イチ非正規書店員が「育成選手の待遇」に思うこと
「育成選手はプロ野球選手ではない」
福岡ソフトバンクホークス・和田毅投手のコメントです。
感銘を受けました。42歳にして先発陣の一角を担う彼からしたら、若い投手が伸びてこない方が望ましいはずなのに。自身のキャリアのことしか考えていない人からは出てこない発言でしょう。
ちなみにNPBにおける育成選手の最低年棒は240万円。私は妥当な金額と考えます。一軍公式戦に出られない(=所属する企業の売り上げに貢献していない)研修期間みたいなものとはいえ、これぐらいはないと厳しい。しかし率直に言うと、お店に不可欠なベテランの非正規書店員より高い給料なのも事実です。
そもそも書店の非正規雇用は、新人とベテランの時給が同じかほとんど変わりません。「だったら正社員になれよ」と思いますよね? しかしある役職者いわく「月給を労働時間で割ったら、君らの方が待遇いいよ」。べつの社員も「今月の給料を時給に換算したら3ケタ」と嘆いていました。
つまり現場の書店員は、社員になろうがなるまいが大して稼げない。本社の役員にでもなれば話はべつかもしれませんが、詳しいことはわかりません。
それに比べたら、将来性を見込んでの先行投資とはいえ、NPBの育成選手は恵まれている気がします。ただ他の業界を知らないとなかなか実感できない。その点に関しては私も同じです。書店員よりも割に合わない仕事で世の中を支えている人は確実に存在しますから。
どんな業種にも共通しているのは、プロは何らかの形で企業やお客さん、即ち社会へ利益をもたらしてナンボということ。その対価としてお金を受け取っている。決して「一生懸命頑張ったから、これぐらいもらって当たり前」ではない。球団はその事実を若い育成選手に詳しく伝えた方がいいかもしれません。
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