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HYBE、その巨大さと似合わない稚拙さ

BTS、LE SSERAFIMが所属しているエンタメ企業として有名な、という説明も不要なくらい、もうこの業界のトップ企業と言っても良い、HYBEの内部報告書が暴露され、韓国の国政調査で扱われるなど問題化されています。 この報告書はHYBE内の役員のために定期的に作られる文章だそうです。その内容は他者のアイドルについての誹謗が混じった冷やかしにしか見えない文章が多かったですけど、いくつか持ってきました。 他者のアイドルの外見に対する品の無い評価。アイドルでも無いミュージシャ

    • DJ SODAという現象

      DJ SODAは有名なDJです。多分、韓国で現時点で一番有名なDJです。私はこの名前をネットで数えきれないほど見ました。彼女を取り巻く色んな話、性犯罪、批判、非難に対する批判など、とりあえず、その流れで彼女は有名になりました。変なのは、彼女の職業が分類上「音楽家」であるはずにもかかわらず、私は彼女の音楽を接する機会すらなかったことですね。 それで聴いてみましたが…… 正直、音楽好きとしては納得がいかないアウトプットでした。これは一般的な意見が合ってるようです。彼女はDJと

      • Weekly Kpop (240617-240623)(韓国バラード雑談)

        パク・ ジェジョン - 別れようと言ってWeekly Kpopなのに何で昨年の曲を紹介するのかというと、この曲がいまだに韓国の音源ランキングに上位にランクされているからです。アイドルが大半を占めしているチャートなので、この曲の存在感はその中でもすごいです。そしてこの曲を語ると自然に韓国のあれやこれやを話せる気がして今回持ってきました。(正直に言うと、個人的に目立つ新曲がありませんでした) そもそも、バラードというのが何か。バラードの根はフォークとトロットにあります。分かりや

        • 雑談

          音楽史を話す時、色んな基準があると思います。例えば、音楽消費パターンを基準にするのだとすれば、レコードと言うものが発明される前と後、インターネットの前と後、グローバル時代の前と後などで歴史を眺めてみることが出来るでしょう。楽器と周辺機器を基準にすれば、アコースティック楽器しかなかった時代からスピーカーとアンプが普及され、エレクトリックギターが現れ、シンセサイザが発売され、その後DTMで音楽編集がリニアからノンリニアに変わる流れ。その中にボカロも入りますね。 音楽を消費するメ

          Weekly Kpop (240610-240616)

          1> SUPER JUNIOR - Show Time SUPER JUNIORのデビューは2005年です。20年近く活動して、彼らが持ってる持ち味はいまだに有効です。楽しく、面白く、多彩。シウォンみたいなバリバリのイケメンもいれば、シンドンみたいな、アイドルグループとしては変わった感じのメンバーもいます。各々が普段芸能番組とかでも活躍していて、そうやって長い時間が蓄積されました。個人的にはこのグループの一つの持ち味である”コミカルさ”がMVで散りばめられていることが良かっ

          Weekly Kpop (240610-240616)

          学マス曲、初印象で書く感想文−2

          篠澤広(cv. 川村玲奈)-光景ブラジリアンのエネルギー溢れるリズムの上にシネマティックなストリングスが優雅に流れて、まるでサウンドオブミュージックの世界観みたいだと思いました。その上に色んなアコースティック楽器が乗っかると思ったら、FX音も少なくない、すごく複雑なテクスチャな音楽です。こういうリズムワークはTAKU INOUEさんが作曲した、我那覇響のPON DE BEACHで感じたことがあったけど、この曲はもっとサウンドスケープを見せることに集中した感じです。篠澤広ちゃん

          学マス曲、初印象で書く感想文−2

          学マス曲、初印象で書く感想文−1

          入る前に アイドルマスターがずっと好きだった身としては、やっぱり、シリーズの新作「学園アイドルマスター」に触れずにはいられませんでした。でも残念ながら、自分の体力と時間の都合上、ゲームはあんまり触れていない状態です。つまり、アイドル一人一人について詳しくないです。自分のXのTLに流れる情報や、ちょっと触った時に知れたものくらいです。 それにもこの記事を書こうと思ったのは、ただの音楽オタクとして学園アイドルマスターの曲がすごく良かったこと、そしてこんなに多い曲がすごいペース

          学マス曲、初印象で書く感想文−1

          Kpopだけじゃない。 K-rockもある

          韓国の音楽だといえば99.99%の人はKpopを頭に浮かべるでしょう。これは韓国人でもそんな変わらないと思います。一点集中型の市場なので、ロックの色んなジャンルが根付くのは難しかったです。 今回はその中で自分が思うベスト曲を五つ紹介します。 1> Guckkasten - Red Field 黒魔法のような世界観を持つバンドGuckkasten。万人受けするタイプではないはずだが、圧倒的なボーカルとパフォーマンスで今は韓国を体表すると言っても良いほどのバンドになりました

