マンション管理組合という“迷える子羊”

マンション管理組合という“迷える子羊”

これまで30年近くマンション管理組合問題のコンサルタント業務に携わり、数百件に及ぶ案件にかかわってきましたので、弊社が提案する談合・リベート問題への対応策や防止策は、その経験や実績に裏付けられたものという自負があります。

これらの問題が社会問題化しつつある中でも、これまでと変わらず、常に業界やゼネコン、工事業者、管理会社の流れや動きを監視し続けていますが、ありがたいことに、最近ではこうした「談合・リベート問題」に反旗を翻す工事業者がごくわずかですが出てきています。

しかし、大規模修繕工事の発注者であり、当事者となるマンション管理組合の理事や修繕委員の方で、これらの問題を認識している方はまだまだ少数派です。マンション管理組合は、大規模修繕工事については“素人”の集まりです。そんなマンション管理組合が、何千万円、何億円という金額にのぼる工事を発注するわけです。

そうした高額の出費が発生する案件について、企業の場合であれば経営コンサルタントや税理士、弁護士といった専門家を採用し、契約内容を精査して発注します。それに対して、マンション管理組合にとって専門家の認知度は非常に低く、中には抵抗感がある方もいらっしゃいます。最もわかりやすいところでは大規模修繕工事の設計監理を請け負ってくれるコンサルタント会社です。しかし、そのコンサルタント会社が、巧妙な手口で談合の音頭を取って、リベートを受け取り、マンション管理組合を騙しているわけですから酷いものです。

そして、マンション管理を委託している管理会社も、その実態を知ったうえで、コンサルタント会社と一緒になってマンション管理組合を手玉に取っている始末です。素人の集団であるマンション管理組合は、正しい工事に導いてくれるはずのコンサルタント会社にも、自分たちのマンションを適正に管理してくれるはずの管理会社にも助けてもらえない、孤立無援の“迷える子羊”になっていることがあります。

そこで、大規模修繕工事の業界にはびこる談合・リベート問題や不適切コンサルタント問題を、ひとりでも多くの区分所有者の皆様に知っていただき、プロの業者に騙されず、適正な価格で、安心して工事を受けることができるようになっていただきたい、そんな思いでいっぱいです。

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