1時間で分かるKpopの流れ
Kpopについての日本語文書を探してみましたが、割と分かりやすいのが見当たらなくて、直接書いてみました。20曲の流れで短く説明してみます。
端的に言うと、Kpopは90年代、アメリカで当時流行ってた音楽を韓国市場に合わせてローカライズすることからはじまり、韓国で市場とシステムを確立し、そしてグローバル市場を攻略する流れです。
音楽的にはヒップホップ、RnB、Dance-popなどを含みますが、Kpopは基本的にジャンルというよりはスタイルを指示する単語です。ボリウッドと似たような使い方ですね。でもやっぱ、Kpopの音楽で一番重要なキーワードはHiphop/RnBだと個人的には思います。
今のKpopはまともに一つの産業です。莫大な収益、数多い派生産業、数えきれないほどのアイドル候補生など。逆に韓国の音楽からKpopを除くと何が残るかは、それはまたいつか話してみたいですね。
疑問点。じゃKpopは韓国のアイドルのこと?
回答) 正確にはそうではないが、実際にはそんな感じだと思います。Psyのガンナム・スタイルとかが異例だと思えば良いかと。
面白いことにKpopの歴史は
世代
という基準が通用されてます。いつかはウィキで掲載されているその文献を翻訳したいと思いますが、すごく長いのでそれはまた別の機会に。
今回はマジでシンプルに、太い一本の筋だけ見えるようにプレイリストを構成してみました。
1) 서태지와 아이들(ソテジワアイドゥル) - 난 알아요(I know) (1992)
1992年をKpopの原年だと言っても良いかと。ソテジワアイドゥル、もしくはソ・テジという人物の登場は、Kpopの歴史の中で唐突な事件みたいなことでした。この曲以前と以後で韓国大衆音楽は完全に変わります。ヒップホップ、アイドルという色んな文化遺伝子を一気に韓国にぶっ込んだ、驚きの曲です。
2) H.O.T - 전사의 후예 (폭력시대) (Age of Violence) (1996)
1世代開幕です。SM Entertainmentという帝国のはじまり。ソテジワアイドゥルが、それこそ急に韓国に現れた超新星のようなグループだったら、H.O.Tはちゃんとした製作会社による”プロデュース”が行われ、それが良い結果に繋がるのを確認した初グループだと言って良いと思います。
3) S.E.S - Dremas Come true (1998)
男子グループはH.O.Tとジェクスキス、女子グループはS.E.Sとピンクル。Kpopの草創期これだけ覚えておけば半分はいける。S.E.Sはおしゃれ、ピンクルは親しみやすい。そんな感じです。市場での反応が良かったのもあり、Kpopは色んな音楽的、ビジュアル的な実験を繰り返している時期ですね。
4) Brown Eyes - 벌써 1년 (もう1年)(2001)
この期間、なんとアイドル風はちょっと沈みます。(まぁ相変わらずちゃんと売れてましたけどね)代わりに、R&Bやバラードなどの曲が流行る時期です。その中でも一番有名で、その後の韓国音楽に大きな影響を及ぼしたアーティストはこのグループです。
この辺で、KpopはMVに力を入れてた時期でもあります。映画やドラマ要素を取り入れたりとか。
5) 東方神起 - Rising Sun(2005)
2世代の始まり。日本でも人気がありましたね。前世代よりパフォーマンスがはっきりレベルアップしている。
6) Wonder Girls - Tell me(2007)
JYPの名声がグッと上がった曲。当時は割と新鮮だったレトロを早い段階で持ってくる感覚はさすがでしたね。多分本人たちも予想できなかった大ヒット。
7) BIGBANG - HARU HARU (2008)
SM、JYP、YGはHybeが登場する前までKpopを支える三つの会社でした。SMはヒップホップ、R&Bというジャンルより”韓国アイドル”としてローカライズすることにフォーカスを置いたというと、YG Entertainmentはもっと米国のヒップホップの味を持ってこようとした製作者です。BigBangはその中で一番大きい名前です。音楽と共に彼らのスタイルも流行るほど大きい痕跡を残しました。
8) 少女時代 - Genie (2009)
少女時代はこの時代のSMを代表するチームでもあり、SMの製作クォリティが段違いということを見せつけた一曲。2世代のアイドルからはちょいちょい日本にも進出していましたね。だから日本語版が作られはじめたのもこの頃からです。
9) Psy - ガンナム・スタイル(2012)
結果的にKpopがグローバル市場で売れるようになったきっかけになった曲。また、ユーチューブの影響力を実感せざるを得なくなったきっかけでもある曲。ちなみに、Psyはこの曲の前にも芸歴が長いミュージシャンで、すごく独特なスタイルの曲が多くて、逆にこの曲ははじめて聴いた時には”Psyの割には普通だな…”と思ってました。
