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アルパカはいつも君のそばに。

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    僕の書いた小説の類いをまとめました。

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    真野さんと吉田くんシリーズをまとめました

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    小説『マリリンと僕』をまとめました。

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3分間のintroduction 【短編小説】

港区浜松町に競うように建ち並ぶ高層ビル。その内の1つのオフィスに勤務する新入社員畑中健太には、密かな朝の楽しみがあった。 高層階へ行くエレベーターを待つ間と、エレベーターが42階に着くまでのたったの3分間だけ、同期入社の宮川優華と話が出来る。 同じフロアで仕事をしてはいるが、優華は経理部で、健太は人財管理部。目に入るのに話すことは出来ない、近いようで遠い、そんな微妙な距離感だ。 優華は飛び抜けて美人と言うまでのルックスでは無いが、天真爛漫でよく笑い、誰に対しても分け隔て

    • マスクって、防寒具として優秀ですよね。

      • プロローグ #毎週ショートショートnote『無人島生活福袋』

        皮膚を焼き焦がすような陽射しと、さざめく波の音で目が覚めた。 その日僕は、友人と釣りをしに来ていた。 「ちょっと波が高いけど大丈夫だろう」 素人の僕らの、軽率なノリ。 天候も荒れ気味。 気づいた時には手遅れだった。 乗っていた船が激しく揺れ、転覆した。 そこからの記憶は、無い。 僕は運良く見知らぬ島に打ち上げられたようだ。体の方も問題無く動く。 周囲を見渡しても、森があり、鳥が飛んでいる以外に人間も動物も見当たらない。とりあえず、歩き回ってみることにした。 一周を

        • 霧中の先 #シロクマ文芸部「霧の朝」

          霧の朝、目を細め、 一歩一歩足下を確かめながら、 歩を進める。 進む程に霧は濃くなり、 やがて足下も見えなくなった。 私は今、自分が何処にいるのかわからない。 手を伸ばし、何か触れる場所は無いかと 探ってみるが、どうやらそれも叶わない。 その手は、ただただ空を切るばかりだ。 しかし、歩みを止めるわけにはいかない。 一歩ずつ、前に進むことしかできない。 そこに選択肢は存在しないのだ。 歩く、ただひたすらに。 どれほど歩いただろうか。 真っ直ぐに歩けているのかいないの

        • 固定された記事

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        • マスクって、防寒具として優秀ですよね。

        • プロローグ #毎週ショートショートnote『無人島生活福袋』

        • 霧中の先 #シロクマ文芸部「霧の朝」

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          ワンワン… もう日本シリーズは終わったよ。 優勝して良かったね♪

          ワンワン… もう日本シリーズは終わったよ。 優勝して良かったね♪

          どポップソングも好きなのです。

          ロック好きな私ですが、ポップスももちろん好きなのです。子どもの頃はやはり、わかりやすくノリの良い楽しい曲が好きだったわけですが、大人になっても結局そういう“どポップ”な曲は好き。 今のシーンにはロックも足りないですが、どポップも足りてないなぁと感じています。 そんなわけで、今回は明るく楽しいポジティブソングだけを幾つか選曲してみました♪ Are You Ready? 1.学園天国 / 小泉今日子小学生の時に好きだった曲。TVドラマ「愛し合ってるかい!」の主題歌で、ドラ

          どポップソングも好きなのです。

          靴職人と小さなタモリたち 〜聖夜の奇跡〜 第8054回タモリスト文学大賞#小説部門応募

          それは何年か前のクリスマスイブのことでした。 街はクリスマスムード一色。色鮮やかな装飾やイルミネーションが施され、家族やカップルたちは笑顔で買い物を楽しんでいました。 テレビを点ければサンタクロースの格好をしたタレントさんがCMに出ておりますし、新旧のクリスマスソングが流れてくる。例年通りの祝祭ムードに世の中は満ち溢れていたのです。 しかし私はと言えば、そういう訳にはいきません。 私はオーダーメイドの靴職人ですので、クリスマスのプレゼントにしたいと、12月の納品を希望

          靴職人と小さなタモリたち 〜聖夜の奇跡〜 第8054回タモリスト文学大賞#小説部門応募

          「怒る方も好きで怒ってるんじゃない」 時々聞く台詞です。 そりゃ、怒るの大好きー💕٩( 'ω' )وウェーイ♪ なんて人はあまりいないと思うのですが…、 しょっちゅう怒ってる人がこれ言っても、嘘やん、絶対感情で怒ってますやん、少なくとも相手の為じゃないですやん…と思うのです。

          「怒る方も好きで怒ってるんじゃない」 時々聞く台詞です。 そりゃ、怒るの大好きー💕٩( 'ω' )وウェーイ♪ なんて人はあまりいないと思うのですが…、 しょっちゅう怒ってる人がこれ言っても、嘘やん、絶対感情で怒ってますやん、少なくとも相手の為じゃないですやん…と思うのです。

