「お金がすべてじゃない」からこそ
おめでとうございます。
年棒がいまの10倍という点に球団の高評価を感じました。出来高や受賞ボーナスも細かく定められ、額がすごいことになっています。
アメリカのプロレス界では、たとえばサイン会でも一枚いくらでギャラが発生する、と何かの本で読みました。基本給とは別の部分でお金に繋がる仕事をしてくれたら、ちゃんと別のお金で報いる。そういう文化なのでしょうか? 日本では良くも悪くも論語的というか、義理人情の「なあなあ」で済ませがちですが。
非正規雇用の書店員には、当然出来高など存在しません。ただ以前勤めていた大型店では、担当ジャンルの売り上げが前年を上回ると図書カードをもらえました。いつもあったわけではないので店長の裁量でしょう。明文化して従業員に周知してほしいです。確実にモチベーションが変わりますから。
一方で「自分の棚の売り上げ」だけを追い求める人ばかりになってしまうと問題です。評価されにくい仕事(荷開け、検品、返品、備品管理、休んでいる人の品出し代行など)を率先してやるのがバカバカしくなる。誰かがやらないと店が回らないのに。
売り上げをチェックするだけなら、AIでもできます。人間の管理職がわざわざ存在する以上は「見ている人がちゃんといる」環境だと信じさせてほしい。
とはいえ、人手不足で店長クラスが品出しやレジ業務に何時間も費やすのが当たり前の状況では、なかなかそういうものは期待できません。ではどうするか?
本社の偉い人がたまに来て的外れなダメ出しをし、事務所で談笑して帰っていきます。あれを有効に活用できないでしょうか? 2週間ぐらい店で働いてもらうとか。そうすれば目に見える部分、見えない部分で気づくことがあるはず。
お金がすべてじゃない。間違いありません。でも澱みなく言い切るためには、フェアな金銭的評価が不可欠であることも事実なのです。