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雑談

音楽史を話す時、色んな基準があると思います。例えば、音楽消費パターンを基準にするのだとすれば、レコードと言うものが発明される前と後、インターネットの前と後、グローバル時代の前と後などで歴史を眺めてみることが出来るでしょう。楽器と周辺機器を基準にすれば、アコースティック楽器しかなかった時代からスピーカーとアンプが普及され、エレクトリックギターが現れ、シンセサイザが発売され、その後DTMで音楽編集がリニアからノンリニアに変わる流れ。その中にボカロも入りますね。

音楽を消費するメディアもその基準になれますね。思えば今って、つまり2024年ってBeatlesの時代からそんなに悠久な時間が過ぎた訳でもないですよね。LPからカセット、そしてCD。私が音楽のメディアを始めて接したのはカセットテープです。その後、中学生、高校生時代は主にCDを通して音楽を聴きました。お小遣いを貯めて、毎月一回くらいCDショップを訪れ、限りあるお金で何とか一番好きなやつを買うのが楽しみでした。それが2000年代後半です。その時にすでにストリーミングサイトはありましたが、モバイル機器を持っていなかったので、それはほぼ家で聴く時に使うものでした。

色んな基準がその時代の音楽に影響を与えます。TVの普及により音楽で映像という側面が強くなったこととかがそうですね。アメリカでヒップホップが流行るようになったきっかけとかもそうです。抑圧されていた黒人の声が音楽の形として成り立ち、その音楽が多くの人に共感されてきた流れは社会的脈絡もかなり強いのです。

2020年代はどんな時代でしょう。私が思う最近の音楽消費パターンの特徴は二つです。一つは、生産がの劇的に安くなり供給過多になったこと。そしてどんな音楽もいつでも聴けるようになったことで、聴く人側にすれば選択範囲が無限に広がったこと。二つ目は、何でも聴ける時代にも関わらず人間には時間が無限にないため、そして楽しめるのは音楽だけでは無いので、ショートフォーム(short form)で音楽を消費するのが流行っていること。

Charlie XCXの曲は、まさにこの時代を反映する曲みたいに感じます。インスタントの美学と言っても良さそうな、そういう音楽です。TikTokで流行ったのかは確認したことは無いですが、多分そうだろうと思うくらい親和性が高いです。TikTokが現在の音楽産業に与えている影響はすごく大きくて、Kpopを含めて最近発表される色んな曲がそのショートフォームに最適化されているのは偶然ではないでしょう。

2020年代の前半、過ぎてみればyoutubeとTikTokの時代と未来の音楽史に記されるでしょう。これは良いことも悪いことでもなく、事実であるだけです。

本音を言うと、最近やたらPINK FLOYDみたいなバンドのアルバムが恋しいです。しょうがないですね。

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