「本物の教養は頭に染み込む」(この本の帯より)
1.「本物の教養は頭に染み込む」(この本の帯より)
「本物の教養は頭に染み込む」(この本の帯より)。
今回も会話調でお届けする。
2.大澤真幸さんってどんな人?
今回ご紹介するのは、大澤真幸(まさち)「社会学史」だよ。
大澤真幸さんってどんな人?
いやー、それが、結構激動の?学者人生を歩んできた人なんだ。
ほほー。
まず、東大教授の助手になる。まあ、助手になったってことは、出世コースに乗るってことなんだけどさ。
じゃあ、そのまま、東大教授になったわけ?
それが違うんだ。まず、助手をやめてから、なぜか千葉大の講師になってしまう。
それが、なんの問題があるの?
いや、助手になるほどだから、千葉大に行ったということは、いきなり助教授になってもいいくらいなんだよ。助手をしてたってことは、東大に残ったら、せめて講師ぐらいにはなれる。だから、ボク的には、千葉大の講師っていうと、だいぶ左遷なイメージがあるんだ。ボクも東大にいたからね。そこら辺の事情知ってるから、大澤真幸さん、なんか問題起こしたのかな?と勝手に思っている。
ふーん?
ボクが推測するに、教授と喧嘩したか、嫉妬をかったか、のどちらかだと見ている。
それが本当なら、だいぶ、やんちゃな人か、優秀すぎる人か、のどちらかだね。
で、その後、千葉大の助教授になる。
ふーん、それなら、そのまま、千葉大の教授になって、一生を終わりそうだね。
そう思うでしょ?
え?違うの?
なんと、京大がひろってくれるんだよー!!
え?京大??東大閥と京大閥って仲がめちゃくちゃ悪いんじゃ・・・??
そうなんだ。だから、大澤真幸さんは、東大閥から京大閥へ渡り歩いた、激動の学者人生を送っているわけ。
それは、激しいね!。
最後には、京大教授になって、終わるんだけどね。もうやめちゃってるはずだけどさ。
まあ、かなり壮絶な経歴の持ち主なことは、理解したよー。
3.「社会学史」について
じゃあ、「社会学史」の話に移ろうか。実は、ボクは社会学とは無縁の時代を生きてきた。社会学史にでてくる人たちの幾つかは、知ってる人だったけど。社会学という切り口でみたことはなかった。
ふーん、それがなんで、社会学史に興味もったわけ?
実は、audiobook.jpというオーディオブックサービスの読み放題プランにはいっててさ。
Audibleだけじゃなかったのね。
で、確か、新着の読み放題作品のところだと思ったけど、社会学史の表紙を見てしまう。そこには、今と違う、初期の頃であろう、帯が画像にあって、そこに「本物の教養は頭に染み込む」!!なんて、魅力的な文章が書いてあったので、ビビっときたわけ。その後、帯はこう続ける。「社会学はもちろん、その周辺の学問を理解するためには、どうしても、社会学史全体を知っておく必要があります。それなのに、なぜか、社会学史の本がほとんどないのが現状です。だから、この仕事に私は、強い使命感を持っています」と。
ふーん、それで、すぐに、ダウソして聴いたわけ?
いや、しばらくライブラリーに入れていたけれど、すぐには読まなかった。
どーしてよ、ビビっときたんでしょ??
なんか、すごく時間の長いオーディオブックだったから、気後れしちゃってさ。
それでなんで読んだわけ?
とりあえず、マックス・ヴェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(略称「プロ倫」)を読んだわけよ。
ふーん、それで、わかったの?ムズそうな本だけど・・・。
プロ倫は、主にカルヴァン派のプロテスタントの教えだった、「予定説」というものから、資本主義の精神が生まれたという。
予定説ってなに?
いや、最後の審判のとき救われるか救われないかが、元々神によって予定されている、という説だよ。神は万能だから、っていう理由からだけどね。
でもさ、もう予定されちゃっているなら、もうなにしても、結果が動きようがないんだから、「もう頑張るのやーめた」ってならない?それじゃ、資本主義の精神とは程遠いじゃん?
でも、そうならなかった。ボクも、なかなか、ここら辺が理解できなくて、悩んだ。
ふーん。
で、ヴェーバーさんは、社会学者だから、「社会学史」のヴェーバーさんのところだけ、まず読んでみた。そしたら、今の問題を「ニューカムのパラドクス」というもので、見事に説明してしまうんだ。もちろん、プロ倫には、ニューカムの「ニ」の字も出てこないよ。
へー、やっぱり、大澤真幸さん頭超いいね。
やっぱり、そう思うでしょ。で、その後、マルクスさんのところ読んで、フロイトさんのところ読んで、「うわ!すげー上手くまとめられてる!!」って驚愕したわけ。やっぱり、超絶、頭いいわと。
で、感動したわけね?
感動したよ。
それで通読することに決めたんだね?
うん。ついでに、オーディオブックだけでは、もったいない本だなと思って、紙の本も買っちゃった。
紙の本は、どうだったの?
やっぱり、オーディオブックでは理解できなかったところも、紙の本で読むと、非常に理解できる。何回も見返せるし。ちなみに、初めて本屋さんでみたとき、新書なのに、異様に分厚いので、ひときわ、異彩を放っていたよ。
ふーん、新書なのに、そんなに「新書」感がないんだ!(笑)
ちなみに、社会学前夜の話だけど、ホッブス、ロック、ルソーの社会契約説の説明もわかりやすくてさ。実は、ボク、憲法で、「抵抗権」というものを大学で学んだんだけど、なぜ、憲法でいきなり「抵抗権」が出てきたのかがわからなかったんだ。それが心にずっと残っていてね。
ふーん、それで、その心のつかえは取れたの?
うん。この本にわかりやすく解説してあったよ。ロックの社会契約説の説明の中で。「抵抗権」は長年の謎だったから、めちゃくちゃスッキリしたよー。
Audibleで読み放題にならんかなー?
なんか、Audibleでは出てないよねー。
最後にまとめを一つお願いします。
まあ、この本分厚いんで、大変だけど、二周目に突入してるよ。しばらくは、社会学史メインの生活だね。とにかく、分厚いんで大変だ、とは言っておくよ。でも、読み方次第かな。説明自体は明快で、くもっているところがないんでね。