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夢二監修の初版と復刻木版画を比べて...@「竹下夢二 版画展」

こんにちは、画廊カンヴァス城山です。


「竹久夢二 版画展」明日2月28日まで!!


大好評「竹久夢二 版画展」!

1月12日から始まった「竹下夢二 版画展」ですが、遂に明日で会期終了を迎えます。(あっという間!)

会期中はInstagramとnoteを通じて竹久夢二の世界をお届けしてまいりましたが、最もアクセス数が多かった記事はこちら。

実際の会場でも、大正時代から受け継がれた貴重な初版作品に感嘆の声を多く寄せられました。

今回はnoteでもご好評いただいた竹久夢二の初版作品を復刻木版画と併せながらご紹介したいと思います。

細部には神が宿る

細部に神が宿るという言葉がありますが、「細部へのこだわり」はやはり夢二のキーワードといえるでしょう。

夢二式美人の女性たちをよくみると、やはりほっそりとした手、しなやかな首、S字の身体、穏やかな眼……彼女たちを構成するパーツ一つ一つが美しいことに気がつきます。

初版《蚊帳の女》大正13年
初版《うちわ》大正8年

着物や小物の模様やスタイリングも多種多様で、どれを比べてみても似通ったものはほとんどありません。
竹久夢二の作品に埋め尽くされた本展はまるで木版画のファッションショーのようです。

大正時代から昭和までの女性のファッション様式の移り変わりもみてとれるのも興味深いですね。

初版と復刻木版画を比べてみると…


そんな”大正時代の寵児”竹久夢二のこだわりまでも余すところなく忠実に再現し、その世界観を現代まで継承しているのが復刻木版画。
本展の見所の一つは、なんといっても竹久夢二本人が監修した大正時代から遺る初版と竹久夢二の美を現代にまで伝える松永版・港屋版の復刻木版画を見比べることができることでしょう!

ここで実際に初版と松永版を比較してみましょう!

(左)松永版《晩夏のひと》、(右)初版《避暑地の幸》大正15年


初版からは、色の重ねた痕、擦れ具合、滲みがみてとれ、大正時代当時の手仕事の痕を感じさせます。
初版は一枚一枚が当時の歴史を物語る大切なタイムカプセルなのです。

染めたような深い紫の絶妙な色合いはぜひ現物をみていただきたい!

一方で、松永安生氏による復刻木版画では痕の残らないシームレスな着色となっています。
松永自身の存在は影を潜め、あくまでも彫摺師として忠実に竹久夢二の世界を再現し、作品と功績を世に伝えるのだという徹底した職人魂を感じさせます。

シームレスなグラデーション、色鮮やかな着色は目をひきます。

この通り、復刻木版画はただ忠実に夢二の作品を再現しているだけではないのです。
そこには後世に夢二の美の世界を伝えたいと思う情熱と意思、そして、匠の技術が込められています。これぞ芸術の極地といえるでしょう。

とくに松永安生氏による夢二式美人画は不思議と生命力や温度感が感じられます。(詳しくは過去の記事をご覧ください!)



「竹久夢二 版画展」いよいよ明日まで!
皆さまのご来廊心よりお待ちしております。

特別展ご案内

画廊カンヴァス城山 開廊23年記念「竹久夢二 版画展」
西武東戸塚S.C.西武館2階=特設会場
1月12日(日)~2月28日(金)
10:00~20:00

※今後のご成約の状況につき展示内容が変更になる場合がございます。また本記事でご紹介した作品、グッズも予告なくお取り扱いを終了する場合がございます。

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