          Kpopだけじゃない。 K-rockもある

          Weekly Kpop (240603-240609)

          1> Men's Tear - AK47 芸人二人のコントユーチューブチャンネルによるヒップホップチームMen's Tearのシングル。「AK47に撃たれて死亡した外祖母」という無茶苦茶な歌詞は、韓国のヒップホップの歌詞がありもしない武勇伝ばかりだということをひねくった結果ですね。色んなチャートで1位を取るほど大人気な曲になってました。本業は芸人だし、フルアルバムも無いですが、色んな意味で強い歌詞と、そして意外なことに、ラップが普通に上手いということで一般リスナーの評価も良

          Weekly Kpop (240603-240609)

          カンナム・スタイルはKpopなのか否か問題、貴方はどう思いますか?

          とあるラジオを聴いてた時、面白い話を聞きました。「ガンナム・スタイルをKpopと呼ぶのはちょっと違う。この曲はミーム・ソング(meme song)に分類すべきだ」という意見でした。かなり真剣にKpopについて扱う放送だったので、「そうなのかなー」と思ったのですが、そういえば、 私はこの前、「1時間で分かるKpopの流れ」という流れでこの曲を挙げたのですよね…… ミーム・ソングの定義は皆さんが考えるようなそれで大体違いないと思います。まぁインターネットとか、バイラルマーケテ

          カンナム・スタイルはKpopなのか否か問題、貴方はどう思いますか?

          Weekly Kpop (240527-240602)

          1> 박재범 (Jay Park) - ‘Taxi Blurr (Feat. NATTY of KISS OF LIFE)’ アイドルはどういう風に進化するのか。その一つの解答であるJay Parkの新曲です。彼の歩み(ソロアーティストとしての彼が成してきたことは今後、どこかで話したいですね)自体ももちろんですが、音楽だけを見ても面白いです。JYPの男子アイドルグループから独立し、やりたかったヒップホップ、R&Bでも幅広いリスナーから支持を得て、もう今は熟したブラックミュー

          Weekly Kpop (240527-240602)

          Weekly Kpop (0520-0526)

          一週間聴いたKpop曲についての感想を短めにまとめていきます。 短めとは? 1> New Jeans - Hot Sweet彼女達を取り巻く状況が穏やかじゃないのにも関わらず、このMVを見ると、そんなのあんまり関係ないのかもしれないという気持ちになります。思ってみれば、New JeansはいつもKpopが(いろんな理由で)扱ってなかったテイストのキャンディーを持ってきて、その中を彼女たち特有の脱力感、自由さで糸を通してきたグループでした。そして派手で色々とてつもないKpo

          "反応を怖がりはじめる瞬間、君の人生は牢屋になる”

          とある友達との会話から抜粋

          "反応を怖がりはじめる瞬間、君の人生は牢屋になる”

          BTS、そして”セウォル号沈没事故”の話

          2014年4月16日の午前9時頃、250人以上の学生を含め、約300人の乗客を乗せて済州島に向かっていたクルーズ船が沈没し、乗客員とクルーほぼ全員が死亡する事故がありました。 その中の多くの人が修学旅行で済州島に向かっていた高校生だったということがさらに色んな人に衝撃と悲しさを与えた事件でした。船が沈没した原因は今でも知られていません。何故沈みはじめる時に救助を呼ばなかったのか、何故政府の対応が遅くなったのか、そもそも欠陥がある船が何故出航したのが、色んな調査が行われたにも

          BTS、そして”セウォル号沈没事故”の話

          10分で分かる「ミン・ヒジン」

          最近、衝撃の記事会見で一気に有名人になったミン・ミン・ヒジンさん 知ってる方も多いと思いますが、「で、誰?」ってなってる方、なぜこんなに話題になってるのかは知らない方も多いと思うので、今日は簡単に分かりやすく説明しようと思います。詳しく知りたい方はもちろん、ウィキなり何なりを探せば情報はたくさん出ます。 Q. で、誰? A. NewJeansの会社の社長です。 Q. こんな若いのに社長なん? A. 元々はSMのアートディレクターでした。社長になったのは近年なので、彼

          10分で分かる「ミン・ヒジン」

          1時間で分かるKpopの流れ

          Kpopについての日本語文書を探してみましたが、割と分かりやすいのが見当たらなくて、直接書いてみました。20曲の流れで短く説明してみます。 端的に言うと、Kpopは90年代、アメリカで当時流行ってた音楽を韓国市場に合わせてローカライズすることからはじまり、韓国で市場とシステムを確立し、そしてグローバル市場を攻略する流れです。 音楽的にはヒップホップ、RnB、Dance-popなどを含みますが、Kpopは基本的にジャンルというよりはスタイルを指示する単語です。ボリウッドと似

          1時間で分かるKpopの流れ