小説『闇に堕ちにて、空に溶けゆく』9/17(火) 【第49話 起伏】
暫く、翔の優しい温かさに包まれたかったが、
その日、翔は早く帰らなくてはならない事は
知っていた。
翔をいつまでも引き留めてはいけないと思い、
気持ちが落ち着かせ、翔の胸から顔を離した
そして微笑んで、翔に言った。
「ありがとう、翔。私は、もう大丈夫だから。
ほら、早く帰らなきゃダメでしょ、今日は。」
それを聞いた翔は、まだ大丈夫と言ったが、
私は大丈夫だから、と言った。
今日は楽しい事と、嫌な事が交互に訪れる、
起伏ある一日だと思った。今日の残りの時間、
楽しいこ