株式会社シーアイピー

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最近の記事

大規模修繕工事の事前準備

大規模修繕工事を進めるにあたり、管理組合主体で進められる事前準備や体制作りについてご紹介していきます。 マンションの現状を管理組合にて把握しておきましょう 建物の現状を把握しておきましょう。 確認する方法として、まず新築時からの竣工図書、修繕工事や点検の記録を確認する事が第一歩です。 特に修繕工事履歴は大規模修繕工事を検討する際に非常に貴重な資料となります。部品の交換時期、部品の故障個所、故障頻度等についてチェック項目を作成し、精査できる仕組み を作っておくことも大切です

    • マンションの自主防災組織 

      災害は何時・どこで起こるかわかりません。 災害時の被害程度は、その対策・準備をしているか否かで大きく変わってきます。 有事に備え、マンション内での訓練があるのです。 マンションの訓練には防火訓練と防災訓練がありますが、防火と防災を別々に行うのは大変なので、防火管理者のもとに行われる防火訓練の中に、防災訓練が組み込まれているのが一般的です。地元の消防署などの協力を得て、消火器の使い方、AEDの使い方、火事や事故の時の通報訓練、消防からの訓話が主な内容で、中には、起震車体験、煙

      • 修繕の提案が出た時の対処法

        新しく役員になられた方から修繕などの見積書について「専門用語が多く見積書の内容がわからない」「何の工事か想像がつかない」「工事の優先順位がわからない」「相見積り書類の見方のポイントや価格差の理由を聞きたい」「何に注意したらよいのか知りたい」等のお問い合わせを多く頂きます。 見積書も、業者によって形式や表記が異なり、同じ様な金額でも内訳が違うことがほとんどで純粋に比較はできません。 工事の範囲、工法、必要性、金額について少しでも疑問があるならば納得のいく説明を見積提出業者に求め

        • 計画修繕と事後保全

          (弊社代表 須藤桂一のコラム マンション管理業界のホンネより) 「予防保全の方が結果的に安く抑えられる」に疑問! 「計画修繕」と「事後保全」という言葉があります。 わかりやすく言うと、電球が切れたら、切れた電球をその都度取り替えることが「事後保全」。一方で電球の色が多少変わってきた段階で、球切れなどがおきていないにもかかわらず、一気にすべての電球を取り替えることを「計画修繕」 と言います。 マンション管理組合における大規模修繕工事の設計者やコンサルタントの中には「事後保

          マンションにおける2つの老い問題・管理組合でできること

          生きていくうえで私たちに欠かせないものの1つである住まい。 その中でマンションにお住まいの方はどれほどいるでしょうか。 終の棲家として過ごしている方、いつか売却を考えている方、それぞれいると思いますが、大切な資産であることには変わりないのではないでしょうか。 ご自身の資産を守っていくために、快適な居住環境を築いていくために 私たちができることは一体なにがあるでしょうか。 一度、マンションにお住まいの方に考えていただきたいテーマの一つです。 2つの老い マンションというコ

          マンションにおける2つの老い問題・管理組合でできること

          金食い虫の機械式駐車場

          「金食い虫」と言われる機械式駐車場。 最近の新築マンションでは機械式駐車場は敬遠され、平置きの自走式駐車場などが設置された大型マンションをよく見かけるようになりました。 「国土交通省・マンション総合調査」(令和5年度)によれば、都市圏では40%ほどのマンションに機械式駐車場があり、令和2年以降に作られたマンションに限れば、全国で55%近くのマンションに機械式駐車場があるそうです。そしてマンション購入のタイミングで、十数年ごとに行われる大規模修繕工事や機械式駐車場の設備更新につ

          金食い虫の機械式駐車場

          パートナー選びの大切さ

          1回目の大規模修繕工事の場合、まず新築から10年目くらいに必ず管理会社から何かしらのアプローチがあります。実際、このくらいの時期のどこかで建物の調査診断を行うケースはよく聞く話です。具体的には管理会社の手配で居住者にアンケートをとり、共用部分の不具合などを含めた意見を聞くほか、専門家による建物診断を行い、目視調査、打検調査、機械調査などで建物や設備の劣化状況を調査します。しかし、この段階で言われるがまま建物診断等を進めることで、後に実施される大規模修繕工事が「人任せの状態」に

          パートナー選びの大切さ

          理想の修繕積立金とは

          ご存じの方も多いと思いますが、新築のマンションでは修繕積立金が非常に安く設定されているケースが多く見受けられます。こういったマンションの長期修繕計画を見ると、数年ごとに修繕積立金の値上げが予定されていて、次第に二次曲線を描いて修繕積立金が上がる計画になっています。新築時の安い修繕積立金の設定では、将来の大規模修繕工事の費用を十分に蓄えることはできませんので、当然値上げが必要になります。そこで、マンション管理組合はどこかの時点で、修繕積立金の値上げを検討しなければなりません。

