遊安

サクッと読める怪談小説書いてます 楽しんでもらえたら嬉しいです カクヨムでは中編など書いてます https://kakuyomu.jp/users/katoria

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  • 実話怪談集

    実話怪談まとめました

最近の記事

【実話】九尾の狐に会った話

執筆 2024年10月23日 これは私の母方の従姉妹である、 Nさんという女性が体験したお話。 今から10年前、まだNさんが 二十代前半だった頃のこと。 具体的な季節は覚えていないそうですが 暑くも寒くもない比較的過ごしやすい 日だったそうです。 Nさんは仕事が休みで、母親の実家である 祖父母の家に遊びに来ていました。 祖父母の家は、普通とは少し違っていました。どう違うかというと、実は、 愛知県の某神社の境内にあるのです。 祖父母が神職をしているわけではなく、 彼

    • 【実話】N神社での不思議な出来事④光の玉の波

      ※サムネ画像はイメージです (2024年執筆) 今年の7月25日に、私が体験したお話です。 その日は仕事がお休みだったので 大好きなN神社へ遊びに行くことにしました。 車を停めて敷地に入ると、 自転車に乗った三人組の子供達が やってきました。 小学校低学年ぐらいの子が二人と おそらくそのお姉さんらしき子が 手水舎できゃっきゃと言いながら水で遊んでいて、なんとも微笑ましい雰囲気。 彼女達は楽しそうに笑いながら鳥居を くぐっていきました。 私はそのあとを続くように手を

      • 【実話】トイレの先客

        ※職場特定防止のため若干フェイクをいれております。 先日、職場で起きた出来事。 私は今、小売業で働いています。 職場は5階建てのビルで、1階が販売スペース、2階がもうちょっと専門的な商品のフロアとトイレ、3階が事務室兼休憩室あとは倉庫という造りになっているんです。 その日の出勤は、男性スタッフ1名と私を含めた女性スタッフ3名という形でした。 男性スタッフは荷物整理という力仕事のために各フロアを忙しなく回っており、女性スタッフのうち2人は3階で事務作業、1人は1階のレ

        • 【実話】蛙が参る

          私の父方の祖父は、もう何年も前になりますが 3月2日に亡くなりました。 いつも笑顔で明るく、多くの人から愛された 好好爺で、家族を見守る温かな太陽のようでした。 末期癌でぼろぼろになった肺を震わせ 苦しい、とか、楽になりたい、ではなく 「お前達のことは、死んだあと、  ちゃんと、見守るからな。」 と言った姿に、人間を越えた凄みを感じたのを覚えています。 そんな祖父の死後、私達は墓や家で奇妙な光景を目にするようになりました。 初盆の時にお参りしに行った墓の掃除をしている

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        • 実話怪談集
          14本

        記事

          【実話】N神社での不思議な出来事③浮遊する白い玉

          2024年7月頭に体験したお話。 本殿でのお参りを済ませて振り替えると 後ろからふーっと数ミリほどの小ささの白い玉が飛んできました。 N神社は自然豊かな所にあるので 小さな虫が飛んでいることはよくあるのですが どうも動きが羽虫のそれではありません。 では埃か何かかと思いましたが 風の流れとは違う方向へと飛んでいくそれは どこか自分の意思があるような 動きであります。 あまりにも小さなそれがどこに向かおうとしているのか気になった私は、 気を抜くと背景と馴染んでしまう 小

          【実話】N神社での不思議な出来事③浮遊する白い玉

          【実話】N神社での不思議な出来事②落ちてきた蜂

          去年の秋だったかと思います。 その日もN神社にお邪魔して 末社に手を合わせていました。 本殿のような立派な造りではないので、 せりでた屋根のようなものもなく、 お社から少し離れたところで 私は軽く頭を下げていました。 すると、私の右斜め後ろの方で コンっという木の棒で何かを叩いたような 音がしました。 なんの音かと周りを見渡して見ますが、 頭上には何もなく、遥か上に木々の枝が伸びているばかり。 たしかに物が木か何かにぶつかった音がしたはず、と今度は視線を下に下ろして

          【実話】N神社での不思議な出来事②落ちてきた蜂

          【実話】N神社での不思議な出来事①風鈴の音

          私にはお気に入りの神社があります。 その名も、N神社。 何か悩みがあるとき、そうでないときも そちらに行ってはお参りをして 木漏れ日で日向ぼっこも出来てしまうような そんな憩いの場です。 とても空気が清んでいて居心地がいい 地元で愛されている神社のひとつです。 よくそこに遊びに行くからか 不思議な体験を度々しておりまして 今回は、そのお話しを3つさせていただければと思います。 ①風鈴の音 去年の8月頃だったと思います。 N神社では夏になりますと 神楽殿に沢山の風鈴

          【実話】N神社での不思議な出来事①風鈴の音

          アイドル(紙)

          『昨日の朝8時5分におはようって  SNSに載せてたね。  ハートマークついてたのは  僕に対する愛だよね。  ちゃんと伝わってるからね。』 人気商売では恋心を抱いてくるファンがつくものだ。 思いの丈をつづった手紙が届くことぐらい あることだろう。 問題は この手紙がアイドルのAさんの 枕元に置かれていたことである。

