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【現代詩】『ぽぽまる*日和』おまけつき

『ぽぽまる*日和』赤黄緑紫


喚(わめ)くお前のおむつを変える
いつまでも際限なくあやし続ける
ずっと泣きたかった、儘=mamma=母の気持ちを代弁しながら、ここぞ、と喚く
誰かの死んだ、喪中の様に泣き崩れたお前だよ、天よりもっと聡明な、お前さんだよ

寝返りをして二本で立った日、靴を履いた日、ランドセルを背負った日。手を貸してやりたい瞬間=幾らあっても選ぶことの出来ない喚くお前の喚くこれから。その 粒*粒 をシルバニアファミリーよりも緻密に並べて壊れて仕舞わぬようにと
塀の外を見回っている
たった其れっぽっちの、おままごと*だよ

何時しか気づかずバク転したり宙返りをする、背負いきれない欠点をお前自身が励ましてくれる “人生はメリーゴーランドなのだ”と、いとも簡単に、目の前のフライパン、翻すー。

そして何時しか生え代わるだろう
空焚きを続け 見えてくる景色
手元には 何ひとつ 残らない。
それで良い、のだ、寧ろ*良い
幸せな日を夢にみながら
今日もまた
喚くお前のおむつを変える


タイトルは
作者が第一子妊娠中に
お腹の中の子の名前が思いつかず悩んでいた際
気晴らしがてらに胎児を
たんぽぽ丸の“ぽぽちゃん”というあだ名で
呼んでいたことにちなんで*

〜おまけ〜
たんぽぽは漢字で“蒲公英”と書くらしい!
命名にお困りのみなさん*参考になれば幸です


あかきみどりむらさき
2020


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