イチ非正規書店員が「新監督の就任会見」を見て思ったこと
岡田さんが辞めると聞いて「後任は今岡さん。その次が藤川さん」「まずは一軍投手コーチかな」と思いました。多くの阪神ファンがこれに近い想像を働かせたのでは?
現役引退から数年で、コーチ経験を積まずに一軍の監督就任。わずか3年で辞任した金本さんのケースと重なります。ハッキリとものを言う真っ直ぐな人だからマスコミや若い選手とぶつかる懸念もある。「大丈夫かな?」という疑問がなかったといえば嘘になります。
でも就任会見を見て考えを変えました。独特な言い回しの端々から「守り勝つ野球」を連想できたから。前任者の築いたものを破壊してゼロから作り直すのではなく、引き継ぎつつアップデートする姿勢を感じたから。
金本さんは違いました。というか、同じようにはできなかった。当時のタイガースが他球団から獲得したベテランにかなり依存していたせいです。そこを改めないと優勝は難しい。ゆえに「超変革」を掲げ、無理してでも従来のやり方を壊し、生え抜きの育成へ舵を切る必要がありました。
藤川さんの場合は、おそらく大幅な路線変更は必要ない。地盤がすでに整っていて、かつ当人の意向に沿っている。この差は大きい気がします。
もうひとつ。「プレーヤー個人の力がなくてベテランというのは、僕は必要ないです」というコメントが響きました。
「長くいるだけ」のベテラン非正規が同じ職場にいた時期があります。悪い人ではないけど、自分からは何ひとつ動かない。困っている同僚を助けようとか新しい仕事を覚えようという意識すらなく、ただ決められた時間に出勤し、定時になったら帰る。それを繰り返しているだけとしか映らなかった。
ある意味で反面教師でした。もしくは危機感の源泉。「キャリアや年齢に甘えたらこうなってしまう」と。藤川さんの現役時代にも、あるいは似たような同僚がいたのかもしれません。
新監督の示すリーダー像に期待しています。