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家族

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家族の思い出、自分の思い出書いてます。
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#エッセイ

おきゅうと

おきゅうと

 福岡市にいた頃、正月に広島へ里帰りする際は、近くのスーパーでよくおきゅうとを買ってみやげにしていたものだった。ただ数に限りがある生モノなので、売り切れてなくなっている時もあった。
 北九州に異動になると、そもそも置いていないスーパーが当たり前であったが、稀に見つけると買って帰った。
 おきゅうといっても福岡市民以外はあまり馴染みがないだろうと思う。見た目はところてんと同じような感じだが、ところて

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人形供養つづき

人形供養つづき

  前回の続き。
 翌朝6時に家を出て八坂神社に向かう。歩いて向かう。片手に人形を入れた紙袋を持って。
 朝だから涼しいだろうと思っていたけれど、歩いていると暑いものだ。片道約20分強。
 八坂神社に着く。手水で手を洗う。本殿でお詣りをする。それから本殿の横を通り抜け、納札場と書いてあるドーム状の建物に入ろうとする。
 看板がある。「お札は志、人形は1体、1000円、3体以上は3000円」とある。

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母親と長電話

母親と長電話

 最低週に1度は88歳になった独り暮らしの母親に電話をする。友人関係も一人二人と亡くなるなどで減り、近所の同じ境遇の年寄りと話すくらいしか人と話すこともないので、ついつい長話になってしまう。内容はほぼない。お陰様で、どこも悪い所がないので、一般的にありがちな病気の話を延々と話すこともない。では何を話すかというと話すことはあまりない。家から出ることも稀なので、変わったこともない。こちらもそれほど話す

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風呂に入る

風呂に入る

 夏の暑い間は、全員ずっとシャワーだけだったのだが、涼しくなってきたので、久方振りに風呂に湯を張ろうと湯船を見れば、ピンク色に水垢らしきものがたくさんついている。ポリバスなので、スポンジで擦ると簡単にそれは取れたが、腰を曲げて作業をしなければならないので、腰痛持ちの僕には、ちょっと要注意な姿勢であった。
 そういえば大学1年生の時に先輩のアパートの風呂を借りて「風呂が汚い」といったので、風呂の掃除

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母、スマホを買う

母、スマホを買う

 母親の家の固定電話が壊れた。ノイズがひどくてお互い何を喋っているのか聞き取れない。妹婿の元高校の同級生がわざわざ見に来てくれた。彼は学校の先生だったが、今年の春に一足早く退職してしまっているので、暇だった(お互い様だが)。
 彼の見立てによると、電話機に異常はないようで、外線がどうも悪いのだろうということになった。NTTに修理ということになれば、幾らかかるかは知らないが、結構な額になりそうだ。何

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88の手習い

88の手習い

 前回の続きである。
 88歳の母が固定電話が壊れたのを潮にスマホを買うと言い出した。そのため小倉でスマホを買って、広島まで持って行った。固定電話は直ったものの、それでもスマホは使うという。
 これは1つのチャレンジである。88歳でスマホを作動できるものかどうか、不安はあった。たかが電話、たかがLINEというなかれ。これが若者にはあっという間に憶えられても、老人には難しい。スワイプやタップの押さえ

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夜中のスーパー

夜中のスーパー

 MAXVALUに夜中の4時ごろ買い物に行った。妻と一緒だ。昼間は暑いので、この時間に行こうと急に妻が言いだして行くことになったのだ。そうなると開いているのは24時間営業のMAXVALUしかない。
 店内は普段と違って、薄暗く、店員も少ない。補充作業に集中して「いらっしゃいませ」もない。何だか不思議な世界に迷い込んだみたいだ。
 客は他にはいないようだったが、しばらくすると男性客が1人入ってきて、

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突然の発熱

突然の発熱

 朝5時、京都にいる娘から「38度熱があって、喉が痛くて、体の節々が痛い」とLINEがあった。救急車を呼べとか救急病院へタクシーで行けとか、タクシーはコロナの場合嫌がれるから、#7119で救急車を呼ぶべきか相談しろとか、LINEで返事をする。先方は近くの病院に電話をしたみたいだが、まだ開いている時間ではない。救急病院に行かなくては。そういうが朝まで待って、電話するとのこと。心配で電話したら、「大丈

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 照明器具

 照明器具

 蛍光灯のシーリングライトとペンダントライトが我が家にはまだ2つづつある。いい加減LEDシーリングに全部かえてしまおうと妻はいう。確かにペンダントなどは、古臭く、掃除も面倒ではあるのだけれど、壊れていないものを買い替えるのもどうかと思う。そうそう安いものでもない。勿論壊れればスッキリ新しいものに替えるつもりではあるのだが、壊れない。丈夫なのではない。あまり使わないからだ。
 LEDに替えれば電気代

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GW

GW

 GWが近づいているが、特に用事はない。毎日がGWだからである。京都で働いている娘が9連休で帰省してくるが、イベントはない。息子2人は就労支援A 型で仕事がある。妻は娘が折角帰ってくるのだからと休みを取ったようだが、息子たちがそんなだから、どこか出かけようというのも範囲が狭まる。ましてや車を手放しているので、以前のように無計画で何処そこへ行こうなんてことはできなくなってしまった。遠出をしても博多く

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花見

花見

  北九州市小倉北区に住んでいると、近場にある花見場所としては、小倉城のある勝山公園か、金毘羅池のある中央公園かになるかと思う。
 中央公園の方が幾らか近いので、家族4人で妻の作った弁当を持って花見に出かけた。勿論徒歩である。
 桜は見事に満開で、若干散り始めだった。来週の週末は多分葉桜になっているだろう。命短し、である。
 キッチンカーが数台止まって営業していた。儲かっているかどうかはわからない

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餃子

餃子

 餃子を妻と作る。僕はもっぱら皮に具を包む役だ。スーパーに行けば、幾らでも安い、焼くだけの餃子があるのに、最近ではレンチンで食える美味しい餃子もあるのに、ひたすら具を皮にくるんでいく。家族4人、合計100個作る。
 具の中身は、豚ミンチ、ニラ、ネギ、タマネギ、キャベツである。妻がニンニクを好きでないので、入れない。それでも十分美味しい。皮は既製品だけど、もちもちしてこれまたおいしい。肉は少なめ、野

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喘息の話

喘息の話

 妻は絶対イヴである。私がアダムというわけではない。解熱鎮痛剤の話だ。イヴA錠を必ず仕事先に持って行く。他のではダメなんだそうだ。喘息を持っているので、下手に強い薬を使うと、アスピリン喘息を起こしやすい。それならイヴも危険ではないかと思うのだが、イヴは平気のようだ。
 人によってあうあわないもあるのだろう。北九州人は喘息持ちが多い。工場の街だからか。今は随分空気も綺麗になっているとは思うのだが。

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掃除機が壊れた

掃除機が壊れた

 掃除機がまた壊れた。我が家は掃除機にはほとほと縁がない。前回買った掃除機は碌に吸わずに充電がすぐ切れる。新古品だったから仕方ない。今回は断線である。充電式がアカンやったからコード式を買ったのに、プラグ側の付け根がどうも断線しているようだ。
 昔の僕なら、いや今でもそうだが、掃除機が気に入っていれば、自分で修理するところであるが、もとより吸い込みが悪かったので、線の切れ目が縁の切れ目とばかりに捨て

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