          アイドル(紙)

          こわくない

          ゲホッゲホッ う゛っうん…。 失礼。 いやぁ、外は暑かったですね。 この中はしっかり冷房が聞いてるみたいで。 まだ6月なんて信じられませんね。 はは それこそ、これだけ暑ければ怪談界隈もより 盛り上がってくるでしょう。 こういう会に参加されてるわけですから、貴方はもちろん、怪談が好きで? へえ、最近はまったと。 お好きなのは?ああ、あの方ですか。 今でこそ複雑な話が持ち味の彼ですが、最初は都市伝説だったり、ありふれたお話をよく話されていて… ああ、 これは古参アピ

          こわくない

          【実話】子供に好かれる

          まだ高校生の時だったと思います。 それまでの私は何故か異様に 子供に好かれました。 初対面の子供に懐かれることが 多々あったのですが 着ているのはズボンなどのメンズライクな服ばかりでしたし、 目つきもあまり良い方ではないのに何故だろうと思っていました。 同級生からも何故か 「遊安ちゃんは子供に好かれそうだよね。」と 度々言われていたぐらいです。 そんな最中、家族と参拝したお寺で体験した出来事があります。 そこは大きなお寺で 本堂に行く前に受付のようなところがある 場所

          【実話】子供に好かれる

          【実話】魂を抜かれる

          今年の4月 私の身に起きた出来事です。 寝付きが悪い私は、 ベッドに入ってからもうだうだ 漫画を読んだりスマホを触ってしまいます。 豆電球では暗すぎて手元が見えないので ベッド脇に机を寄せてライトを置いていました。 この子はとても便利なライトで 上部にある窪みに電源スイッチがあり 手を触れるだけで点灯することが出来ます。 その日、いつものように仕事から 帰った私は、疲れた体をベッドに預けて しばらく動画を見た後にライトを消して 眠りにつきました。 夢を見ないぐらいぐ

          【実話】魂を抜かれる

          【実話】動かないでください

          今から数年前の秋。 残業して、帰りが夜の11時ぐらいになっていました。 駅から家に向かって一人で歩いていたのですが 夜の空気が妙に心地よくて、 暑くもなく寒くもなくちょうど良い加減で 仕事から解放されたのもあり 足取り軽く景色を楽しんでいました。 朝は暗かった居酒屋に灯りがついていたり 車がない交差点で信号機が律儀に点滅していたり、コンビニから仕事終わりであろうサラリーマンがあくびをしながら出てきたり…。 普段は見られない光景が 新鮮で心が弾みました。 ここのところ

          【実話】動かないでください

          【実話】5階ゆきのエレベーター

          ※実際に働いている場所なので  若干のフェイクをいれることをご了承  ください。 私は5階建ての商業施設で働いています。 今から数年前のこと、立ち退き要請が出た関係でもともとの場所から現在のビルに引っ越したばかりの私達は、 その日も、お客様をいれずに社員総出で売場の整頓や片付けを行っていました。 古い建物を借りているのであちらこちら リノベーションしているのですが どうしてもエレベーターの内装は 後回しになってしまっていました。 お客様も使われるのでさすがに よろしく

          【実話】5階ゆきのエレベーター

          【実話】マネキンの夢

          私の部屋には着付けの練習のために 頂いたマネキンが1つあります。 着付け師の資格を取るまでは こまめに使っていたのですが ここ最近全く使うことなく 部屋の隅でそのままになっていました。 することといえば、 首に溜まる埃をさらっと はたきで落とすぐらい。 すっかり置物と化したマネキンで 特に気にせず過ごしていました。 ある日、私はどこからか視線を感じ、 気になって見るとそこにはマネキンがありました。 ずっとそこにいるのでわざわざ そんな気にしなくてもいいのですが…

          【実話】マネキンの夢

          ■■神社に届いた手紙

          愛知県にある■■神社は 小さくも地元民から愛された 由緒ある神社だ。 そこで神主を務める70代のKさんが 私の家にやって来て、 「この間こんな体験をして…。」と 話してくれたことがある。 ある日、お賽銭の精算をするために 神主であるKさんが賽銭箱を開くと こんな封筒が入っていた。 封筒を見て正直Kさんは嫌な予感がした。 というのも、こういう手紙は大抵 誰にも言えない悩みや恨み言が書かれている からである。 お焚き上げしようか、どう処理しようかと封筒を裏返す。 裏面

          ■■神社に届いた手紙

          【実話】赤い尻尾

          とても短いお話です。 私の部屋にはクローゼットがあります。 部屋自体の広さは5畳ほどなので、 上着に限らず、掃除機や季節外の寝具やマットを突っ込んであり、それはもう見せるのが恥ずかしいぐらいのすし詰め状態です。 今年の2月頃だったかと思います。 肌寒かったので、クローゼットに閉まっていたひざ掛けか何かを出そうとして、 両開きの折れ戸を開きました。 開けた瞬間、ほんの一瞬でした。 頭上から長さ40cm、丁度人の腕ぐらいの 長さの真っ赤な尻尾のようなものが 苛立った猫

          【実話】赤い尻尾