C of C
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何のためにもなりませんが笑
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はじめまして、CofCです。今日は2023年12月31日。大晦日の朝です。 明日から新しい年になりますが、私が所属している、あるアーティストの方のファンコミュニティで、Xの「鍵アカコミュニティ」があり、毎年元旦には「今年の抱負」を投稿してます。 で「2024年は何にしようか?」と考えてたのですが、思い立ち、小説を書いてみようと思い、「思い立ったら吉日」と1分でnoteのアカウントを作りました(笑) 実は、そのコミュニティの中で、あるきっかけで「ラジオ小説」(スタエフ)を作
颯太たちが溺死した日、これまでより大きく、 はっきりした声が、心の中に聞こえた。 そしてそれ以降、心の声が莉子の人格を 支配する時間が増えていった。 そして、いつしか私の心の中で増幅した声を、 私に関わった人の心に、意識して 棲みつかせることができるようになった。 正確には以前から無意識のうちに、 私の心に響く悪魔の声を目の前の人の心に 伝えてたと思うが、自分でコントロールして、 伝えたりはできていなかった。 しかし颯太たちの事故の日から、 それを自分の意思でできる
声をかけてきたのは、今年はじめに、 他の学校から転校して来た子だった。 明るい笑顔で、私の方を見た。 転校してから3か月は経つので、 私の噂は知ってるはずだ。 クラスが違ったこともあり、今まで、 話をすることは全くなかった。 私は「ありがとう。」という一言を言った。 しかし、人と接すると傷つく事は わかっていたので、それ以上、話はしなかった その日、下校時に、後ろから声を掛けられた。 颯太だった。 「山崎さん、こっちの方向なの? 俺と同じだね?家はどのあたり?」
莉子が5歳の時、母のお腹に妹を授かった。 母は美人で、優しく、莉子の自慢だった。 決して莉子が特別でなく、弟や妹ができると、 嬉しい反面、今後母を独り占めできなくなる、 という感情を抱くことはあるだろう。 莉子にとって自慢の母だったので尚更だった。 ただ、莉子がそういった感情を持てば持つ程、 母の表情から生気が失われていくような気が、 なんとなくしていた。と同時に、莉子の心に、 誰かが直接話しかけている錯覚にも陥った。 それは、日が経つほどに酷くなり、 母のお腹が大き
裕奈は2人と、互いの事情を説明しあったが、 拓也、隆、裕奈、3人とも、 妻や、恋人を探しに来ていた。 そして隆だけでなく、拓也も裕奈と同じような 経緯で、その人がここにいるはずだと考えて、 ここに来たという事まで、一緒だった。 3人をここに集めたのは、偶然か、運命かは、 わからないが、目的は一致した。 過去にここを受診した事があるのも同じで、 口コミを見て、ここの怪しさに気づいたのも 同じだ。 口コミには「ここを頻繁に利用していた知人が 精神崩壊を起こしてしまった。
さて、コラムも今回で最終回となり、 次回から、小説の最終章がはじまります。 題名にこめた意味 まず、この小説の題名の由来について 触れたいと思います。 最初に古語もまじる題名にした理由ですが、 これは毎回、トップに挙げている 題字に関係あります。 最初のコラム①にも書きましたが、 この題字は、お知り合いの書道家の方に 書いていただきました。 元々、この方に書いて頂きたいという 思いがあったので、古語の要素も入った 日本語の題名にしようと考えました。 で、
さて、第三章終わりのコラムも3回目ですが、 今日は少し、最終章のお話です。 『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』の ルーツになった曲 今回、この小説を考えるにあたり、 インスパイアーされた曲があります。 シンガーソングライターtuki.さんの 『一輪花』という曲です。 ちなみにですが、次回のコラムで書く、 「月」に纏わる話も、tuki.さんの名前から 思いつきました。 このtuki.さんは、今年16歳になる 女性アーティストです。 2023年の暮れに、YouTu
第三章終わりの、2本目のコラムですが・・・ さ~て、何を書きましょうかねぇ?笑 これを書いているのは10/26なんですが 元々、準備してたコラムはあったんです。 ただ、事情により、11/9時点では、 元々準備していたものが 投稿できない状況になってまして。 そのことに、今朝気づいて、 慌ててPCに向かっております(笑) まぁ、さすがに、一応、出だしくらいは、 小説の内容に関係する話題に、 絡めましょうかねぇ。 ということで、この小説は基本的には ラブストーリー、恋愛もの
