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事件備忘録🔰の方向け(無料編)

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記事一覧

崩れゆく人々〜いくつかの家族の結末〜

崩れゆく人々〜いくつかの家族の結末〜

遠くから、夜、街の灯りを見ていると途端に恐怖に襲われることがある。

目に見える範囲に、数えきれない窓があり、そこに灯りが見えればその数だけ、人がいて家庭があって大切な家族がいて、と考えるとなぜかソワソワしていてもたってもいられらなくなるのだ。

それは多分、その灯りのもとで暮らす人々の全てが幸せではないことを知っているからだ。
あたたかな灯りのもとで、今まさに悲しい選択をしようとしている人がいる

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ある家族の崩壊への軌跡~世田谷・長男殺害事件~

ある家族の崩壊への軌跡~世田谷・長男殺害事件~

母は茫然としていた。
今何が起きたのか。床にはティッシュの箱が転がっている。今しがた、自身の顔面に投げつけられたティッシュの箱だった。

次の瞬間、体に衝撃が走る。ハッとしてみれば、中学生の息子が渾身の力で殴りつけていた。
「やめて!どうしてこんなことをするの?」
身を庇いながら訴えた母に、息子はこう言い放った。

「このくらい友達からやられているんだ、母さんにやらなければ誰にやるんだ!僕より弱い

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ただ、逃れたかっただけなのに~浜松・ピアノ講師殺人事件~

ただ、逃れたかっただけなのに~浜松・ピアノ講師殺人事件~

当初、その事件は「自殺」との見方で処理されかけていた。
浜松市内の瀟洒なマンションで、若い女性が自室のベッドで死亡していたのを、連絡が取れないことを不審に思った同市内にある実家の母親らが発見、通報したのだ。

遺体はあおむけ、着衣に乱れはなかったが、特に抵抗した様子がなかった。遺体の傷も、致命傷とみられる首の傷のほか、体のいたるところに細かい切り傷が無数にあった。まるでそれは、ためらい傷のようだっ

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懺悔滅罪~一関市・曹洞宗遠應寺強盗殺人事件~

懺悔滅罪~一関市・曹洞宗遠應寺強盗殺人事件~

寺の朝

薄曇りの、どことなくスッキリしない6月のその日の朝、山間の禅寺に二人の僧侶がやってきた。
この日、奥州市の寺で営まれる落慶法要(寺院などの修繕が終わった後に営まれる法要)に出るために、この寺の住職を迎えにきていたのだ。

寺の庫裡につながる玄関の灯りがついている。朝なのに、消し忘れたか。
僧侶らは声をかけたが、中から家人の返事はなかった。
「ごめんください」
玄関の戸は鍵がかかっていなか

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「晴のち嵐」~北海道羽幌・女子中学生殺人事件~

「晴のち嵐」~北海道羽幌・女子中学生殺人事件~

取調室にて

「もしかしたら自分は彼女が好きで、友達でいたいから色々悪口を言われてもそれにこだわって彼女に対する憎しみになったのだと思う。彼女以外の友達であれば、喧嘩しても忘れられた」

狭い取調室の中で、少女はそう、調査官に呟いた。

少女は数週間前、同級生の女子生徒をナイフでめった刺しにして殺害していた。
かつての炭鉱の町で起こった、ふたりの少女の事件。

事件

昭和54年4月28日午前。

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いくつかの温情判決とその後

いくつかの温情判決とその後

日本は法治国家である。すべては法律で決められており、それに反する行為があれば罰せられる。
もちろん、軽微な罪は裁判にならずに済むことも多いが、それでも裁判になれば、本当に法に反していたのか、そしてどうしてそんなことになったのかなどが審理され、その罪に見合った刑が言い渡される。

