いのちより大切なもの
自分の好きなものを思い出して、五感を研ぎ澄まそう。
そう思ったらなんだか身体が軽くなって、内側からよろこびの声がしたから、
今日はわたしの好きな人について、語ろうと思います。
その人と出会ったのは中学生のとき。
彼の名前は、星野富弘さん。
読書感想文の課題図書『かぎりなくやさしい花々』を読んだのが彼を知るきっかけでした。
24歳で大怪我をし、首から下が動かなくなった彼は、しばらく絶望の淵を彷徨います。入院期間は9年にも及びます。
しかし、生かされていることを受け入れ、絵筆を口に加え、詩や絵を描き始めたことで、生きる希望を見出します。
当時のわたしには彼の姿がいろんな意味で衝撃でした。そして、部屋の中でひとり、深い癒しに包まれた瞬間の情景を今でも覚えています。
わたしは中一の頃から詩を描き始めました。描こうと思ったのは、間違いなく彼の影響です。
そして今この歳になって絵を描き始めたのも、おそらく彼の影響があるのだろうと思います。
詩を描くことは、生きる希望を見出し、わたしがわたしを受容することでした。
詩を描くことでどれほど苦しみに塗れた心が救われ、生きるチカラになったかわかりません。
言葉の数が増えれば増えるほど、心が路頭に迷ってしまうわたしには、出来るだけ説明や飾りつけをそぎ落とした詩が、なにより信じられる表現だったのです。
行間は嘘をつかない。
行間が囁きかける。
行間に漂う、移り変わる素直な心の機微こそ、わたしにエネルギーを与えてくれました。
今日は手元にある彼の著書『いのちより大切なもの』を久しぶりに読みました。
冬があり 夏があり
昼と夜があり
晴れた日と 雨の日があって
ひとつの花が咲くように
悲しみも 苦しみもあって
私が私になってゆく
やっぱり彼の表現が大好き。
あの日を境に、数十年間わたしの中に確かに在りつづけたこのエネルギー。
13歳のわたしが心揺さぶられたもの。
今日は思い出せてよかった。
あの時、彼の本に出逢えてよかった。
13歳のわたし、ありがとね✨
わたしは傷を持っている
でもその傷のところから
あなたのやさしさが
しみてくる
辛さがあったから、あなたの優しさに触れられた。
そんな偶然のようなささやかな日々の出来事こそ、
忘れがたい思い出になっていく。
辛さが運んできてくれたのは、
紛れもなく誰かのやさしさ。
だから、どんな日々さえもよろこびの種。
あなたのことです。ありがとうございます。
『いのちより大切なもの』
思わず立ち止まってしまうこのタイトルの答えは
きっとあなたの内側に✨
具体的な夢や願いが、昔からさほど多くないわたしですが、たくさんのしあわせな思い出に包まれて死にたいってことだけは、わかる。
死にたいは生きたい。
生きたいは死にたい。
その狭間で、
わたしたちはいつも生かされています✨
大好きな映画『おもひでぽろぽろ』の主題歌。
♪「愛は花、君はその種子」
心音の詩をまとめたマガジンです✨
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