10) SHINee - Sherlock(Clue + Note) (2012)
SMは誰が見ても好きになるしかないようなコンテンツを作るという印象が強いし、その方法はもちろん「クォリティー」です。Kpopのパフォーマンスのクォリティがとこまで高くなれるのか証明した一曲。曲、ボーカル、ダンス全部が最上級に至った名作。
11) Exo - Growl (2013)
3世代のはじまり。この曲は販売成績でも、音楽的な評価でもトップでした。個人的にもShinee、Exoが出てたこの頃のSMの勢いは凄かった記憶です。SMのトップボーイグループの流れはH.O.T→東方神起→Shinee→Exoだったと思います。
13) Twice - Cheer Up (2016)
JYPのアイドルグループで最も成功したチームだと言っても良いと思います。先、YGはもっと米国の味を持ってこようとしたと言いましたが、JYPはチームの色、個性を注視したグループ作りをしてたイメージです。今は普通ですが、日本人が3人、台湾人が一人と、外国人をメンバーに取り入れ始めた時期でもありますね。色んなジャンルを吸収しミックスした名曲です。2016年のトップ。
14) iKON - LOVE SCENARIO (2018)
比較的に日本には有名ではないかもですが、Kpopがグローバル市場を沸かしてるうち、2018、韓国で一番成績が良かった曲はこの曲です。
15) BLACKPINK - DDU-DU DDU-DU (2018)
今のKpopの世界知名度を作った片方の腕。ずっとグローバル市場を攻略しようと研究、実験を繰り返し、結局大成功しました。その伝説のはじまり。TRAPサウンドがKpopで目立つようになったのもこの頃だった。
16) IZ*ONE - Violeta (2019)
Izoneはオーディション番組から結成されたグループです。オーディション番組がすごく多かった時期の韓国を反映するチームでもあり、そうでありながら大きな成功を収めたチームでもあり、またすごく残念な最後を迎えたプロジェクトでもあります。(投票不正)でも、確かにKpopの新しい風でした。
17) BTS - DYNAMITE (2020)
それこそ、BTSが最高点を取り始めたころ、多くの専門家たちは全然予想できなかったとおっでゃってました。ファンとのコミュニケーションをどうやって取るかによってどこまで爆発力が増すのかを一番派手に証明したグループでもあります。Hybe帝国の誕生です。
18) Stray Kids - Thunderous (2021)
このチームは"会社の意思で集められた"訳ではなく、自発的に集まって、そのままグループになった良い事例です。特有の自由さ、面白さで他のアイドルグループとの差別化をしたグループという印象です。
19) New Jeans - Ditto (2023)
何においても、繰り返されるとパターンが出来てしまいます。どんなにすごくても、似たようなものだと飽きちゃいます。New jeansの意味はそのKpopのパターンを壊し、今までKpopでやってなかった音楽とイメージで勝負し、大成功したということです。同じく、Hybeの成功作。
20) RIIZE - Get a guitar (2023)
であれば、SMは存在感が少なくなったのかというと、そうではないです。RIIZEは特有の少年美、爽やかさで現在Kpopの新しい成功作です。Kpopがどんどん多様化され、グループごとの個性が強くなる流れでもあります。それは次のグループでも説明できますね。
最後に
Kpopがポップの歴史においてどんな意味があるのかというと、色々ありそうだけど私的にはまず、Michael Jackson以来にはじめて”コレオグラフィ”と音楽を完璧なレベルまで完成させ、コンテンツ化したのだと思います。今だにもポップの歴史はアメリカが中心ですが、アメリカは長い間、純粋にヒップホップとRnB、要は踊らなかった訳です。(まぁ、踊ってはいたけど、コレオグラフィではないですね)
深い話はまたいつかやれるとして、とりあえずこの流れだけ掴むと”ふーん、Kpopってこんな感じなのね、おっけー”くらいまではなると思います。ぶっちゃけ韓国にもこういうの流れで把握しようとする人は一握りだと思いますのでね…
もし質問とかあったら、Xのアカウントでリップなりなんなり送ってください!
Xアカウント :@shura_nichijo
(アニオタにしか見えないかもだけど、ちゃんと私です(アイマスPです))
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