお勧め本といえど なんでも無条件に読むわけじゃありません。 時には「ぼくは

キムチをつくるよ

「キムチをつくるよ」 ? 今、なんて? 「だから、わたし、キムチをつくるよ」 ?? キムチの素とか、使って作るの? 「ううん。一からキムチをつくるの」 ??? ……なぜ? 「わたしがキムチをつくりたいから」 ・・・ 嫁様はたまに突飛なことを言う。 キムチ? どうしてキムチなのだろう? そりゃあ、私はキムチが好きだ。 特に市販品のこくうまキムチは 他の追随を許さないレベルで大好きだ。 また、桃屋のキムチの素で食べる漬物は 病みつきになるほど美味しく感じる。

サザコーヒー

「はい、これお土産」 嫁様は私によく物をくれる。 正直な話、私は人に物をもらうのが苦手だ。 あんまり大きな声では言えないのだけども もらってうれピー!よりも お返しめんどくさ!が勝ってしまうためだ。 お土産とかお歳暮とか、そういったものが 苦手。というかハッキリ言うと嫌いなのだ。 特に職場の知り合い程度の人からもらうと 表面上では「わあ!」とキラキラするけど 心の中では「ぐあ!」と苦虫を噛みしめる。 あの謎の贈り物文化は絶滅してくれていい。 しかし…例外的にマルセイバタ

楽しい健康診断

胃の検査というものを知っているでしょうか。 おや、胃の検査をご存じない? ようがす、ようがす。ご説明しましょう。 まず、バリウムという特殊な液体を紙コップ 一杯分ぐいっと一気飲みしますよね。そして 間髪入れず胃袋を膨らませる粉薬を追い飲み。 すると胃袋がパンパンに膨張してくるのです。 「ゲップがでちゃう!」という衝動を抑えながら 大型アトラクションを思わせる機械にしがみつき ぐりんぐりんと大回転で胃の診察を受ける行為 それが胃の検査なのですよ(諸説あり)。 健康診断を行

もちつ、もたれつ夫婦

「ぼくの髪の毛がバサバサ抜けていくんだよ。 これはいかーん!ってオロオロしちゃてさぁ」 朝、起きがけ、キッチン。 豚汁をくつくつと煮込む嫁ちゃんに向かって ぼくは眠い目をこすり勢いよくまくしたてた。 嫁ちゃんは眉間にシワを寄せてこちらを向く。 右の手のひらをぼくの鼻先にかざして言った。 ちょっと待って夫くん。君、夢の話をしてる? 「そうだよ。ぼくが夢で禿げ散らかしたんだ! どんどん髪が抜けるんだから。怖いんだよぉ」 いきなり夢の話をしてくる君も十分怖いよね。 「