          精神論は大事だと思う、という話。

          精神論って、いつぐらいからか「パワハラ」とか「体罰」とかとセットにされて、どこかネガティヴな印象を以って語られるようになってしまった。 もちろんそれは、行き過ぎた精神論がパワハラや体罰に繋がっていたのと、少なからず精神論とそれらを混同する指導者がいたからで、且つ、事実としてそういう指導者の下でも結果が出るという現実があったから。 当時は今のようにスポーツサイエンスが発達しておらず、練習というのは兎に角厳しくキツいもので、限界まで負荷を加える、数をこなすことで成長するもの、

          精神論は大事だと思う、という話。

          夢の中の殿 #毎週ショートショートnote『この中にお殿様はいらっしゃいますか』

          よく学生時代の夢を見る。 教室がいつのものなのかはわからないし、クラスメイトも中学高校がごちゃ混ぜになっている。 シチュエーションは授業中。 僕の前の席には殿様が座っている。僕も含め、誰も気にはしていない。 殿様っぽいのではなく、誰が見ても、間違いなく殿様である。言ったらバカ殿なのだ。バカ殿が教室にいるのだ。 しかし、それをクラスの誰も何も気にとめず、教師は授業を進めている。 そんな中、ガラリと教室のドアが開くと家臣が立っていて、教室全体に「この中にお殿様はいらっし

          夢の中の殿 #毎週ショートショートnote『この中にお殿様はいらっしゃいますか』

          四丁目の神様 第二話〜君のためにホームランを打つよ、的なアレ〜【約6,200字】

          「だるぅっ。だっるるるるぅぅぅっ」 東京は豊島区西巣鴨四丁目にある安アパートの一室で、六畳一間の畳に横たわりながら、今日もまた面倒くさそうに、一人の中年男が叫んでいる。 「ったく、なんでまた前日に言うわけ」 田中が不服そうに、お目付け猫のイナリに申し立てる。 「そんニャことワタシに言われても知りませんよ」 部屋の隅っこで、純白のぽっちゃりボディを小さく丸めているイナリが言う。 長の指令はいつも唐突に、イナリを通して知らされる。イナリはイナリで伝言を伝えているだけなので、不

          四丁目の神様 第二話〜君のためにホームランを打つよ、的なアレ〜【約6,200字】

          【仕事中の一句】 5ページを超える資料は睡眠薬

          【仕事中の一句】 5ページを超える資料は睡眠薬

          よく嫁に「後回しにするから忘れるんでしょ」と子供と同じレベルで叱られるのですが、まぁ全くその通りでございまして、その上老朽化の進んだ私の脳味噌は、当たり前に多くのことを忘れ散らかすのでございます。 noteのコメントも読んだのにコメント返し後回しにして忘れることがありまして…

          よく嫁に「後回しにするから忘れるんでしょ」と子供と同じレベルで叱られるのですが、まぁ全くその通りでございまして、その上老朽化の進んだ私の脳味噌は、当たり前に多くのことを忘れ散らかすのでございます。 noteのコメントも読んだのにコメント返し後回しにして忘れることがありまして…

          「エモい」ってもう普通に遣われるようになってきてるなぁ。でも私、相変わらずいまいちつかめないでいます。エモーショナルって結構意味合いとしては広いし。皆さんわかって遣っているのですかね?あ、遣ってません?

          「エモい」ってもう普通に遣われるようになってきてるなぁ。でも私、相変わらずいまいちつかめないでいます。エモーショナルって結構意味合いとしては広いし。皆さんわかって遣っているのですかね?あ、遣ってません?

          ロックは死んだ?…ただの音楽好きのひとりごと。

          ロックが本格的に死んでしまいそうだなぁと、最近特に感じている。 世界的にもロック不遇の時代だ。本場イギリスやアメリカからも、新たなビッグネームが登場しなくなった。ロックやパンクのメンタリティはとうの昔に失われているけれど、ジャンルとしてのロックも、もはや瀕死の状態だなぁと感じているのである。 「ロックは死んだ」 この言葉を初めに発したのは、 元Sexpistolsのボーカル、ジョニー・ロットン(現ジョン・ライドン)だ。自身のピストルズ脱退時に「ロックは死んだ」と発言したの

          ロックは死んだ?…ただの音楽好きのひとりごと。

          理想論 【ショートショート:約1400字】

          てる子さんの記事から生まれた作品です。 「俺、デスノート好きなんだよね」 恋人の翠朗が言った。 「なんで」 アタシは問い返す。 「だってすごくない、あの発想。書いたら嫌いな奴ら殺せるノートって。マジあったら名前書きまくると思うわ」 翠朗が嬉々として言う。 「アタシはあんまり」 そう言うと、翠朗は不思議そうな顔でアタシを見つめた。 「だって、そんなノートを本当に手にしたら、きっと気が狂っちゃう。夜神月がそうだったみたいに」 「ふふっ、そんなガチで考えなくても」 小バカにするよ

          理想論 【ショートショート:約1400字】