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助手席の神様
「降りてくれません?」
「無理を言うな」
「いや、こっちこそ無理なんですけど」
「なんでだ?」
「なんでじゃないですよ。逆になんで助手席に勝手に乗ってるんですか?乗ってるって言うか、気づいたらいたし」
「そりゃまぁ、神だからな」
「神だからな、じゃないんですよ。とんだ疫病神だよ」
「疫病神じゃない、死神だ」
「どっちでも良いですよ」
「どっちでも良くはないだろう。疫病神は命までは奪わん」
「じゃあ疫病神の方が良いわ!降りてくれ!」
「なんでだ?」
「しつこいなお前!降りろってば」
「誰に向かってお前とか言ってる!まったく最近の若者は...」
「大体何で僕なんですか?まだ25歳だし、結婚もしてないんですよ」
「そんなことは知らない。私は上司に言われたから来ただけだ」
「お役所仕事かよ」
「そんなところだ。名簿に載ってるんだから仕方がない」
「...降りて下さいよぉ」
「無理を言うな」
「お前が死ね!」
「俺は死ねん!」
僕らのドライブは、死ぬまで続いた。