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11/14(木)コラム⑪ 章題にこめた意味

さて、コラムも今回で最終回となり、
次回から、小説の最終章がはじまります。
 

題名にこめた意味


まず、この小説の題名の由来について
触れたいと思います。
 
最初に古語もまじる題名にした理由ですが、
これは毎回、トップに挙げている
題字に関係あります。
 
最初のコラム①にも書きましたが、
この題字は、お知り合いの書道家の方に
書いていただきました。

元々、この方に書いて頂きたいという
思いがあったので、古語の要素も入った
日本語の題名にしようと考えました。
 
で、日本語にするとして、
どういった題名にしようか?
ということですが、
今回の登場人物は、それぞれの心に
「闇」を抱えています。
人は誰しもそうかもしれませんが。
 
拓也は、医師という仕事への向き合いかた、
晴香は、直接的には病気ですが、
その裏には、やはり病を抱えた上での、
仕事への向き合いかた、に悩みがあった。
 
隆は、人生観に近いもので、
自分のありかたそのものに
悩みを持ってました。

一方、洋子は、、、、ないですね(笑)
いや、本当は、最初考えていたんです。
長男との不仲、みたいなことを。
ただね、隆の闇が深すぎて
お腹いっぱいになったのでやめました(笑)
 
戻りますが、裕奈と拓也は、
ともに家族における
自分のありかたという悩みでした。
 
そして、愛する人を見つけ、
その人とのかかわりあいの中で、
闇を消していくという意味合いがあり、

 「闇」に堕ちている(悩んでいる)自分が、
愛する人との愛を深めることを通じて、

「空」というキャンパスに
2人の未来を溶け込ませていく、
という意味合いです。

意外と、考えてるでしょ?(笑)

意外と考えてるでしょ(笑)〔その1〕
第一章の章題にこめた意味

 
そして、それぞれの章にも章題があり、
その章題が、各章の最終話の
タイトルにもなっています。
この章題もそれなりに意味合いを
考えたんです(笑)
 
まず、第一章ですが、
三日月は妖艶なイメージをあらわしてます。
これ、拓也同様、作者の勝手なイメージですが
月の形で、三日月が一番、
妖艶なイメージないですか?
なんか、ちょっとエロい気分なりません?
(ならんか、笑)
 
これは、拓也と晴香の体の関係を
あらわしていますが、
その体の関係からはじまり
2人の本当の愛を見つけます。
 
で、後半の部分の意味合いですが、
これはちょっと最終章にかかわるので、
ここでは、詳しくお話しません。(すまん)
ただ少し触れると2人が見つけた将来は、
晴香がいる場所のキャンパスに描かれます。

なので、「晴」の一文字が入ってます。
ちなみに、章題の後半部分に、
女性の名前の一文字が入るのは
全章題に共通です。
 
そして「晴夜」って
不思議な言葉ですよね。

雲一つない空なので、明るいのか
と思いきや夜なので、暗い。

むしろ、光が反射する雲がない分、
より暗いかもしれません。
 
これは、晴香という女性の素直さを
雲がない空というイメージで表現しながら、

一方で、以前のコラムにも書きましたが、
晴香の、ある種の巧みさを秘めたイメージを
雲がないからこその暗い夜で表してます。
 
意外と、考えてるでしょ?(笑)
 

意外と考えてるでしょ(笑)〔その2〕
第ニ章の章題にこめた意味


次に、第二章ですが、弦月(半月)は、
満月から欠けていることを表してます。

これまであった「仕事」という世界が欠けた
定年後の自分のありかたを表してます。
 
で、後半部分ですが、
茫洋というのは、水平線まで続く
広大な海をイメージしています。

海は近くを見れば、波があるんですが、
それこそ地平線に向かい、
広く見ていると穏やかで動きがない。

そんなスケールの大きさと落ち着きある
洋子の心をあらわしています。

まあ、洋子はラスボスなんで(笑)
その洋子の手のひらの上に描かれた将来に、
隆と洋子の愛を描くという意味合いです。
 
意外と、考えてるでしょ?
(もう、いいって?笑)

意外と考えてるでしょ(笑)〔その3〕
第三章の章題にこめた意味


第三章の満月ですが、これは、
裕奈と翔の愛が満ちていくことを表す、
と、ともに満月の大きさが、
2人を取り囲む大人たちの
愛の大きさも表してます。
 
そして、後半部分ですが、
これもちょっと最終章にかかわるので
詳しくは言えないですが、
決心がついた裕奈の心のさまが
落ち着いていて、将来を描いている
という意味合いです。

最終章は、
『闇に堕ちにて、茉莉花の香り溶けゆく』
ですが、闇は莉子が抱える闇そのもので、
こちらは、月の明かりさえありません。
わりと絶望的な意味合いです。

ですが、光がない中でも、
優しいジャスミンの香りが漂うような
自然に囲まれた世界に莉子の将来を描く、
といった感じです。
最終章のことは、あまりかけませんが(笑)
 
さて、次回からはじまる最終章ですが、
これは莉子が主人公のお話という前半から、
後半は、これまでの三章の伏線回収という
位置づけでもあります。
 
一番、最初のコラムに書いたように、
第一章から、第三章までの世界線では
迎えることができなかったラストが、
最終章に描かれることになります。

ところで月のお話を書きましたが、
第三章の最後で拓也、隆、裕奈の3人が
顔を合わせました。
ここは既に最終章の"世界線"でした。
そしてこの世界線での月は下弦の半月でした。

皆さん、各章の最終話で洋館に向かった
拓也や、隆、裕奈が最初に見た月は
どんな月だったか?覚えてますか?
これは間違いではなく、異なる世界線を
暗示するためのものでした。
・・・意外と考えてるでしょ?(笑)
 
と、色んなことを書いてますが、
今年も、残り50日を切りましたねぇ、、、

というコラムを2024年2月に
書いています(笑)
 
それでは、次回からの最終章も
ご愛読頂けますと幸いです。

(コラム⑪ 終わり)
次回は小説、第四章『闇に堕ちにて、茉莉花の香り溶け行く』がスタートです。
11/16(土) 投稿予定です。

★過去の投稿は、こちらのリンクから↓
https://note.com/cofc/n/n50223731fda0

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