マンションにおける2つの老い問題・管理組合でできること
生きていくうえで私たちに欠かせないものの1つである住まい。
その中でマンションにお住まいの方はどれほどいるでしょうか。
終の棲家として過ごしている方、いつか売却を考えている方、それぞれいると思いますが、大切な資産であることには変わりないのではないでしょうか。
ご自身の資産を守っていくために、快適な居住環境を築いていくために
私たちができることは一体なにがあるでしょうか。
一度、マンションにお住まいの方に考えていただきたいテーマの一つです。
2つの老い
マンションというコミュニティも時の流れと共に変化していきます。
その変化の中で、特に見逃せないのが「老い」です。
私たちが直面するこの『老い』には、2つの側面があります。
ひとつは、住民の高齢化。
もうひとつは、建物そのものの老朽化です。
これらの老いは、マンション管理の未来に大きな影響を及ぼします。
同時にSDGsの目標達成に貢献するための重要なテーマにもなり得ます。
つまり、住まいのために私たちができることは
結果的に、持続可能な社会の実現にも繋がるのです。
□住民の高齢化
皆様がお住いのマンション、どれくらいの高齢者が住んでいるか把握しているでしょうか。
国土交通省のマンション総合調査によると、世帯主の年齢の割合は60歳以上が50%を超えているそうです。
家族でお住いの方、老夫婦のみでお住いの方、あるいは1人住いの高齢者の方がいるかもしれません。
マンションに高齢者が増えていくと、理事会役員の担い手問題やバリアフリー問題等、管理組合運営に問題が生じる可能性が高くなります。また、1人住いの高齢者が孤立化してしまう可能性もゼロではありません。
そういった問題を解決していくためにも、積極的にバリアフリー化を検討したり、役員業務の効率化や、若い世代の参加を促進する取り組みを行っていきましょう。
『誰一人取り残さない 』未来を実現するためにも、マンションにお住いの全ての方が平等である仕組み作りは非常に大切です。
SDGsの第10目標である「人や国の不平等をなくそう」
マンションにお住まいの全ての方が快適に暮らしていけるように、まずは皆様の身近なコミュニティから始めてみることをおすすめします。
□建物の高齢化
マンションの2つの老いのうちのもう1つ、建物の老朽化。
現在日本には数多くのマンションがあり、築年数が50年を超えているところも多く見受けられます。
建物の老朽化が進み、適正な修繕ができていないと安全性が低下し
居住者のみならず、通りかかった人にすら危害が及ぶ可能性があります。
長く住み続けることができるマンションにしていくために、長期修繕計画の整備、適正な修繕が大切です。
これはSDGsの第11目標「住み続けられるまちづくりを」に繋がります。
また、修繕時に省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を検討することで、
SDGsの第7目標「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」にも貢献できます。
LED化や断熱等、私たちが社会のために貢献できることは多くあります。
□未来のために
社会に向けた貢献というと、大きな言葉に感じられて敬遠しがちですが
直接的に自分自身に関わってくることが、結果的により良い社会の実現にも繋がります。
まずは一度、ご自身の住まいであるマンションを守っていくために
できることを是非皆さんで考えてみてください。