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マブ Love is...
2024年3月31日 00:06
「はへえー!?」「だ、誰だあ!あんたぁ!?」「危ねえよぉー!河童は力が強いんだよぉー!」「だから!手伝え!呑気にするな!」「あっ!」「そうだ、そうだ!」「助けてもらったみてぇだしな!」勇也の手下たちは、やっと黒づくめの男の元に来た。「いいか!河童の腕は弱点でもある! 皆で一斉に引き絞れ!」「引くって、こんな細い紐をどうやんだあ!?」「後ろの木に紐の端が巻い
2024年3月30日 00:00
「今だ!」水を跳ね上げる音がした方に大八車を向ける。皿の付いた棒を一気に引いて皿に石を載せる。それを確認して脇の紐を引くと、水辺に上がってこようとする河童の近くに水飛沫が上がった。「外れたあー!」それでも河童は少し戸惑った風に見えた。気は持ちようである。「どんどん行くぜ!」「おう!」別の大八車に石が大量に載っている。「上がってくんなあー!」腕に自慢の奴は直接、
2024年3月23日 05:27
「勇也が背中で二十本、ううん三十本も押し潰してる んだからね!」「んー悪かったよ。悪かったけどよぉ、しばらく家に は行くなよぉ。」「昼間は平気よ。鉄斎さんが着いてきてくれてる。」「だけどよぉ、河童が出たらよぉ。」勇也はやっと身体が動かせる様になった。あれから四日が経った。やはり毎夜五本、胡瓜は減っていた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「おうおう、
2024年3月15日 00:49
「へえー河童ねぇ、、」重なった後の気怠い身体を起こして、女はキセルに煙草な葉を詰めた。明かりの火に突っ込み紫炎を燻らせる。「あんたの話を聞く限りじゃあ、そいつは斬るなんて もんじゃなさそうね。」「お前さんも、そう言うかい?」「鉄が曲がるんだろう?」「うむ。」「身体がヌメってるなら、刃は滑るからねぇ。」「やはり、そう思うか。」「その河童さあ。あの流れ星に関わりがあ
2024年3月12日 00:15
「胡瓜五本ねぇ。最初は好きに動いてもらわないと、 言う事効いてくれないの、どうなの?」そのまだ若い女は木の枝に器用に寝転び、星を見上げながら呟いた。手の平の上に朱い小さな珠が乗っている。星に透かせば、ドクドクと脈打つ流れが見える。人の身体の中にある臓器を取り出してみれば、こんな風に動いているんだと思う。この珠は誰かの身体の一部が飛び出したものなのかもしれない。女、小絹はそんな
2024年3月11日 00:05
「まあ、身体の作りがしっかりしてるからなあ。 受け身もとった様だし、打撲ってところだ。」皆川良源は事も無げに言った。「とは言ったもんの先生、痛くて上手く動けねぇよ。 何日くらいかかるもんだい?」「二、三日は大人しく寝てろよ、勇也。」「頑丈だからね、勇也は。」ここは町医者、皆川良源の住まいだ。江戸が開ける途中とはいえ、埋め立てやら家屋や城を建てるに怪我は付きもの。それ故に
2024年3月10日 00:46
力士程のガッシリとした体格の河童が、嘴で起用に胡瓜を噛んでいた。キューとでも言うしかない鳴き声が時々する。一口ごとに勇也の様に嬉しそうな表情をする。「美味しいんだね、胡瓜。」「河童の好物は胡瓜だっけか。」「あーそうよね。」二人は予想してなかった光景に唖然とし、隠れているのを忘れた。そこに棒立ちする姿を河童の細い目が見付けた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2024年3月9日 00:05
「分かった!今夜俺が畑を見張って盗っ人を取っ捕まえてやらあ。」「ホントに!?でも明日も仕事でしょ?」「明日は休みだ!心配すんな!」胡瓜五本泥棒の濡れ衣を着せられた勇也は、胸を張ってそう言った。美代は何だか嬉しそうに笑っている。それを見ながら、信幸が紫乃に耳打ちをする。「勇さん、明日も仕事じゃないのか?」「心配なんですよ。」「そうか。まあ自分で世話した家だしなあ。」
2024年3月8日 00:11
「あー、夏はこれだ。冷やした胡瓜、最高だあ。 働いた後の熱った身体には、こいつと冷酒。 なあ信さん、そう思うだろ?」勇也はうどん屋台の前に置いた樽に座り、まったりと呆けて至福の時に浸っていた。昼間は親父から引き継いだ人足たちと、江戸の埋め立てに精を出している。若いが腕と仕切りがいいと評判の男だ。だが夏の暑い最中に力仕事。それに自分より年嵩が上の連中を纏めるともなれば、気も張るだ
2024年3月7日 18:07
ねえ、どうしてこんなに哀しいのねえ、どうして幸せは続かないのお父様、お母様、、何故、私は普通の親子になれなかったの我が子を見せたかった、、いや!見せるものか!なのに、どうして!許すものか!許すものか!天よ!これ以上、妾から何者をも奪わせぬ!世に無限の安寧を。女の失くしていた心が帰った時夜空にいくつかの星が流れた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー