古井雅

作家を目指して小説を書いています。noteでは「アマチュア作家の創作箱」として、「小説」の視点から、色々な創作物の考察や作品のレビューを投稿させていただきます。少しでも楽しんでいただければ幸いです。

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マガジン

  • 創作の独り言 備忘録

    まったり独り言を綴る備忘録。

  • 煉獄のオルゴール

    生前の記憶を失った「僕」は、黄泉路の分岐点の管理人「瑠璃」の元で目を覚ます。しかし、「僕」はそのまま死に切ることができず、自らが生きた人生を記憶として取り戻すため、異形の世界を彷徨する。

  • 廓寥の世界

    物憂げでちょっぴり苦しい人々の物語。

  • オルゴールの櫛歯

最近の記事

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これからのノートの投稿について

 この度はこのアカウントに訪れた全ての方々にお礼申し上げます。  私はBLをメインに小説を投稿していたのですが、ここ最近ではもっぱら「なんだかよくわからない謎の文章」をゲリラ的に投下している謎の存在に成り果てております。  おまけに投稿頻度もゲリラ的で、年に数度の更新となることも頻発していましたが、今年に入ってとある理由から連続投稿ができていました。  その理由は、iPadでのアプリ投稿が可能になったからです。これによって急激に投稿がしやすくなり、私にとっては奇跡の12日

    • 【映画感想文】第4の壁を越える恐怖の表現【映画・コンジアム】

      ※サムネイル画像は公式HPより はじめに 「最近のホラー映画はつまらない」と答えられることが多くなってきたホラー映画というジャンルの作品群ですが、その中でも数多の作品が試行錯誤の結果、結局芳しくない評価に終わる、そのようなことが映画界隈では度々見かけられます。  筆者は別の記事にて、日本ホラー映画の金字塔である「呪怨」についての感想文を投稿させていただいたのですが、最近の映画は映像技術の向上などいろいろな観点から「恐怖」を感じづらい場面も増えてきたかもしれません。  筆

      • 【映画感想文】描写される日本映画の恐怖の原点【映画・呪怨】

        ※サムネイルは「配信サービス-Hulu」様より はじめに 皆様は邦画ホラーと言うとどの作品を思い浮かべるでしょうか。日本の映画には独特のジメジメ感や、映像による静的な表現などにより、一時は「ホラー映画といえば日本映画」という時期もありました。  そんな中でも、日本ホラーの代表格となっている作品が「呪怨シリーズ」です。  映画「呪怨」は、呪いの家という場所を一つの舞台装置として展開されるオムニバスストーリーであり、場所に染み付いた呪いを描写する映画であり、現在では日本だけで

        • 【映画感想文】子から母親になるということへの重み【映画・母性】

          ※サムネイル画像は公式ページより一部抜粋したものです。 はじめに 2022年にて劇場公開された湊かなえ氏原作の映画「母性」ですが、個人的にこの作品は、湊かなえ氏のインタビューを見てとても興味を持たされました。  それが下記のような「コレが書けたら作家をやめていい」というような言葉が出るほど、この「母性」というテーマについて語っています。  私自身本作には、「母性」ということに対して同じようにテーマ化して作品を作ってみたいと感じることが多々あり、気にはなっていたのですが、N

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        これからのノートの投稿について

        • 【映画感想文】第4の壁を越える恐怖の表現【映画・コンジアム】

        • 【映画感想文】描写される日本映画の恐怖の原点【映画・呪怨】

        • 【映画感想文】子から母親になるということへの重み【映画・母性】

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        記事

          【映画レビュー】全く別の時間を過ごす恋【映画・秒速5センチメートル】

          ※サムネイルは公式映画ページ「秒速5センチメートル」より はじめに 昨今の日本映画で台頭しているのはなんといってもアニメーションです。鬼滅の刃を皮切りに興行収入の上位は多くアニメ映画が占めるようになったなかで、特に名前を聞かれるようになったのが「新海誠氏」です。  2016年に「君の名は」にて一大ムーブメントを作り出した新海誠氏は、その後も「天気の子」や「すずめの戸締まり」などの大人気作品を輩出する、日本アニメーションでも屈指のクオリティを持っていると言えるでしょう。

          【映画レビュー】全く別の時間を過ごす恋【映画・秒速5センチメートル】

          【映画レビュー】人は如何にして”怪物”を脱するか【映画・怪物】

          はじめに  私が今回「映画・怪物」の存在を知ったのは、確かなんの気無しに立ち寄った映画館で、スクリーンに映し出されていた予告でした。  「怪物だれーだ」  幼く中性的な声色でつぶやかれるその言葉と、坂本龍一氏の美しくも不協和的なピアノの旋律、全てが不安を煽る予告というような印象を抱かされ、いわゆる「ホラー好き」な私は一瞬にしてそれに釘付けにされたことを覚えています。  現在2023年6月2日より放映している映画「怪物」を、私が見に行ったのは自分の中で「驚き」がありまし

          【映画レビュー】人は如何にして”怪物”を脱するか【映画・怪物】

          汚部屋でもいい人たち

           誰かと一緒に住んでいると、「部屋を片付けたい人」と「汚くてもいい人」に二分される場合がほとんどだと思われる。  そういう間柄では、頻繁にすれ違いが起きる。テーブルに散乱している多くの物が気になってそれを片付けると、「どこにいったかわからなくなるから余計なことをするな」と騒ぎ立てられるというのも、まさにこういう事が原因として起きるものだ。  私はできることなら、「片付けたい人」に含まれるかもしれない。だけど私以外の家族は、「別に汚くてもいい」といって憚らない。使った皿は当然

          汚部屋でもいい人たち

          夢の代償

           還暦を少し過ぎて、ようやく現役から退いた縁側から外を眺めてみる。そんな中で始まる独語は随分奇妙かもしれない。  思えば、これまで色々なことがあった。その中でも私の最大の後悔と言えば「あまりにも普通の人生に身を投じてきたこと」だろうか。  ふと、机に視線を移してみると、そこには形にすらならないまま捨て置かれた大量の文字が印字されたディスプレイが逆行に照らされて読むこともできない暗がりが見えた。  私は物書きを目指して、これまで仕事の傍ら多くの作品を書いてきた。けれどそれは

          夢の代償

          美術館の音

           昼下がり。静かな面持ちでふと飛び込んだのは美術館だった。  何がやっているのかすらもわからないまま、滑り込むように館内を見回せば、多くの美術品が私に視線を合わせて微笑みを送る。  特に意味はない。  別になにか目的があってここに来たわけでもなければ、美術館が好きだからここに来たわけでもない。ただ、本当になんとなく。気が向いた先にあったのが美術館という、ただそれだけのこと。  美術館なんて柄でもないと思っていたけれど、入ってみればそのあまりの非日常感に驚かされる。清潔に広

          美術館の音

          創作の独り言 低完成度な作品とは

           昨今の日本では、「作品としてのクオリティ」として、低レベルな作品に対して目が行きがちである。  小説だけではなく、映像媒体などを始め、多くの創作物についてレベルが語られ、少しでも他の作品と見劣りするようであれば容赦なく捨て去られる世界がまさに今の世界であると表現できるかもしれない。  私もこれについては非常に身近な問題かもしれない。作品を投稿しても、大量にある多くの作品に埋もれていき、自分の作品が全くもって見られない事を嘆くときもある。  しかし、その一方で「作品の程度

          創作の独り言 低完成度な作品とは

          「書き手」に必要なものは技術か?

           私は「文章を書く」という事を10年以上続けています。それでいて、なんとなく「これが仕事になればいいのにな」と思いながら続けているときもあれば、自分が書きたいものを書いていたいと思うときもあれば色々あるのですが、漫然とこの「文字」という世界にいて思うことがいくつかあるので、それについて自分の目線でまとめさせていただきます。 書き手に最も必要なものは技術ではない のっけから賛否の分かれそうな事をタイトルに据えていますが、これについて私は確信めいたものがあります。  読んで字

          「書き手」に必要なものは技術か?

          日常は恐怖で埋め尽くされている

           幽霊を信じますか?  この言葉に対してどのような見解をしているのか、人によって違うかもしれません。現代社会でも、「幽霊の存在」に対して信じている人は多いかもしれませんが、最近では科学の発展やネットでの情報の流麗さもあって、「そんな存在いるわけがない」と思う人も多いかもしれません。  私はというと、根っからの科学人間ですが、実は「幽霊」というものに対しては肯定的な見解を示しています。確かに物事は科学的な見方が中心にされるし、それに対して否定することは出来ません。  です

          日常は恐怖で埋め尽くされている

          創作の独り言 才能が枯渇する時

           特定の分野において仕事をする人、創作をする人、創作者、自己表現方法が拡大してきたこの世界において「才能」という言葉を肌で感じることが非常に多くあるように思える。  大体どの分野においても、自分の才能が惨めになるくらい図抜けた天才がいるものだと認識している。小説だけではない、その他あらゆる分野において、「この人には絶対自分は勝てないだろう」と知らしめられる瞬間、私は惨めに思うと同時に、逆にやる気が出てくるのだ。  なんとなく、「あんなすごい事はできない。自分はそんなことを

          創作の独り言 才能が枯渇する時

          創作の独り言 作家は何を描くべきか

           作家は文字であらゆるものを表現することができる。世界観からキャラクター、本当に多種多様な一方で、本質的に何を表現するべきなのかと問われるとこれにはかなり大きな疑問が残る。ただ単に自分が表現したいことを表現するのが一番だけれど、もっと大切なこととして私は「仮想現実的な世界のシミュレーション」だと感じる事が増えてきた。 ・「小説」というコンテンツ 第一にこれは私が勝手に言っていることであるため、「作家は絶対これを書くんだ!」という主張ではないことを前提にさせてもらう。私はもう

          創作の独り言 作家は何を描くべきか

          五月雨に臨む

           雨音がほとほとと私の周りで湧き立ちました。部屋は曇天のせいか随分と暗く、春先をすこし過ぎて天気や気圧は不安定な様相を見せています。  なんて、窓枠に飾られた五月雨の空に向けて言うのですが、どちらかというと不安定なのは私の方。春先になって新しい環境に入ってすこし時間が経った頃の頃、露骨に心がすり減る感覚があって、いつもこの雨が嫌いでした。  しとしと、じめじめ、それだけで心に陰鬱な一点を落としていて、気がつく頃に心のそこまで根腐れしてしまいそうで、毎年この季節は締め切られた

          五月雨に臨む

          苦しい気持ちを救うのは

          「苦しい」は大抵自分で作り出しているもの 私は常々苦しみを抱いていると思っている。朝起きる時、仕事に行く時、入眠する時、休みの前日までも苦しみに染まっていることがある。殊更、4月というときは環境が一変することと相まって苦しみを感じやすい時期であると思う。今まで過ごしていた環境が一変する、それだけでこれ以上ない苦しみが生じるかもしれないし、まさにその度合は人それぞれである。  苦しみは人それぞれ。きっと多くの人はそれを知っている。  だけどだからこそ、「この苦しみは人には理解

          苦しい気持ちを救うのは