マリリンと僕5 ~マリリンの憂鬱~
「本当ですか!?」
「ウソだよ」
「え…、ウソなんですか…」
「いや、ほんとほんと。本当だよ。」
劇団の主宰である小山さんに呼び出され、僕らは中野の片隅にある、古びれた喫茶店にいる。築40年越えの木造建築、店内はランプの灯りのみで薄暗く、天井は低いし床は歪んでいて、メニューもブレンドコーヒーのみ。かろうじてホットかアイスは選べるけれど、作っている主人の顔は見えないし、声も出さない。コーヒー以外の持ち込みは全て自由で、店内には小さな音量でクラシックが流れている。小山さんの若い