さて、第三章も終わりまして、 残すは、最終章のみとなりました。 ところで相変わらず章の最後は、 サラッと終わりますよね(笑) ユナショウのモデルとなった2人 それにしても裕奈ちゃん、 とても可愛かったですよね 本当は、もっとツンデレ感がある キャラクターになる予定でしたが、 そうならなかったのは、 モデルの影響かと思います。 第一章、 第二章は、ぼんやりとした モデルしか居ませんでしたが、 第三章の裕奈ちゃん、翔君については、 わりと、しっかりとモデルが居ます。
病室を出てスマホを見るとLINE通知があった。 翔からだった。最寄り駅で待ってるね、と。 「もうすぐで、翔に会える」 病院から駅に向かうバスで、睡魔に襲われた。 幸い終点だったので運転手が起こしてくれた。 催眠療法の影響のようだ。前回も、そうだが、 受けた日は、暫くフワフワした状態が続く。 電車に乗り換え、どうしようか迷ったのだが、 ほとんど空席なのに、立っているのも 違和感があると思い、車両の一番端の席に 座った。 寝過ごすといけないので、アラームをかけた。 そし
病院に着く頃には、だいぶフワフワした感覚は 晴れてきた。いつものように1階ロビーにある エレベーターで4階にあがろうとしたのだが、 このエレベーターが改修で使えない。 どうやって行けばいいのだろう?と思い、 横を通りかかった看護師に、声をかけた。 すると、たまたまだが、父とこの病院に 最初に来た時の看護師だった。 私は思わず言った。 裕奈「あ、私のこと、覚えてらっしゃいます? 前、日曜日にこちらに来て、エレベーターで、 3階と4階を押し間違えた看護師さんですよね」 看
皆での楽しい時間はあっという間に終わった。 片付けを終え、お風呂から出て部屋に戻ると、 どうしても、東京?山形?という 選択の答えを出そうとして思考の沼に陥る。 答えを出す決定打はない。 詰まるところ母が、より望むのは 「母」としての余生か、 それとも「妻」としての余生か、 という事に落ち着く。 この問いは自分以外の価値観の話だ。 とは言え本人に聞いても、 答えが出るわけではないとも思った。 その2つの立場は、きっと、 本人の中でも切り分けができないからだ。 結局は
子供は親の事を知っているようで知らない。 というより子供が知り得るのは、 父と母という側面だけで、 夫と妻という側面については、 ほとんど知らないと思った。 母親を酒に追い込んだのは自分ではないか? という思いは晴れたが新たな迷いができた。 私は山形に行くべきか? それとも、東京に残るべきか? ということだった。 父と母の真相を知った今、 家族の一員として山形に行って、 母に寄り添うべきではないか?と思う一方、 私が居ない方が父と母にとっては いいのではないか?という
夕食の間は山形の病院の話や家の話などが、 中心だった。食事が終わりお風呂に入った。 いつもならば、入浴後は自分の部屋に入るが、 今日はもう少し父と話がしたいと思ったので、 リビングのソファに座った。 父の一時帰国は来週の火曜日に決まったので、 それまではこの家に居る。 父がお風呂から出てきたので、私は言った。 裕奈「ビールでも飲む?お父さん、 もう少し、話さない?」父は言った。 猛「裕奈がそう言ってくれるなら もう1本だけ飲もうかな。」 父にビールとグラスを渡した
家に帰り、父に頼まれて項目で、 最後に残っていたものを片付けた。 その時、ソファに置いたスマホの 通知に気づいた。 一つは父の猛からで、 山形で病院や祖父母との調整をして、 3か月後、母を山形に転院させることが 決まったということだ。 ただ詳しいスケジュールは会社と相談して、 決まるということだ。 あわせて本当は土曜から一旦、 モロッコに戻る予定だったのだが、 現地の空港がストに入り、 もう暫く日本に居るということだ。 それもあって、土曜日に翔の一家を招いて、 モロ
私が尋ねると、クラスメイト達が笑いながら、 教えてくれた。 授業の中で証明されていない定理の話になり、 その中でフェルマーの最終定理の話に なったのだが、寺山先生が、翔に、 「何っていう定理か知っているか?」 と聞いたところ、翔のアホが ユウナーの最終定理と答えたらしい。 すると、寺山先生が 「あ、そういえば、今日、櫻井休みだな。 確かに会えないと寂しいよな、 あ、一応言っておく、非公式ではあるのだが、 うちの学校の先生たち、みんな お前たちのこと応援してるぞ、 非公式