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加速主義

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2021年1月の記事一覧

ニック・ランド「暗黒の啓蒙書」読了

ニック・ランド「暗黒の啓蒙書」読了

やっと読んだぞ、新反動主義の啓蒙書「Dark Enlightenment」の邦訳「暗黒の啓蒙書」。

著者のニック・ランドとその系譜については木澤佐登志氏のブログに詳述されている。

衝撃的だったこのエントリーももう2年以上前なのか。時が経つのは早い。

新反動主義とはドゥルーズ=ガタリの脱領土化を極限まで推し進めて再領土化しないことで(右派もしくは無条件的)加速主義ともいわれる。中世の都市国家を

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慈恵医大の偉大なる外科医大木先生の提言を読んでみよう

慈恵医大の偉大なる外科医大木先生の提言を読んでみよう

年明けから医療クラスタをザワザワさせていたある大物医師の提言のことである。

大木隆生医師は慈恵医科大学外科統括なんとか部長とかいう大袈裟な肩書の持ち主であるが、その肩書に以上に経歴がすごい。アメリカで大動脈ステントのパイオニアとして名を挙げ、色々と表彰されてきた凄い人なのである。どう凄いのかは血管外科は門外漢なので具体的にはよくわからないが、とにかく凄いのだ。あと英語めちゃくちゃ上手いらしいです

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先崎彰容『高山樗牛 美とナショナリズム』読んだ

先日のこの記事の続き。明治後期の若い思想家たちは国家と個の確立にどう折り合いをつけたか。

『明治思想家論』で取り上げられた思想家のうち何人かが気になったのだが、そのうちの一人が明治中期に活躍した美学者高山樗牛で、だいぶ前に樗牛についての本を買って放置していたのを思い出したのであった。

著者の先崎彰容氏は保守よりの文芸批評家で、ナショナリズムと美学の間で揺れ動いた高山樗牛を論じるのに最適な人物と

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ポスト識字とルサンチマンを超えて

ポスト識字とルサンチマンを超えて

 昨日の白饅頭師匠のnoteについて思うところがあったので覚書として残しておこうと思う。

ひっかかったのは、現代は選択肢が多すぎてリテラシーの高い人々でも認知能力を消耗し、活字を追えなくなっているのではないかという部分である。

しょっちゅう決断していると認知能力のリソースを削られるのはそのとおりと思われ、例えばスティーブ・ジョブズが毎日おなじ服を来ていたのは有名である。決断の回数を減らすためで

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共通なんとか試験、制度に翻弄される人たちへ

共通なんとか試験、制度に翻弄される人たちへ

昨日、一昨日と大学入学共通試験とかいうものが実施されたようだ。大学入試センター試験の出来損ないという声が多いが、違いはいまいちわかっていない。

というか、そもそも共通一次試験とセンター試験の違いもよくわかっていないのだが、最期の共通一次試験はもう40年も前のことなんだなあ。

で、先日の大学入学共通試験は、英語については難易度が想定されていたよりもだいぶ高い、英文が面白くない、劣化版TOEIC、

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2020年に読んだ経済書まとめ

2020年に読んだ経済書まとめ

2020年に読んだ経済学とか政治経済の本についてまとめておくのを忘れていた。あんな歴史に残る外生的ショックがあったのに。まあ昨年は英語学習と仏教に時間をかけるようになったのでやむをえないのであるが。

というわけで取り急ぎ。まずはModern Monetary Theory(MMT)関連書籍から。昨年は画期的な本が2冊でている。

世の中では難しいことを簡単に説明するのがよいことみたいになってるが

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緊急事態宣言やるなら東京だけでやってくれ

緊急事態宣言やるなら東京だけでやってくれ

緊急事態行動って荒野行動っぽいなあとかアホみたいなことを昨夜は考えていた。

小池百合子東京都知事らの緊急事態宣言おかわりに抵抗し続けていた官邸も折れざるをえないのだろうか。7月くらいに小池百合子都知事がGo toトラベル中止だったか延期だったかを要請したら、東京発着旅行および東京都民だけ除外されたのを思い出す。
政府が要請に応じても応じなくてもいちゃもんをつけられる王手飛車角状態である。こういう

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