その中で時に、本来の同種の罪と比べると軽い判決が言い渡されることがある。温情判決、というやつだ。

被告人の生い立ちや犯

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母の涙が問うもの~宇和島・6歳双子金網監禁事件~

母の涙が問うもの~宇和島・6歳双子金網監禁事件~

法廷にて

「私、前に自分一人で解決しないといけないと思い込んでしまって、失敗したことがあるんです。だから今度は、ちゃんと相談しようと思っていました。」

松山地方裁判所宇和島支部第一号法廷。
証言台に座る女の無造作に束ねた髪には、その年齢にそぐわない白髪がのぞいていた。
被告人席には、夫の姿。両脇を屈強な刑務官が固める。その傍らに、女性職員の姿。
この事件の被告は、夫婦だった。

女は時折涙をぬ

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ずるいヤツら~新生児殺しを誘発する人々~

ずるいヤツら~新生児殺しを誘発する人々~

まえがき

妊娠は、本来誰からも祝福されるものだ。新しい命が宿り、十月十日を一緒に過ごし、ともに親子へと成長するその過程は、母親となる女性にとっても素晴らしいことである「はず」。

しかしその妊娠が、自分の人生をより困難に、時にはぶち壊す存在にしか思えなかったとしたら。
その存在が、自分や今いる家族のなかでまったくの「不要」なのだとしたら。

虐待とは少し違う、最初から要らなかった、生まれてもらっ

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我が子を失いたくなかった母親が負うべき罪は何か~長崎・新生児遺棄事件~

平成25年4月24日

とうとうこの日がやってきてしまった。
先延ばしにする間に、なんとか方法を考えるはずだった。しかし、あっという間に十月十日(とつきとおか)は過ぎ去っていった。
鈍痛は次第に強烈な痛みへと変わったが、もう後戻りはできない。

疲労困憊ではあったが、女にはまだやるべきことが残されていた。
足元には血まみれのバスタオル。それをそっと、手に取った。

草むらの赤ちゃん

「なんか、赤

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その涙に虹がかかるまで~名護市女子中学生暴行殺害事件~

その涙に虹がかかるまで~名護市女子中学生暴行殺害事件~

【お願い】

この事件の犯人が在日韓国人だという話が存在しているのは知っていますが、私は断定していません。シェアしてくださる際には、個人の思想、政治的思想を絡めていないかを確認してください。

個人的には、歴史問題、現在の日韓関係全てにおいて日本政府の立場を支持しますが、このサイトはそういったところとは全く別のところに存在しています。個人のしがないサイトですので、よろしくお願いします。

1997

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綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件

綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件

この事件は、昭和から平成へ変わる数か月の間に起こった事件で、当時中学1年生だった私は報道などで概要を知り、あまりのことに強烈に印象に残っている。
また、当時はヤンキー雑誌として有名だった「ポップティーン」に、被害者の顔写真入り記事が掲載されており、愛読していた私はその被害者の女子高生のアイドル並みの可愛らしさにも驚いた。

事件の概要は、あまりに有名であるので改めて文字にする必要はないだろう。本来

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はじめに。

思えば子供のころから事件モノが好きだった。

刑事ドラマや怖い映画も好きだったし、新聞の事件欄に目を通すのは日課だった。
私は1970年代の生まれだが、昭和末期のその頃というのは、校内暴力の嵐が吹き荒れ、子どもが親を金属バットで殴り殺すとか、受験を苦に自殺するとか、とにかく未成年が荒れに荒れていたと記憶している。
幸い、私自身はせいぜい先輩に呼び出される程度のことで、大きなトラブルに巻き込まれると

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被害者、加害者の実名について

記事では、被害者に著しい被害が及ぶ可能性がある場合は姓名のいずれかを匿名とするが、遺族や関係者についてはメディアや講演会などで名前を出している場合、書籍などで名前が出ている場合、すでに他サイトなどや過去の報道で容易にその氏名がわかる場合はその限りではない。
たとえば光市母子殺害事件の被害者遺族、本村氏などは匿名にする方が不自然なほどその名前には強さがある。
そのあたりの判断は、私自身が慎重に考えて

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