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エッセイ

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「五分で読み解く文学の世界 第ニ回 梶井基次郎著・檸檬」

「五分で読み解く文学の世界 第ニ回 梶井基次郎著・檸檬」

以前、或る漫画作品で、「檸檬爆弾」と書いて「レモネード」と読んでいたのを、非常に巧いと感心したことがあります。
 
元ネタは、言わずもがな、梶井基次郎の短編小説「檸檬」です。

皆さんは、「檸檬」と聞いて、何をイメージされるでしょうか?

鮮やかなイメージ、活発なイメージなど、様々な答えが飛び交うことは想像に難くないですが、いずれにせよ、檸檬という概念が何らかのポジティブなイメージと結びついている

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「不良と映画・第二回 さらば青春の光」

今回は、「さらば青春の光」の話をします。

芸人さんの話と思われる方が多いだろうから先に断っておきますが、芸人さんの話ではありません。

映画の話です。

先日、イギリスのロックバンド、「オアシス」の再結成が発表されたのは記憶に新しいですが、ギャラガー兄弟のリアム氏が影響を受けたと語っていた作品です。

この作品には、50〜60年代の若者文化を席巻した不良たち、モッズとロッカーズが登場します。

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「五分で読み解く文学の世界。夏目漱石著・こころ」

「五分で読み解く文学の世界。夏目漱石著・こころ」

皆さん、突然ですが、学生時代の夏休みのことを思い出して見て下さい。  

きっと、楽しい思い出ばかりではなかったはずです。

学生諸君は、束の間の自由を手に入れるのと引き換えに、大量の宿題をこなさなくてはなりませんでした。

その中でも、最大の難敵だったのが、「読書感想文」だったと思います。

それもそのはずで、一冊の本を読んで感想を書きなさいというのは、無茶振り以外の何者でもありません。

何故

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映画エッセイ「不良と映画」第一回

第一回「イージー・ライダー」

体制が生まれ、社会規範やルールが整備されると、必ずと言っていいほど、それに反抗しようとする人が現れます。

そのような人たちを、体制側の人たちは「不良」と呼んで、自分たちのルールやモラルで縛ろうとしてきました。

しかし、不良たちはそんなものに決して屈しませんでした。彼らはあくまでも自分たちのスタイルやポリシーを貫くことにこだわったのです。

このような不毛な争いは

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