          理想の修繕積立金とは

          国土交通省に報告されている談合リベート事例

          国土交通省に報告されている談合リベート事例 業界の悪しき習慣 これまで何度か取り上げてきましたが、大規模修繕工事に関わる業界は実は非常にドロドロしており、コンサルタント(設計監理者)や管理会社による談合やリベートがまかり通っている世界です。 国土交通省に報告されている具体的な事例を見ると、実に様々なものがあります。具体的な事例として、もっとも安価な見積金額を提示したコンサルタント(設計監理者)に業務を依頼したところ、実際の調査診断や設計業務を行っていたのは、同コンサルタント

          国土交通省に報告されている談合リベート事例

          修繕の提案がでてきたときの対処法

          理事会の議題で管理会社から修繕の提案が提出されたとき、素人の方も多いマンション管理組合でその修繕が適正かどうかを判断するのは難しく、提案を鵜呑みにしてしまう理事会は多いのではないでしょうか。 マンション管理組合のお金を利用して修繕していくものですから、その修繕が必要かどうか、適正額かどうかをしっかり見極めていく必要があります。 そこで、とある理事会の体験談から、修繕の提案が出たときの対応法を紹介します。 ①まず初めに、「理事会で現地を確認する」ことが大切です。見積業者の現地

          修繕の提案がでてきたときの対処法

          マンションすまい・る債

          「マンションすまい・る債」は、住宅金融支援機構が発行する一口50万円の利付き10年債(複数口購入可)を、管理組合が最大で10年連続して購入できるというものです。1回だけ購入することも可能です。債権をいくら購入するかは、50万円単位で自由に設定でき、共用部分に修繕工事の必要が生じた場合、原則として初回債権の発行から1年以上が経過していればいつでも手数料無料で換金することができます。そればかりか、工事が緊急に必要となった場合、申請すれば1年以内でも換金に応じてくれます。また、残高

          マンションすまい・る債

          マンション管理組合という“迷える子羊”

          マンション管理組合という“迷える子羊” これまで30年近くマンション管理組合問題のコンサルタント業務に携わり、数百件に及ぶ案件にかかわってきましたので、弊社が提案する談合・リベート問題への対応策や防止策は、その経験や実績に裏付けられたものという自負があります。 これらの問題が社会問題化しつつある中でも、これまでと変わらず、常に業界やゼネコン、工事業者、管理会社の流れや動きを監視し続けていますが、ありがたいことに、最近ではこうした「談合・リベート問題」に反旗を翻す工事業者が

          マンション管理組合という“迷える子羊”

          大規模修繕工事の用語とポイント

          設計業務の成果物と下地補修工事の実数精算 大規模修繕工事において、設計段階での成果物は、「図面」「特記仕様書」「設計予算書」などがあります。このなかでも、「特記仕様書」については是非よく目を通していただきたいと思います。特記仕様書とは、施工箇所、工法、材料などを定義するもので、工事を見積りするにあたって条件などが書いてある部分ですので、大切な書類のひとつです。 また、大規模修繕工事では「下地補修工事」という工事項目があります。これは、ひび割れ補修やタイルの浮き補修、爆裂など

          大規模修繕工事の用語とポイント

          地震保険について

          今年に入ってからも大きな震災が起こり、年々地震保険の需要が高まりつつあります。 阪神淡路大震災で注目された地震保険は、保険会社の火災保険に特約として付保される保険ですが、その保険金の支払責任の一部を再保険として政府が引き受けています。非常に公共性の高い保険です。  保険金が給付されるのは、全損(地震保険金全額)・大半損(地震保険金の60パーセント)・少半損(地震保険金の30パーセント)・一部損(地震保険金の5パーセント)の4タイプで、すべてにおいて「主要構造部」、つまり柱ま

          マンション大規模修繕工事の注意点

          この業界には談合リベートが未だに当たり前のように存在しています。 今回は一般的に談合リベートがどのように行われているか、進め方の一例をご紹介したいと思います。 こちらを参考に、皆さんのマンションでは気を付けていただきたいと思います。 ①善良なコンサルタント(設計監理者)の顔をして、リーズナブルな設計監理料(コンサルタント料)と、素晴らしいプレゼンでマンション管理組合から絶大な信頼を受けて、大規模修繕工事の設計監理業務(コンサルティング業務)を受注する。 ②マンション管理組合

          マンション大規模修繕工事の注意点

          「管理費」と「修繕積立金」

          ●マンション管理に欠かせない「管理費」と「修繕積立金」 吟味に吟味を重ね、選び抜いてようやくマンションを購入したとします。 購入後には住宅ローンの支払いが始まり、荷物の片づけや引っ越しの手配、 家具や照明器具、エアコンといった生活用品の購入、転出・転入届、こどもの学校の諸手続きなど、煩雑なことが目白押しです。同時にマンション管理にまつわる事項として、管理費や修繕積立金の支払いが始まります。この2つの使途は、管理費はマンションの日常的な管理業務への支払い財源であり、 修繕積立金

          「管理費」と「修繕積立金」