「天才でも超人でもない」からこそ響く一冊
重版決定、とのこと。
「プロレスラーの自伝がそんなに売れるとは」なんて疑問の声もあるかもしれない。なのでリアル書店員のひとりとして、現場の真実を報告させていただきます。
想定外のペースで売り切れました。
そもそも、なぜか私の職場には配本がなかったのです。意味不明。そこで担当者に「こんな本出てるよ」「この人、試合もコメントもメチャメチャ面白いから」「いま新日本プロレスでG1とかやってて盛り上がってるし」とプレゼンし、注文してもらいました。
とりあえず様子見で5冊。即完売。
KENTA選手、すいません。20冊ぐらい入れるべきでした。
でも「重版決定」アピールのおかげで、担当に追加発注を促すことができました。
読んだ感想を述べさせていただくと、本書は「もう他人の目を気にすることをやめた凡人の成長譚」です。著者は様々な団体で活躍した人気レスラー。でも決して天才でも超人でもない。そういった人たちが周りで輝くのを横目に「いまに見ていろ俺だって」と必死に己を磨いた側です。
自信があったりなかったり。人の目を気にしたりしなかったり。生々しい心の揺れが行間から感じ取れます。上手くいかずに気持ちが弱っている時ほど、つい長いものに巻かれたり他人の意見に流されがち。著者の人生に最大の後悔が襲い掛かったのは、まさにそのタイミングでした。
でも諦めずに乗り越えたからこそ、2022年のKENTA選手がいる。東京ドームのハッピーエンドをぶち壊して3万人による怒りのブーイングを浴び、SNSで誹謗中傷の嵐に襲われても揺るがない。誰がどう言おうと自分のやりたいことだから。
10年ほど前にノアでヒールターンした際、マイクで「迷走かもしれない。暴走かもしれない。でも迷走でも暴走でも、もう立ち止まっていたくない。そう決めたんだ!」と叫んだ姿を覚えています。いまの彼はさらに進化し、もはや迷走も暴走もしていません。しっかり己の足で立ち、他人の目を気にせずマイペースで歩みを進めています。
そんなKENTA選手の「足跡」をこの本から体感してみませんか? きっと各々の人生に落とし込める何かを見つけられるはず。かくいう私も数多いる凡人のひとり。だからこそ彼の決意の固さと築いてきた実績に触れて「俺にだってできる!」と志を一新できました。「本を読む・書く・売る」を通じて公に貢献したい、少しでも世の中を良くしたいと。
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